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いろはにぴあの

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「風と木の詩」を読んだ

2010年04月12日 | 読書
 今日は職場が閉校日だったので、「風と木の詩」をすべて読んだ。4巻以降やめられなくなりそのまま10巻へ。

 ショックだった、本当に。こうなるべくしてなったのだろうか、とも思うのだけどやっぱりショックだった。登場人物も誰がいいのか嫌なのかも分からなくなってしまった。その人その人に事情があって。下手な感想は書かないほうがよさそうに思えた。漫画で泣きそうになったのは初めてかも。

 そして表面的なことを超えてこの漫画は優れた漫画だと思った。若い時に読んでいたらどういう感想を持っただろうか、とも思うのだけど。

 すみません、今回はコメなしでよろしくお願いします。

「風と木の詩」が届き

2010年04月10日 | 読書
 「風と木の詩」の文庫が10巻届いた。ネットで少しネタも調べ、少年同士の同性愛の話だということも覚悟はしていたけれど、いきなりこれはすごい。覚悟しておけというのはこういうことだったのかと。まだ3巻の途中。最後まで読んでしっかりした感想を書くのが筋かもしれないけれど、そういうことができる自信もないので今のうちに書ける感想を書いておく。あらすじは省略する。あとは個人的な感想なので賛否両論あると思う。その点についてもご理解いただけたらと思う。

 ジルベール・コクトー、美男子だけどとんでもない食わせ者。はまってしまう人の気持ちも分からないわけでもないけれど。あのやばい行動の裏には心に大きな傷を抱えているというのがある。オーギュストという叔父には弱いし。そしてそんなジルベールの行動に不可解な感情を抱きながらも正面から向き合おうとしているセルジュ・バトゥール。そんなセルジュはピアノがうまい。なんといい奴なんだ。
 というわけで私はセルジュに好感を持ったのだが、第1巻の寺山修司氏(あの「書を捨てよ町へ出よう」という本を書いた不良おやじアーティスト。私もかっこいいと思っていたことがある)のあとがきがすごかった。

「ジルベールも、オーギュも、ボナールも、みな人間的真実にあふれている。そしてまたぼくは、すべての登場人物にもまして、竹宮惠子のロマン志向の内にひそむ、革新と反攻の精神を愛する。
 万才!ジルベール。セルジュのような堕天使に敗れてはいけませんよ。」

 う~ん、激しいあとがき。彼の論理でいったらそうかもしれないとは思いつつも、最後の文が気に入らない。しかもこの漫画を読み、しかも寺山修司にあこがれていた人が彼の書いたあとがきを何も分からずに真に受けたりなんかしたらどうなるのだろうと思えてしまったのであった。

 プレストアジタートとの関連性はちょっと脇に置いておこう、と今の段階では思えるのだった。

レター教室

2010年03月05日 | 読書
 書店では99%の人が面白いと言ったという宣伝がついていた三島由紀夫氏の「三島由紀夫レター教室」。三島氏の他の作品よりも読みやすそうに思えたし、文章を書く上で参考になるかもしれないし、99%の人が面白いと言うのだから面白いだろうと思って読むことにした。読んだら面白すぎて笑いっぱなし。氷ママ子、山トビ夫、空ミツ子、炎タケル、丸トラ一という五人の登場人物が様々な出来事、感情、思惑、魂胆などなどをすべて手紙で表現した小説だった。恋愛、依頼、招待、誘い、断り、相談、通知などなどあるのだけど、全員その人らしさがでていて個性的。お互いが関係しあって事態も複雑にからみあっていく。最後は落ち着くようなのだが。名前と性格とも妙に関連性があり、その人がまさにその人であるということを表しているのだけど、どの登場人物も全員筆まめというのが一致しているのがまたおかしい。どの人物も困ったところがありながら人間くさくて憎めないし身近な気がするし。文章を書く上で参考になるかもしれないというハウツー本としての役割は期待できなかったものの。

!と?の秘密

2010年02月23日 | 読書
 川上未映子さんという芥川賞作家、名前は知っとったものの、読んだことなこうた。ある日の新聞を見て、すごく強烈な人やなという印象を受けた。そして書店でエッセイの文庫本「そらそら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」に巡り合い、めちゃくちゃおもろいやねん、と思うた。

 !と?の秘密についても書かれていた。原文はばりばりの大阪弁になっているが、ここでは内容のみを紹介しておく。彼女によると、我々が使うびっくりマーク「!」と、疑問があるとき使う「?」マークは、猫をお尻のほうから見た模様なのだそうだ。どちらの記号も上の部分はびっくりしたとき、および疑問を持ったときのしっぽの形、下の黒丸は猫のお尻の穴だということだとか。妙に納得やわ。。。

 他に「井戸の中の蛙」というのもあったなあ。「井戸の中の蛙大海を知らず」ということわざがあるが、「大海を知らず」のところに「青空が見える」というのを入れた話もあった。蛙の住処は井戸の中でもそうでなくても、青空も星空も曇り空も見えたほうがいいに決まってる。

 その他も読み応えがたっぷりやわ。芸術、言葉、人生、その他多方面にわたって言及しとる。貴重な書籍だからちまちまゆっくりと読んでいこ。こういう本を早う読んだらおもろない。

 川上未映子さんの地元は大阪の京橋だった。結婚前に勤めていた会社を思い出した。そこは関西人が非常に多かったため自然と関西弁が耳に入ってきた。私は生まれは広島だが、育ったのは東と西両方なので自分の母語が何弁なのかが謎なのだ。西日本にいたときは東日本っぽいと言われ、東日本にいる今は西日本の方ですねと言われる。ちなみに上でちょっと使った関西弁も中途半端に違いない。自分の母語、今となっては謎かちゃんぽんでいいと思っている。にほんごであることには変わりないし。

なんとか

2010年01月15日 | 読書
 Bridget Jones、3分の1まで読みました。今ブリジットの誕生日のところ。ドジだけど一生懸命なブリジット、ダニエルという悪い奴にはまっているのではらはら中。目覚めてくれ~。ちなみにペーパーバックって、辞書なしで読もうとするときついですね。かといって全部辞書で調べていたら時間かかるし。

演奏のための楽曲分析法

2010年01月13日 | 読書
 昨日読んだ楽曲分析の本がこの「演奏のための楽曲分析法」です。昭和49年に書かれた古い本だし、著者の熊田為広先生も既に亡くなられているのだけど、説明も分かりやすそうだったし、楽譜も載せられていて具体的な分析もされているので読んでみようと思いました。
 
 目次と大まかな内容は
第1章 素材と要素 美しい音とはなにか、という問いかけから始まっています。
 音の残響性
 正しい音程
 テンポと音質
 高低と音質
 高低と強弱
 旋律線と強弱
 高低と運動性
 テンポリズムアーティキュレーション
 クレッシェンド、デクレッシェンドとテンポ
第2章 アクセント 楽曲分析で最も大切なものとしてとらえていたのが非常に印象的でした。
アクセントの二性質
アクセントと精神活動
強勢的アクセント 
 基本構造のアクセント 拍子の始まりとかですね
 タイによるアクセント
 スラーによるアクセント
 アーティキュレーションによるアクセント
 音型的アクセント
 装飾的アクセント
 作為的アクセント
表情的アクセント
 倚音によるアクセント
 繋留音によるアクセント
 旋律の最高音、最低音によるアクセント
 量感的アクセント
 先取音によるアクセント
 不協和音のアクセント
 和声リズムのアクセント
第3章 旋律の分析 線によってあらわせる旋律の動きから意味を探究
 旋律の骨格と装飾
 アウフタクトと刺激性
 旋律線の形状とリズム運動
 グルーピング
 グルーピングとアーティキュレーション
 グルーピングとフレージング
第4章 提唱と応答
 反復型
 対立型
第5章 アナクルーズとレジナンス 精神的な動き。アナクルーズは緊張や集中、デジナンスは弛緩や解放をあらわす
 開始と末尾のリズム
 アナクルーズとデジナンス
第6章 総合分析
 クーラウ ソナチネOp.20-1 
 バッハ 組曲第2番第6曲
 ショパン 華麗なる大円舞曲
 ブラームス 交響曲第4番第4楽章
 ケーラー 35の練習曲第2番
 ビゼー アルルの女第2組曲

 ここに目次を書いたのは、実際に曲を弾き始める前に分析する上でこの目次を参考にしただけで役に立ちそうだと思ったから。印象的だったのはアクセントの大切さを唱えていることと、特に倚音を正しくとらえることの難しさと重要性について強調されていたことです。
 まだ全部理解できているわけではないけど、かなり充実した内容でした。また内容については追加するかもしれません。

 理論を頭に押し込んでも弾けなかったらアウトなのですが。。。やっぱり紹介したいので書きました。音楽大学の教科書としても使われていたことのある本のようです。買ったらこれだけするのですが、図書館にあると思うのでよろしかったら読んでみてください。

対岸の彼女

2010年01月12日 | 読書
 今日は久しぶりの悪天候。こういう日は家にいるのも悪くない。
 図書館で借りた本を数冊読む。ショパン関係の本、楽曲分析の本を読み参考になるところをメモった。ショパン関係の本は「ショパンをどのように弾きますか?その答えを探してみましょう」だ。ショパンという作曲家の特徴と向かい方、賛否両論あると思うけど、ソナタ、ロンド、バラード、スケルツォ、即興曲については詳細な解説がついている。エチュード、ワルツ、マズルカ、ポロネーズについては曲ごとの解説はそこまでないのだけど全体から見渡した包括的な解説がついている。即興曲の解説には感銘を受けた。その内容をすっかり鵜呑みにしてしまってはいけないのだろうとも思うのだけど。
 他に昔読んで泣いた本を読んだ。角田光代の直木賞受賞作品「対岸の彼女」。独身で旅行会社兼掃除会社を経営する葵と既婚子持ちの専業主婦の小夜子。人づきあいが上手でなく子供にも影響を及ぼすのではないかと思っている小夜子。旦那からも認めてもらえず自分の状況を変えたいと思い、葵の経営する会社の面接を受ける小夜子。そこで出会った葵は非常に明るいのだが、実は横浜での中学時代にいじめられ、高校は群馬県に引っ越したという過去があったのだった。葵は高校時代に出会ったナナコと仲良くなった。そのナナコ、非常に心が優しくしっかりしているのだけど、意外な家庭環境だった。そして現代に戻る。お互いに孤独感を抱えた葵と小夜子。いろいろ紆余曲折があったものの、最後は。。。。ちなみに私がこの本を昔読んだときは葵ほど明るくもがんばってもいなかったけど、どちらかと言えば葵に近かったと思う。彼女の過去のエピソードの部分は他人ごとに思えなかった。そしてナナコのような人になりたい、ナナコのような友人が欲しかったと思ったのを覚えている。話の終了後、葵と小夜子の友情が続いてほしい、そして二人とも幸せであってほしい、と思った。あと葵、ナナコとはその後連絡をとることはないのだろうか、とも。葵があのように変わったのはナナコの影響も大きいと思うから。
 大人になってから友達を作るのは難しいというけれど、私の場合学生時代からと卒業後とでは卒業後のほうが多い。いい人たちに巡り合えたんだと思う。それでも多いほうではないのだけど、今そういう状況であることに感謝したいと思う。そしてこの本に巡り合えたことも。世の中にはいろいろな人たちがいる。これからもいい出会いがありますように。リアルで、ネットで、心の中で(そういう感覚は分からない、と思われる方も多いかもしれませんね。例えば故人、話の中の人、はるかかなたの世界にいる人たち等も友達だと思ったら友達なんです)、いろいろ含め。そのためには自分自身しっかり歩んで行かなくちゃ。
 そうそう、ブリジッドジョーンズもあった。5分の1から進んでいない(汗)。

ペーパーバック立ち読み

2009年12月26日 | 読書
 帰り道にちょっとワルイことをした。書店によってペーパーバックの立ち読みをしたのだ。別にワルイことじゃないじゃん、たしかにそうかもしれないけれど、そのあとにするべきことを考えたらそういうわけにもいかないのだ。主婦で昼間に働くと言うのはこういうことだったのだと今になって分かったという、あまりにも気づくの遅かりしの私だった。
 立ち読みの対象はSex and the City、Christmas Carol、How Starbucks Saved My Lifeだった。この中で一番読みやすそうだったのは実話に基づいて書かれたと思われるHow Starbucks Saved My Lifeだった。思いきって買おうか、とも思ったけど今回はやめた。今一番読みたいペーパーバックはBridget Jones's Diaryだ。日本語版を読んで爆笑しっぱなしだった。(ちなみに映画はあまり面白く感じなかった)こうなったらやっぱり原書を目指したい。その中で最も印象的だった言葉が「内面の安定」ことInner Peace and poise。結婚できるためにこれを目指して最大限の努力をしようとするジョーンズだったが。。。模範的でないのがいい。やっぱりこの小説は世界中の女性の味方だと思う。独身時代この小説を思い出すたびに励まされていたもの。そして次読みたい本はSex and the Cityかな。
 アマゾンだとすごく安く買えるようだ。がんばって読もうかな~。英検のような試験を目指すのはきついけど、ペーパーバック1冊読んだら自信がつくかもしれない。もしちゃんと読み終えることができたらここで報告します。

 クリスマスも終わり、正月も近いのにこれは不良日記ですね。これからは主婦としても恥ずかしくない生活を送ります。

脳に悪い7つの習慣

2009年12月03日 | 読書
 書店で何度か立ち読みし、すごく気になっていた「脳に悪い7つの習慣」という本。実際に読んでみた。耳が痛かったけど非常に為になった。今まで脳に悪いことをいかにたくさんやってきていたか。これから改善しようと思った。

 以下のことをすると脳に悪いらしい。
1.「興味がない」と物事を避けることが多い
2.「嫌だ」「疲れた」とグチを言う
3.言われたことをコツコツやる。
4.常に効率を考えている
5.やりたくないのに、我慢して勉強する
6.スポーツや絵などの趣味がない
7.めったに人をほめない

 そして最後に「自分を捨てる勇気をもとう」と締めている。もちろんここの内容の根拠もちゃんと書かれている。
 1.2.3.4は耳が痛かった。とくに3.4。よさそうだと思ってやってきたことも多いのでどきり。目標をころころ変えてはいけないというのもやばいなあ(汗)。あと非常に印象的だったのが3の中に書かれていたこういう内容。「ここぞというときにリラックスをしてはいけない」そう、そうなんですよ。ここでいいと思った途端に気が抜けることって多いから。

 というわけで、かなり型破りでいい本でした。

いとしの清水義範

2009年05月23日 | 読書
 清水義範というヘンな小説家をご存知ですか?パスティーシュという他の作家の作品や世の中の現象を面白おかしく模倣する広範囲で言うパロディ文学で有名な人です。
 たとえば、私は国語に苦手意識を持っていました。ピントがずれた答えをよく選んでいたのです。だから「国語入試問題必勝法」という本を読んだとき、自分の感性はおかしくないのだと肯定されたような気分になりました。英語は比較的得意だったけど、「永遠のジャック&ベティ」を読んだとき、教科書は登場人物の行く末のことをあまりしっかりと考えていなかったということが分かりました。日本国憲法をいろいろな文体で書きながら憲法の本質に立ち向かっていそうな「騙し絵日本国憲法」で最も憲法の勉強ができました。他にも「ジャンケン入門」「お金物語」「単位物語」「アキレスと亀」「江勢物語」などがH市の図書館に置いてあり、それらの本を読むとたちまち笑いと勇気がわいてきていました。つらいことがあっても清水さんの本を読んで勇気付けられたことがたくさん。パロディばかり書いているけど本当はすごく心優しい人なのだと思っていました。そして今は手元に図書館から借りてきた「日本語の乱れ」という本があります。久しぶりに清水さんの本を図書館で発見し、前回書いた岸本さんの本を見つけたときのようななつかしい気分になって借りました。なんだかエラぶったようなタイトルですが、中身はヘンな小説がつまっております。日本語の乱れに抗議する人たちの投書をあつめたものとか、音声認識ソフトの爆笑認識結果とか、おかしい「学習の手引き」とか、比喩教育の成果にならない成果とか。。。

たとえばヘンな比喩の例(以下引用)
「ぼくは学校で、遊んでもいいような休み時間には、よく学校のすみっこのような校庭で、ボール遊びのような三角ベースをしている。これは四人ぐらいのような五、六人で、やきゅうのようなことをすあそびで、友達のような男子とやる。そのときはたのしくあそんでいるようにたのしい。
 それにあきると、ほかのことがしたくなったようにべつのことをする。
 休み時間は、勉強をしなくてもいいように大好きだ。」

なんとAをBではなくてAをAに喩えているのだ。それは喩えではないのだが。

 おっと、この記事で書きたいことはそれだけではなかった。清水義範さんは最近雑誌婦人公論にも素晴らしい記事「大人が持つべきは、ほめあって育てる自己肯定感」を投稿されました。新聞で目次を見つけ、これは中身を読まなければと思って立ち読みしたところ(ワルイ客です)、心温まるやさしい内容の文章でした。やっぱり清水さんは我々の心優しい味方です!って、我々ってだれ?人たちみんなということにしておこう。
 最後に彼のファンサイト「永遠の清水義範」を紹介しておきます。