いろはにぴあの(Ver.4)

音楽、ピアノ、自然大好き!

トリル

2015-03-19 | ピアノ、音楽

 ハイドンのピアノソナタを弾いていて苦心した箇所の一つにトリルがあります。素早いとはいえたかが隣通しの二音、その二音の連なりが曲の中に入るとたちまち音楽が華やかになるのですが、その二音を音楽の流れを促進するように曲の中にうまく入れるのにはかなりの技術がいり、本番で弾く際には最も思うように弾けなくなる箇所のひとつのように思えます。重くならないように、しかし確かに響きのある音となるように、正確に、音楽の流れを助けるように、弾きたいものです。

 そのために大切だと思ったのが手首の角度や動きの変化。ハノンにはトリルだけの練習曲46番があります。この楽譜。指を素早く交互に動かせばよいと軽く見ていたのですが、久しぶりに弾いてみたら半分もいかないうちに腕が痛くなりました。まずいですね。。。

 

 そこでRittorMusic社の『本当に役立つピアノ練習法74』という本の「トリルを綺麗に聴かせる方法」というページを開いてみたら、「手首を左右に振ってリラックスして弾ける状態をさぐる」と書いてありました。トリルの低音部を弾くときは手首を左に振り、高音部を弾くときは手首を右に、指の動きの補助として振るとよいとありました。そこで騙されたと思いながらも手首を左右に振ってちょっと回転するような感じで弾いてみたら、自然に弾けるのではと思い、試してみました。そうしたら、確かに自然な感じに弾けて、痛くならずに済みました。トリルでは極端にならない程度に手首の角度を変え回転させながら揺らすというのは有効な気がしました。

 それ以降ハノンの46番のトリルの練習が日課に入りました。回転運動ことローリングの練習にもなるし、本にも書かれている通り確かに5本の指の練習だと思うし。。。そうすることで少なくとも曲の中にひょいと登場してもどぎまぎしなくなりそうな気がしました。考えてみたらショパンのエチュードOp.25-6なんか三度のトリルの練習で弾くのが難しく弾けたら得られるものが大きかったですよね。そう思えば思うほどトリルを大切にしたいと思えてきます。

 そして曲の中のトリル。どの音からどんなタイミングで入れるかが大切なポイント♪どの音から、ということで先ほどまで考えていたのがハイドン作曲ピアノソナタHob.XVI/32の第2楽章のトリルでした。どの音から入るか、楽譜には直接答えがないので考えられる案を。大きく分けて下の写真のように上から弾く方法とその音から (下から)弾く方法があります。

 この部分について、『ハイドン・ピアノソナタ 演奏の手引き 鍵盤楽器ソナタの概要と分析』ヨセフ・ブロッホ、ピーター・コラジオ共著、中村菊子監修、大竹紀子訳 という本によると、3つの方法が書かれていました。

 上から弾く方法「すぐ上の補助音から拍の上で始める方法。この方法では、左手の音と不協和音を造ることになり、一種の緊張感が感じられる」

 その音 (下から)弾く方法「メインの音から拍の上で始める方法。この方法ではトリルがハーモニーの一部となり、ほとんど緊張感がないスムーズな響きを作れる」

 タイのかかったトリルで、上の補助音を拍の上に置き、メインの音からのトリルは拍よりも遅れて始める方法

 そしてここでは最初の上から弾く方法を勧めていました。すなわち和声音ではない音で始めることで左手の音と不協和音を造り緊張感を醸し出す方法を勧めていました。

 いくつかの録音を聴いたところ、最初の上から弾いている例が一番多く、その次にその音(下から)弾いている例がありました。技術的にはちょっと大変なのですが、聴いていて上から弾いている例の方が印象的にぴりっと聴こえたので、上から弾く方法を採りあげてみようと考え中。さてそのトリオを重くならないように、かすれないように弾けるかどうか、これから次第ですね。最初のうちは「ラソラソ」と声に出してみるのもよさそうな気がしてきました。今日はそれはやらなかったのですが、効果がありそうな気がしてきました。またやってみよう。

 たかがトリル、されどトリル、ですね♪

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