入社して1年経った。その間、いろいろな出来事があった。世間知らずのわたしには、戸惑いの連続だった。
伝票に名前と金額を書いてハンコを押すと、なんで現金がもらえるんだ?
預金の出金は、預けた金を取り戻す行為だから理解できたが、会社の用事に使う現金を出すときは、理解できなかった。
フリーの出金伝票に理由を書いて自分の印を押す。すると、伝票と引き換えに現金が出る。ふしぎだなぁ。
こんなこともあった。
複写の伝票を書くと、遠い支店に現金が届くという。でも、伝票しか送っていないのに送金できているという。不思議だなぁ。
失敗もよくした。
電話の取り次ぎが終わっていないのに、受話器を下ろして切ってしまった。
電話口で先方の名前を伺っておきながら、受話器を置いた途端に名前を忘れてしまった。
個人の内密をうっかりしゃべってしまった。このときは、大きな問題に発展してしまい、店長代理と課長を伴って先様へ謝りに行ってきた。生涯一の失敗だった。
用件を早とちりして間違えた。
電話で約束したことを忘れていた。これが、一番多い。会社で用意されているメモ用紙は書きづらいと、身勝手な私。ガリ版で自分専用のメモ用紙を作ったが、あまり効果はなかった。
会社文書を、無断で液に浸(つ)けてダメにした。当時の複写機は湿式で、透明な原稿しか複写できない。わら半紙など不透明な用紙では、紙を透明にする液に浸(ひた)してからコピーする。そうした原稿は、ビニールのように変質して、なかなか乾かず、元の紙には戻らない。だから、叱られた。
自分専用の収納印をはんこ屋で作り、業務で使っていたら後日、定期検査で判明。本社からきつ~く叱られた。上司にも迷惑をかけてしまった。
電動加算機を使って、「使うな」と叱られた。その上司は、ソロバンだけを勧めた。
現金の過不足は1円も許されない。もちろん、伝票、帳簿の計数もしかり。でも、合わないことが何回もあり、原因調査に、先輩には大分迷惑をかけた。
数えたらまだまだある。切りがないので、この辺で打ち切る。1964(昭和39)年3月。
伝票に名前と金額を書いてハンコを押すと、なんで現金がもらえるんだ?
預金の出金は、預けた金を取り戻す行為だから理解できたが、会社の用事に使う現金を出すときは、理解できなかった。
フリーの出金伝票に理由を書いて自分の印を押す。すると、伝票と引き換えに現金が出る。ふしぎだなぁ。
こんなこともあった。
複写の伝票を書くと、遠い支店に現金が届くという。でも、伝票しか送っていないのに送金できているという。不思議だなぁ。
失敗もよくした。
電話の取り次ぎが終わっていないのに、受話器を下ろして切ってしまった。
電話口で先方の名前を伺っておきながら、受話器を置いた途端に名前を忘れてしまった。
個人の内密をうっかりしゃべってしまった。このときは、大きな問題に発展してしまい、店長代理と課長を伴って先様へ謝りに行ってきた。生涯一の失敗だった。
用件を早とちりして間違えた。
電話で約束したことを忘れていた。これが、一番多い。会社で用意されているメモ用紙は書きづらいと、身勝手な私。ガリ版で自分専用のメモ用紙を作ったが、あまり効果はなかった。
会社文書を、無断で液に浸(つ)けてダメにした。当時の複写機は湿式で、透明な原稿しか複写できない。わら半紙など不透明な用紙では、紙を透明にする液に浸(ひた)してからコピーする。そうした原稿は、ビニールのように変質して、なかなか乾かず、元の紙には戻らない。だから、叱られた。
自分専用の収納印をはんこ屋で作り、業務で使っていたら後日、定期検査で判明。本社からきつ~く叱られた。上司にも迷惑をかけてしまった。
電動加算機を使って、「使うな」と叱られた。その上司は、ソロバンだけを勧めた。
現金の過不足は1円も許されない。もちろん、伝票、帳簿の計数もしかり。でも、合わないことが何回もあり、原因調査に、先輩には大分迷惑をかけた。
数えたらまだまだある。切りがないので、この辺で打ち切る。1964(昭和39)年3月。