今日、松尾楽器に行こうと思ったもう一つのきっかけが、鷺谷宰先生という先生の「大人のピアノ愛好家のための練習法」というタイトルの公開レッスンだった。「大人の愛好家」「練習法」という響きが非常に身近に感じられ、いい刺激を受けそうだと思い出向くことにしたのだ。会場は松尾楽器商会内にある松尾ホールだった。
第1部の公開レッスンと第2部の鷺谷先生の演奏とに分かれていた。
結論から書こう。非常に中身の濃い充実した公開レッスンだったと思う。参加された方はみんな大人のアマチュアの方だと思われる。
公開レッスンの曲目は
リスト:3つの愛の夢より 2番、3番
ベートーヴェン:ピアノソナタ第5番Op.10-1 第1楽章
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 二短調 Op.54
それぞれの作曲家がこれらの曲を作った動機や時代背景から説明されていた。リストの愛の夢2番は初めて聴いた曲。もともとはソプラノの歌曲だったのが、ピアノ用に編曲された。冒頭に愛のためなら死ねるというような内容の詩が書かれていて、愛と死がテーマとされている。そのためテーマとなる歌の旋律をはっきりと提示すること、そして情感的に、そして高揚感を持って歌いこむことが大切だと言われていた。音が少ない部分のクレッシェンドは難しいけど、そこを出し切ることも大切だと。一方有名な愛の夢3番は心を痛めた男性が感情を抑えきれずいいたいことを主張するという内容らしく、第2番のようにセンチメンタルになりすぎないことが大切だと言われていた。今まで思っていたのとはかなり違う内容の曲のようだ。愛の夢の2番、なんだか弾きたくなってきた。
ベートーヴェンの5番は根底にある拍子やリズムをはっきりととらえるように、そして動機となる音型を明確にキャラクターをはっきりとつけることが大切だと言われていた。また対立要素も際出させることも大切だと。20番を練習していたときもそうだったと思った。5番は20番よりもさらにそういう要素が強いと思われる。
メンデルスゾーンの厳格なる変奏曲は終始拍子が一貫している古い形の変奏曲なので、原型の骨格となるものを保ったまま統一感を持って構築していくことが大切だと言われていた。すぐれたオルガニストであったメンデルスゾーンらしく、オルガン曲らしい重厚な響きに満ち溢れている。そのような響きを大切にするために、低音部をしっかり出すこと、音色を豊かに演奏することが大切だと言われていた。
大まかにまとめたけれど、かなり細かい指摘をされた上に自ら演奏もされたりしていて、私たちも一緒にレッスンを受けているような気分になった。
最後に全体へのアドバイスとして、クラシック音楽ではまず作曲家ありき、作曲家が楽譜を通してどのようなメッセージを発しようとしているかを引き出すことが大切だと言われていた。演奏者自身が前面に出すぎていて作曲家自身の存在がぼやけてしまっていたり、CDの演奏を鵜呑みにしたような演奏ではよくないのでは、ということだった。ついやりそうなことなので耳が痛かった。作曲家自身が本当に発しているメッセージは確かに楽譜だけだしなあ。(しかしその楽譜がときにはいろいろだったりするのですが(汗))
第2部の鷺谷先生の演奏は
モーツァルト:デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲ニ長調K.573
ラヴェル:水の戯れ
ドビュッシー:喜びの島
だった。どの演奏も音色が美しく表情豊かで、拍子も安定している上に洗練されていて、心が洗われそうな非常に聴きやすい演奏だった。非常に難しい曲だと思うのに、難しそうに思えないように演奏されているところがすごいと思った。裏ではあのレッスンのように多くのことを考えながら演奏されていると思うのだけど、そのように感じさせないところが。。。
このような充実した内容の講座が手ごろな価格で聴けて本当によかった。テンションが一気にアップできた。鷺谷先生のことも初めて知ったのだけど、また先生の公開レッスンがあったら出かけてみたいと思った。
第1部の公開レッスンと第2部の鷺谷先生の演奏とに分かれていた。
結論から書こう。非常に中身の濃い充実した公開レッスンだったと思う。参加された方はみんな大人のアマチュアの方だと思われる。
公開レッスンの曲目は
リスト:3つの愛の夢より 2番、3番
ベートーヴェン:ピアノソナタ第5番Op.10-1 第1楽章
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 二短調 Op.54
それぞれの作曲家がこれらの曲を作った動機や時代背景から説明されていた。リストの愛の夢2番は初めて聴いた曲。もともとはソプラノの歌曲だったのが、ピアノ用に編曲された。冒頭に愛のためなら死ねるというような内容の詩が書かれていて、愛と死がテーマとされている。そのためテーマとなる歌の旋律をはっきりと提示すること、そして情感的に、そして高揚感を持って歌いこむことが大切だと言われていた。音が少ない部分のクレッシェンドは難しいけど、そこを出し切ることも大切だと。一方有名な愛の夢3番は心を痛めた男性が感情を抑えきれずいいたいことを主張するという内容らしく、第2番のようにセンチメンタルになりすぎないことが大切だと言われていた。今まで思っていたのとはかなり違う内容の曲のようだ。愛の夢の2番、なんだか弾きたくなってきた。
ベートーヴェンの5番は根底にある拍子やリズムをはっきりととらえるように、そして動機となる音型を明確にキャラクターをはっきりとつけることが大切だと言われていた。また対立要素も際出させることも大切だと。20番を練習していたときもそうだったと思った。5番は20番よりもさらにそういう要素が強いと思われる。
メンデルスゾーンの厳格なる変奏曲は終始拍子が一貫している古い形の変奏曲なので、原型の骨格となるものを保ったまま統一感を持って構築していくことが大切だと言われていた。すぐれたオルガニストであったメンデルスゾーンらしく、オルガン曲らしい重厚な響きに満ち溢れている。そのような響きを大切にするために、低音部をしっかり出すこと、音色を豊かに演奏することが大切だと言われていた。
大まかにまとめたけれど、かなり細かい指摘をされた上に自ら演奏もされたりしていて、私たちも一緒にレッスンを受けているような気分になった。
最後に全体へのアドバイスとして、クラシック音楽ではまず作曲家ありき、作曲家が楽譜を通してどのようなメッセージを発しようとしているかを引き出すことが大切だと言われていた。演奏者自身が前面に出すぎていて作曲家自身の存在がぼやけてしまっていたり、CDの演奏を鵜呑みにしたような演奏ではよくないのでは、ということだった。ついやりそうなことなので耳が痛かった。作曲家自身が本当に発しているメッセージは確かに楽譜だけだしなあ。(しかしその楽譜がときにはいろいろだったりするのですが(汗))
第2部の鷺谷先生の演奏は
モーツァルト:デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲ニ長調K.573
ラヴェル:水の戯れ
ドビュッシー:喜びの島
だった。どの演奏も音色が美しく表情豊かで、拍子も安定している上に洗練されていて、心が洗われそうな非常に聴きやすい演奏だった。非常に難しい曲だと思うのに、難しそうに思えないように演奏されているところがすごいと思った。裏ではあのレッスンのように多くのことを考えながら演奏されていると思うのだけど、そのように感じさせないところが。。。
このような充実した内容の講座が手ごろな価格で聴けて本当によかった。テンションが一気にアップできた。鷺谷先生のことも初めて知ったのだけど、また先生の公開レッスンがあったら出かけてみたいと思った。