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日々の暮らし、仕事、社会、世界情勢などの納得いかないことに徒然にツッコミを入れる。のか?

交通安全運動って何の運動?

2004-09-19 00:49:23 | 疑問
浅草でアニマル“おまえは五輪選手ぢゃないだろ”浜口の娘が浅草署の一日署長として
仲見世通りで秋の交通安全運動を盛り上げたんだそうです。もちろん父親ともども。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20040918AT3K1801A18092004.html

この「一日署長」なる企画、まあ警察のお偉方が街頭で話しをするよりも人は集まる
だろうが、本当に「交通安全」やら「覚せい剤撲滅」やらの本来の主旨は人々に伝わってい
るんだろうか? 今回の浅草では浅草寺の交通安全祈願のお守りを配って回ったそうだが、
なんだよ布教活動じゃねーか。「一日署長」でググってみると出るわ出るわ。松浦あや、
後藤真紀って、それ署長の趣味か?

本題は交通安全運動です。
「本運動は、広く国民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの尊守と正しい交通
マナーの実践を習慣付けるとともに、国民自身による道路交通環境改善に向けた取組みを
推進することにより、交通事故防止の徹底を図ることを目的とする。」んだそうです。
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kotsuanzen/h16youkou-a.pdf

この運動、ケイサツとその天下り先である交通安全協会だけが旗振ってるんだと思っていた
んですが、ググってたどり着いた国土交通省のHPでは上記の運動目的の下に、内閣府、総務省
、総理府から㈳全国乗用自動車連合会まで28の行政官庁、特殊法人が主催者として名を連ねて
います。しかも中には「都道府県」「市区町村」なんていうのもあって、じゃあ全部でいくつ
の団体が主催してんだよ! 
さらに、協賛として134もの財団法人、社団法人、マスコミ各社が列挙されている。
どうやら私の認識が間違っていたらしい。これは日本国中がこぞって参加・協賛している国内
最大級の「運動」であるようだ。知らなかった。今まで全く参加していなかった。

で、3ヶ月程前に読んだ「道交法の謎 7500万ドライバーの心得帳」(高山俊吉 著 
講談社+α新書)にはこんな記述があった。著者は主に交通事故を多く担当してきた弁護士。
「昔は『飛び出すな車は急に止まれない』など、安全運動のたびに標語を作ったりしていまし
たが、いまはそれもやらなくなりました。いまの交通安全運動にどれだけ意味があるのかとい
うと、交通安全に私たちみんなで真剣に取り組みましょうという、一種の精神運動くらいのも
のでしょう。まして、地元の顔役と警察が仲良しになるための場を提供している、どこか特権
的な現在の交通安全運動は、問題であろうと思われます。」
どうやら「一般国民」はこの運動に参加していないようですね。

確かに交差点付近にマーキーテント(運動会の運営本部とかで設営される家型の、屋根だけに
布地を張ったテントね)を張って、爺さんどもが何をするでもなく日がな一日座っている様や、
通行中の車をわざわざ止めさせて安全運転を啓蒙するらしいビラを配ったりすることが、本当
に事故を減らす役に立っているのか甚だ疑問。前出の国交省のHPでは交通安全運動の効果を測
定し次回の運動に生かすとも書いてあるのだが、どう測定しどう生かしているのかも疑問。

さて年二回実施されるこの交通安全運動、今年の2回目は9月21日から10日間に亘って一般的で
ない国民によって催されます。週末ドライバーの私がその被害を被る機会は少ないのですが、
職業ドライバーのみなさんにはご無事を祈るばかりです。