ひとの心は縛ることはけしてできない。
そして、ひとの心を縛りつける権利は誰ひとり持っていない。
それは、グリュプスですら、グリュプスにすら。
そう、思っているのに。
身体を重ね、愛しあっているとき、わたしは矛盾したことを口にする。
グリュプス…グリュプス…わたしだけをみて…わたしだけをすきでいて…
グリュプス…グリュプスがほしいの…グリュプスのぜんぶ…わたしにちょ . . . 本文を読む
もしも、わたしがお星さまになってしまったら。
グリュプスはその翼で、その星を探しにいくだろう。
そして、わたしが見たこともないような鋭い眼をして、わたしをお星さまにしたすべてのものへ、容赦なくその嘴と爪をふるうのだろう。
そんな、こわくてかなしいグリュプス、見たくない。
グリュプスに、そんなことをさせてはいけない。
だから、お願い。
もう少し、もう少しでいいから。
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昔は きっと希望をもっていた
素直に喜び、楽しむことができた
だけど 日々を過ごすうちに、叶わぬ悲しみを知った
奪われる痛みを知った
今までも、これからも続くと思ってきたものは簡単に失ってしまうものだと知った
この世界に、確かなものなど、ひとつしかないのだ
それは
いずれ死ぬこと
世界で唯一、平等で確かなこと。
神様
その贈り物は
わたし . . . 本文を読む
わたしは恋人の嫉妬や束縛は嫌いじゃない。
むしろ好きかもしれない。
でも、行動や考えや感情を決めつけられるのは大嫌い。
わたしは感情で生きてるから。
やろうとしていた事さえ、気分次第で放棄する。
逆に、わたしの気持ちをかきたてるなら。
わたしは信じがたいほどに能力を発揮する。
それほど変わるのに、
「どうせ~でしょ?」とか、一般論を持ち出してきたり。
わたしの行動を勝手 . . . 本文を読む
わたしは音がにがてだ。
車の音、他人の話し声、耳を切る風…
全てわたしの思考をかき消す。
ここの町はわたしを休ませてくれない。
ありえないほどうるさいナースステーション。
大きな十字路の角にある寮は四六時中車の音がやまない。
ふだんは全ての音にそこまで敏感であるわけでもない。
少し疲れたり、気がたっているときはそれらの音がすごく気に障るのだ。
前にいたところは、ナー . . . 本文を読む
ずっと下痢がなおらなくて。
整腸剤飲んでもなかなか治らなくて。
仕事中、オムツの患者を羨ましく思ってしまうことがある。
いつでもしたいときにうんちができていいな、と思ってしまうことがある。
正直まいってきてる。
このおなかの不調に。 . . . 本文を読む
もうやだ。
休みは休めない。
グリュプスにもろくに会えない。
身体はずっと調子悪い。
おなかもずっと下し気味で。
つかれた。
もうつかれた。
神様の意地悪にも付き合いきれない。
なんで昨日と今日を入れ替えてくれないの。
そしたらグリュプスに逢えたのに。
あんな別れ方しなくてもよかったのに。
もうやだ。
頑張ってるのに。
苛立ちをぶつける場 . . . 本文を読む
わたしは、なろうと思えばなんにでもなれるのに。
その努力をせず、勝手に白衣の天使になり、堕ちていく。
グリュプスの翼を引っ張って、わがままを言う。
グリュプスはそんなわたしに本当はきっと思うところがあるのだろう。
ごめんなさい、グリュプス。
いっしょに飛ぼうって言ったのに、わたしは怠けてばかりいるね。
頑張らなきゃね…
グリュプスにおいてかれちゃわないようにしなきゃね… . . . 本文を読む