日本の真実

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アルカリ性土壌でも育つ稲を開発 東大のグループ

2007-06-05 00:41:58 | Weblog
4月20日、東京大学大学院農学生命科学研究科の西澤直子(植物栄養学)教授らのグループは、植物が育ちにくいアルカリ性の土壌でも、鉄欠乏にならずに生育する稲を開発したと発表しました。
鉄分は葉緑素を作るのに必要なミネラルで、不足すると光合成が不十分になって生育不良になります。アルカリ性の土壌では、鉄分が水にほとんど溶けない三価鉄の形で存在するため、そのままでは植物は
吸収出来ません。イネ科の植物は、ムギネ酸類という分泌物を根から出して、三価鉄を水溶性の化合物に取り込んで吸収することが出来ますが、これだけではアルカリ性土壌での生育には不十分とのことです。それに対し、イネ科以外の植物は根から三価鉄を還元する酵素を出し、三価鉄を水溶性の二価鉄に変えて吸収する仕組みを持っています。
西澤教授らはこの仕組みを利用し、食用酵母よりアルカリ条件でも効率良く働く還元酵素の遺伝子を作って、稲に導入しました。この稲はアルカリ性土壌でも良く生育し、導入しない稲の7.9倍もの種子が出来たそうです。
昨年にも西澤教授らは、ムギネ酸類の働きを強めた稲の開発に成功しており、今回の技術と組み合せれば、稲のアルカリ性土壌での生育能力が飛躍的に向上する可能性があるとのことです。また、この技術は麦やトウモロコシなど、他のイネ科植物にも導入が可能ということです。
生産性が非常に低いアルカリ性土壌は国内には少ないですが、世界では中東や豪州、地中海沿岸などに多く、地球の土壌の約3分の1を占めるとのことです。この不良土壌でイネ科の植物が栽培出来れば、世界的な食糧不足の解消は勿論のこと、緑化による地球温暖化の防止効果も期待出来るとのことです。
この技術が出来るだけ早く世界に普及し、食糧不足の解消や地球の砂漠化防止に役立ってほしいと思います。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/cooking/48855/
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/bulletin5/article.php?storyid=189
http://www.bio-portal.jp/2006/10/post_20.html

(信)