『永遠のモータウン』は上映館で3回観た。てゆーか、映画館で観るべき作品。今は
DVDをBGM代わりにしている。モータウンレコードのレコーディングミュージシャン、そう、あ
の「ファンクブラザース」
がこの作品を飾る。レコーディング再現シーンは絶品。リーダーのアール
ヴァンダイク(ジャック・アシュフォードが代わりに出ている)が掛け声を。
ドラム、ベース、ギター、キーボード、そして最後にタンバリンがグラマラスに炸裂する。凄いよ。これがモータウンの音だよ。才能の塊みたいなミュージシャ
ンたちのセッションは、いつだって極上だね。ラストで往年のモータウンのミュージシャンにスタンディングオベーション、既に故人もいる。当然、賞賛の嵐。
リスペクト、だね。ミッシェル・ンデゲオチェロはいったね。「ヒッツヴィルは、結局、建物じゃなかった。ヒッツヴィルはその中にいる人々だった」。モー
タウンには脱帽だ。何度観ても良い。モータウンを知らない、という人も。超お薦めだよ。
『ランド・オブ・プレンティ』、待望の巨匠、ヴィム・ヴェンダース最
新作だ。ああ、ヴェンダースってロード・ムービー作家だなって思う。LAで始まってNYで終わる映画。モチーフは混乱に揺れるアメリカそのものだ。ふたり
の主人公の、コントラストが象徴的だ。人間って、結局、自分の見たいように世界を見ているもの。眼前で展開されている光景が同一のものでも、全然違う心象
風景としてふたりには映ってる。経験によって、それも衝撃的経験によって、世界の見え方は変わる。変えることができる。変わらざるをえないこともある。全
然、感想としては外れているかもなwとか思いつつ、そんなことを後にして映画館を出る。観る人によって、問いも印象も激しく違うもんじゃないだろうか。評
価は保留。だた、観る価値は充分にあるよ。
マカロニウエスタンの撮影所の廃墟がいまだスペインの辺境に存在して、そんでまたそのウェスタン村で、スタントがウエスタンショーをこなして生計立ててる。ま、『マカロニ・ウェスタン 800発の銃弾』というタイトルとは裏腹に当然のようにさびれてるわけだけど。なんだか不思議な設定が、ツボにはまった。というわけで、マカロニウエスタン映画ではない。家族の愛おしくも物悲しい交流の映画。これはっ!というショットもいくつか。気になるなら観てもいいんで内科医。
『Dear フランキー』です!エミリー・モーティマーでしょ、ジェラルド・バトラーでしょ、それでもって、舞台はあたいの大好きなスコットランド、この風景がまた哀愁を誘うんだ、どこかたまらなく懐かしい、これが。最初から期待大。で、大満足。フランキー演じるジャック・マケルホーンが全てだよ。スクリーンの向こうからあらわし切れない情感が肉薄してくる感じ。あったかい気分になれる映画だ。暖かい家庭とは無縁に育った私には、ちょっとこたえるけどな。まあ、芸達者揃いのキャストの感情のひだをえぐる表現が、これがまたよい。音楽も良かったね。素敵。
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、愛すべきぶっ飛びキャラ溢れる人々がおりなす最高のコメディだ。あの伝説のカルト作品『天才マックスの世界』のウェス・アンダーソン監督ですよ。と言いながら、見逃して見よう見ようと思いつつ、やっと。独自のピッチとウィットを持ってる。さすがだぞウェス・アンダーソン。トンデモな登場人物の描写も秀逸。ジーン・ハックマンにはオスカーだな。すげぇやこの俳優さん。