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カトログ式 <カトレヤの植替え(クリプトモス(スギ、ヒノキ樹皮)編)>

2016年04月11日 00時00分00秒 | ■カトレヤの育て方
我が家の開花サイズ株の栽培環境は、ベランダに設置した自作の小型栽培ケース(0.5坪以下)で最低気温12度(潅水後1週間は15度に上げます。)くらいでの低温越冬です。そして、生活スタイル上、年間を通して水遣りは大抵、日曜日の1回のみです。その為、ケース内の位置にもよりますが、ミズゴケでは冬季は過湿で、バークでは夏季は水不足といった状態になってしまいます。そういった状況から、我が家の栽培環境・条件に最も適したコンポストはクリプトモスではないか、という結論に達しましたので、ご参考までに、ご紹介させていただきます。

<クリプトモス栽培の長所についての個人的見解>
(1)他のコンポストよりも植え替え後の回復が早い(植え替えに起因する作落ちが少ない)と思われます。
(2)バークに比べ、コンポストへの害虫など(特に小さなウスカワマイマイ)の侵入、棲みつきが少ないと思われます。
(3)ミズゴケに比べ、根腐れしにくいと思われます。
(4)バークの場合、根が伸びにくい等、生理的に合わない品種(個体)もありますが、それがこれまでのところ(私の栽培経験上では)無い。
(5)ミズゴケに比べ、安価。


<クリプトモス栽培の短所についての個人的見解>
(1)ミズゴケに比べ、水遣りの量(時間、水量)が増える傾向あり。
(2)一般的な他のコンポストに比べ、入手がやや困難(関西地方の店舗(ホームセンター、園芸店など)では、ほとんど店頭に並んでいない。)
(3)使用前の前処理(細かめ、粒状、粉状のものを除去する作業)にやや手間がかかる。


●「クリプトモス(スギ、ヒノキ樹皮)」についてのWEBサイトは、こちらをクリック!



◎インターネット通販で購入した「クリプトモス(Lサイズ)」。100リットル入りで約5,000円。
<ポイント1>
クリプトモスには繊維の粗さで、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズがありますが、カトレヤの栽培には、Lサイズをオススメします、目詰まりしにくく、通気性&水はけ良く最適だと思います。


クリプトモス(スギ、ヒノキ樹皮を独自の方法で粉砕し、繊維状にしてあります。)


<ポイント2(重要!)>
目詰まり防止の為、クリプトモスの細かめ、粒状、粉状のものを除去します。
私の場合は、バケツで3回程、洗ってクリプトモスの細かめ、粒状、粉状のものを洗い流し、その後は、画像のように台所の三角コーナー用ネットに入れ、小分けして保管しています。
※この、細かめ、粒状、粉状のものを除去する作業を省くと、植え替え後の1~2年は非常に順調な生育を見せても、ある時期から急激に調子を崩す危険性が非常に高くなると思われます(自身の失敗経験より)。



<ポイント3(重要!)>
クリプトモスに合う鉢は、プラ鉢だと思います。
理由は、クリプトモスは一度、乾燥すると、水をはじき易い性質をもっています。また、ミズゴケ程には毛細管現象で満遍なく乾いてくれませんので、素焼き鉢の場合、周囲だけが早く乾いて中心部は水浸しで根腐れを起こす危険性が非常に高くなると思われます(自身の失敗経験より)。その点、プラ鉢の場合は空気に触れている上下から乾き、水遣りの際には中心部の古い水分も押し出されて鉢底から排出され易いため、根腐れを起こしにくいようです。


鉢底には根腐れ防止と防虫と底上げの為に鑑賞魚用の活性炭を入れています。


ネット入りなので取り扱いが簡単です。



<植え替え作業1>
鉢底に活性炭を入れます。


<植え替え作業2>
ミズゴケ植えと同じ容量で植え込みます。
※深植えになったり、逆に浅植えになったりしないように調節してください。


<植え替え作業3>
ミズゴケよりも乾きやすい為、ウォータースペースを多めにとります。
※なるべく、各バルブの潜芽が埋もれないように加減します。潜芽が埋もれると傷んで発芽しなくなる危険性が高くなります。
※表面の凹凸がなるべく無くなる様に整えます。


<植え替え作業4>
ラベルを挿して、植え替え完了。
※植替え後、2週間くらいは葉水のみで水遣りはしません。


◎おまけ(有機肥料の施肥について)

<クリプトモス栽培における有機肥料施肥の問題点>
(1)クリプトモスはミズゴケより繊維が粗い為、水遣りの際に融解して粉状になった肥料がクリプトモスの奥底まで入り込んで目詰まりを起こし、根腐れを起こす危険性が高くなると思われます。
(2)上記で目詰まりを起こした部分のクリプトモスの分解が急激に進んで泥状になり、様々な病気の原因になる危険性が高くなると思われます。

<上記、問題点の解決策>
上記、クリプトモス栽培における有機肥料施肥の問題点につき、私なりのひと工夫による解決策を、ご紹介させていただきます。


愛用している有機肥料「バイオゴールドオリジナル」


お茶パックとビー玉を使います。


ビー玉は肥料と一緒にお茶パックに入れて重しにします。


袋の上部をビニタイで縛って、出来上がり。


画像の様な感じで鉢内に置きます。


鉢内に置いて数回の水遣り後の様子。お茶パック内の肥料が融解して成分が出てパックが茶色くなっています。




◎ご質問&お問い合わせ等の連絡先メールアドレスは、こちらをクリック!

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