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Rlc. Norman's Bay‘Low’

2009年10月15日 00時00分05秒 | ■濃ラベンダー系
※2009年10月15日内容更新

※09年8月我が家にて開花分。花径約145mm(不作)。実際の花色はもっと濃いです。
■Rlc. Norman's Bay‘Low’FCC/RHS-AOS, AM/JOS
リンコレリオカトレヤ ノーマンズ・ベイ‘ロウ’
(Rlc. Hartland x C. Ishtar (1/1/1946))

■花色=濃ラベンダー系
■花径=150mm~170mmくらいの極大輪系
■花型=整型
■弁質=極厚弁
■花着き=やや悪い
■着花輪数=通常2~3輪咲き
■花期=主に夏(不定期の傾向あり)もしくは晩秋から初冬
■株姿=やや大型
■香り=良い

※以下、箇条書きにて。
・旧属名 Blc. Norman's Bay、Rsc. Norman's Bay
・超がつくほど有名な偉大なるクラシックの銘花。その王者の品格は現代においても衰えることなく末裔である Rlc. Chia Lin‘Shin Shyn(新市)’などにも忠実に継承されていると思われる。
・本種は現在の多くの濃色大輪系花たちの品種改良の礎となった非常に重要な品種。
・画像の個体‘Low’はかつて、アメリカでは“満作で花径が300mm近くにまでなった”という話がある伝説的な銘個体であり、有名な往年の銘花。
・交配親としての実績も多数有し、現在、第一線で活躍中の濃色大輪系有名優秀花たちの親品種のさらに祖先として、いくつかの優れた系統を生み出した重要な品種。
・本種の影響力は濃色大輪系花のみに留まらず、意外なところでは、ハワイでの育種でも交配親として重用され、目の覚めるような鮮やかな花色が非常に印象的な中大輪系極美花 Rlc. Hisako Akatsuka なども本種 Rlc. Norman's Bay の血の濃い品種。
・セミイエロー系花の代表品種で有名優秀花として名高い Rlc. Alma Kee も本種 Rlc. Norman's Bay の血の濃い品種。
・かつて沖縄国際洋蘭博覧会で大賞を受賞した優秀個体を有する Rlc. Sakurayama の親 Rlc. Hawaiian Present の交配は C. Helen Mizuta x Rlc. Norman's Bay でこの花にも Rlc. Norman's Bay による良い影響が及んでいると言えると思います。
<入賞データ>
・FCC/AOS = 94P, NS178mm, 1976年
・AM/JOS = 87P, NS165mm, 1970年


<Rlc. Norman's Bay の血の濃い系統の一例>
・Rlc. Memoria Crispin Rosales = Rlc. Norman's Bay の子。主にラベンダー極大輪系花の重要な親品種。
・Rlc. Oconee = Rlc. Norman's Bay の子。主に赤花系の重要な親品種。
・Rlc. Bryce Canyon = 主に独特な深みのある濃ラベンダー極大輪系花の重要な親品種。親の Rlc. Patricia Purves の交配が Rlc. Norman's Bay x Rlc. Hartland (1/1/1961)。
・Rlc. Herons Ghyll = Rlc. Norman's Bay の子。主に雄大なリップを持つ子孫を生む重要な親品種。

<Rlc. Norman's Bay‘Low’の栽培について>
 正直なところ、栽培難易度は他の品種に比べると高い方だと思います。下記に“個人的に我が家での栽培において”感じているその特徴や栽培ポイント等を箇条書きにしました。
・株姿は長大で葉やバルブは柔らかく自重で蛇のようにうねうね曲がるため支柱での整型が必要。
・カイガラムシが付きやすい傾向があるように感じられる。
・根は細めで、弱め。
・コンポストはバークでもよく育つ。むしろ低温越冬になる可能性がある栽培環境の場合はバークの方が冬季に根を傷める可能性が低く出来て良いかもしれない。
・花はやや咲かせにくい。5バルブ以上のある程度しっかりした株にならないと花芽を付けにくいように思われる。
・花茎の長さは普通ですが、花茎、子房部も細めで支柱が必要。
・現存する株に老化が見られるためか、もともと樹勢が弱いのかは不明ですが、花後の株の衰弱が目立つように思われる。そのため花は出来るだけ早めに切って切花で楽しむことをオススメします。
・どの品種にもたいてい当てはまることですが、夏に咲いた花は花径小さめ、弁質と花色薄め、花茎短く細め、当然花保ちも悪いです。ただし、初冬のころの花は見違えるような素晴らしい花となります。


◎Rlc. Norman's Bay の親品種の交配
・Rlc. Hartland = Rlc. Hannibal x C. Leda (1/1/1933)
・C. Ishtar = C. Sargon x C. Fabia (1/1/1925)


◎交配系統図は、こちらをクリック!(協力=Abiko Orchid Room Ronさん)

<Rlc. Norman's Bay の祖先にあたる品種たちの交配>
・Rlc. Hannibal = Rlc. Digbyano-Warneri x C. Fabia (1/1/1920)
・C. Leda = C. dowiana x C. percivaliana (1/1/1900)
・C. Sargon = C. Lustre x C. Hardyana (1/1/1915))
・C. Fabia = C. dowiana x C. labiata (1/1/1894)
・Rlc. Digbyano-Warneri = Rl. digbyana x C. warneri (1/1/1902))
・C. Lustre = C. Callistoglossa x C. lueddemanniana (1/1/1907))
・C. Hardyana = C. dowiana x C. warscewiczii (1/1/1896))
・C. Callistoglossa = C. warscewiczii x C. purpurata (1882)



<Rlc. Norman's Bay‘Low’別個体(一部)>
・Countess(カウンテス)
・Gothic(ゴシック)FCC/RHS, AM/JOS ('65, NS140mm, 83P)
・Hercules(ヘラクレス)FCC/RHS, AM/JOS ('59, 88P)
・Lucille(ルシル)AM/JOS ('64, NS140mm, 83P)
・Royal Bride(ロイヤル・ブライド)AM/JOS ('69, 149mm, 80P)
・Lynda(リンダ)AM/JOS ('69, 152mm, 80P)
・Ruby(ルビー)PC/JOS ('69, 77P)



画像提供=高知のセミイエローさん
■Rlc. Norman's Bay‘Hercules’FCC/RHS, AM/JOS
リンコレリオカトレヤ ノーマンズ・ベイ‘ヘラクレス’
●Rlc. Norman's Bay‘Hercules’についての記事は、こちらをクリック!



※写真からのスキャンのため、画質が悪くてスミマセン!
■Rlc. Norman's Bay‘Gothic’FCC/RHS, AM/JOS
リンコレリオカトレヤ ノーマンズ・ベイ ‘ゴシック’
●Rlc. Norman's Bay‘Gothic’についての記事は、こちらをクリック!


<Rlc. Norman's Bay の子供たち>

●Rlc. Norman's Bay の子供たち画像集の記事は、こちらをクリック!


●Rlc. Norman's Bay の子供たち一覧 - 種子親編 - の記事は、こちらをクリック!


●Rlc. Norman's Bay の子供たち一覧 - 花粉親 2-1 - の記事は、こちらをクリック!


●Rlc. Norman's Bay の子供たち一覧 - 花粉親 2-2 - の記事は、こちらをクリック!


<Rlc. Norman's Bay‘Low’画像集>


※09年10月我が家にて開花分。花径約135mm(不作)。実際の花色はもっと濃いです。
■Rlc. Norman's Bay‘Low’FCC/RHS-AOS, AM/JOS
リンコレリオカトレヤ ノーマンズ・ベイ‘ロウ’
 通常は夏か初冬咲きなのですが、この花は初秋咲きです。そのため、輪数は多く着いたのですが子房部は短く花も小さいです。



※09年10月我が家にて開花分。花径約135mm(不作)。実際の花色はもっと濃いです。
■Rlc. Norman's Bay‘Low’FCC/RHS-AOS, AM/JOS
リンコレリオカトレヤ ノーマンズ・ベイ‘ロウ’



※写真からのスキャンのため、画質が悪くてスミマセン!(1995/08)
■Rlc. Norman's Bay‘Low’FCC/RHS-AOS, AM/JOS
リンコレリオカトレヤ ノーマンズ・ベイ‘ロウ’
 この画像の花は某植物園で初めて Rlc. Norman's Bay‘Low’を間近に見たときのものです。その力強くも気品漂う咲き姿に感動しました!



※我が家にて開花分。※写真からのスキャンのため、画質が悪くてスミマセン!(11月開花)
■Rlc. Norman's Bay‘Low’FCC/RHS-AOS, AM/JOS
リンコレリオカトレヤ ノーマンズ・ベイ‘ロウ’



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