生後7か月の子ネコの男の子の拓ちゃんがうちに来て13日目になりました。先住ネコの10歳の男の子の太ちゃんは、子ネコの拓ちゃんによくつき合い、太ちゃんにストーキングしてすり寄る拓ちゃんにいなしたりあしらったりしながらも、じゃれ合って自分との強弱関係を教えて、顔中を舐めまわして愛情を注いでいました。
太ちゃんは誠があり情を偽れず、すり寄る拓ちゃんがうっとうしい本音もあるのですが、拓ちゃんを邪険にすると可哀相、そんな感じでした。あと、拓ちゃんが太ちゃんの体格のよさややさしさ、性格のよさに敬服しているだけでは、太ちゃんは気がすまなかったようです。太ちゃんは本来、知性派で大人なのです。それを拓ちゃんにわかってほしかったのです。
探検家の拓ちゃんが、いつもわたしと太ちゃんが夜眠る、お2階のお寝室に行きたがるのは時間の問題でした。何日か前のことです。わたしがリビングのドアを開け、「お2階のお寝室へ行こう」と太ちゃんと拓ちゃんを誘いました。太ちゃんが先導し、拓ちゃんがお寝室へ入りました。太ちゃんがベッドの上に上がり、拓ちゃんはどうしようかとベッドを一周して、ベッドと壁の間のすき間に入り込み、うずくまってしまいました。その場所は、太ちゃんが子ネコのとき、火のつくライターをいくつもごっそり溜めて隠していた場所でした。当時子ネコの太ちゃんにとって、ライターは宝物だったのです。それは、拓ちゃんにはない知性でした。拓ちゃんはその場にうずくまって動こうとしません。仕方がないので、わたしと太ちゃんでその場を引き上げ、お寝室に拓ちゃんと残し、リビングに戻りました。
その日以来、拓ちゃんはひとり遊びをするようになってきました。が、おうちは元々、先住ネコの太ちゃんのお城で、まだ子ネコの拓ちゃんはやって来たばかりで勝手がわかっていないことがわかっていません。太ちゃんはどうわかってもらおうか、それと、わたしと太ちゃんの絆をどう拓ちゃんにわかってもらうか、考えている様子で窓際でひとりでいることが多くなりました。拓ちゃんも飼い主に気を許し始め、愛されたいのです。
わたしも太ちゃんの様子を見ていて、拓ちゃんのことより心配になり、今日は午前中に「太ちゃん、お2階のお寝室に行こう」と太ちゃんだけを誘いました。太ちゃんとふたりでお寝室に入り、「久しぶりに母子のポーズで寝よう」と、べったりとふたりで横になりました。キング・タイも子ネコのころはリトル・タイだったのです。それから、ベッドの上で太ちゃんにチュールをあげました。チュールを舐めていると太ちゃんも子どもに帰ります。
拓ちゃんもとてもいい子で、物分かりもよく、学習も早く知性派で、常に太ちゃんに負けて出て、賢い子です。芯がしっかりした意志の強い子で、騎士的な性質も見受けられます。太ちゃんにもう少し距離を置くようになるのも時間の問題でしょう。太ちゃんと拓ちゃんの今後を見守っていきます。