きょう、いつものようにお仕事から帰ってきた。
めずらしくおうちの電気がついていなかった。
まだ、19時前。
どこかにおでかけしているのかな。
いつもなら、おき手紙がある。
「ちょっとおでかけしてくるにゅー」
それもない。
わたしの携帯は、職場にもっていけないし、グリュプスがもっていっている。
公衆電話から、グリュプスの携帯にかけてみた。
電源が入ってないか、電波が届かな . . . 本文を読む
グリュプスに、わたしの言葉は届いているのだろうか
最近、そう思うことがふえてきた。
わたしは、待って、待って、やっぱり伝えなくちゃ、と思ったときに伝える。
言わないほうがいいのか。
もっとはやく伝えるべきなのか。
もう、わからない。
一体、わたしの言葉のどれだけが伝わって、どれだけのこころをわかってもらえたのか。
そんなことを考え、虚しさがすりぬける。 . . . 本文を読む
小樽に来てから、服もほとんど買ってない。
デートに行って、ブティックを眺めるとおしゃれな服がたくさんある。
たまには新しい服がほしいな。
きらきらしたアクセサリーもいっぱい並んでいる。
わたしはアクセサリーも指輪とネックレスくらいしかもってない。
ネックレスも、ところどころ金や銀がはげてしまっている。
あたらしいキラキラしたネックレスがほしいな…
でも、買えない。
お . . . 本文を読む
もし、わたしが猫だったら。
グリュプスと手を繋いで隣を歩いてみたくても
それを叶える手がない
肌を重ねて愛しあいたくても
身体の作りが違いすぎて
誰より一途な愛を叫べども
出てくるは哀しげな鳴き声だけで
彼の名前すらも紡げない哀しさ
けして叶わない
わたしは、今はグリュプスと同じ種族で、同じ言葉を話せる。
手を繋ぐことも
愛しあうことも
愛を伝えるこ . . . 本文を読む
同じ巣に暮らすようになって、半年がすぎた。
グリュプスは、このまま巣に残り巣を守る道を選ぶのだろうか。
それとも、数年後わたしがこの町を去り、新しい土地に渡った際にわたしと共に外に出て巣を守るのだろうか。
たまにふと思う。
ただわかるのは、わたしが飛びつづけなければいけないことだけ。
わたしにも、選ぶ権利がある。
その道を選ぶなら、覚悟せねばならない。
. . . 本文を読む
わたしたちは、幾度も身体をかさねてきた。
なかなかひとつになれないふたり。
今では、ひとつになれるようになった。
そして、ついに。
この間、愛しあったとき。
グリュプスの息が荒くなり、グリュプスが、わたしの中でふるえた。
くぅ…っ…ふ……っ…
グリュプスはわたしの中に、想いを吐き出した。
眉をよせ、目を閉じて身体をふるわせるグリュプス。
やっ . . . 本文を読む
グリュプスが、来た。
最後の荷物を持って、舞い降りた。
もう、舞い戻ることはない。
ただいま。
おかえり。
グリュプスはとても疲れていたけれど、とても幸せそうな表情をしていた。
グリュプス、もう帰らなくていいんだよ。
そう言うと、グリュプスは大きくうなずいた。
もう、ここがおうちですから。
そう、うれしそうにこたえた。
やっと、一歩進んだ。
. . . 本文を読む
赤い糸を、みずから切ったのか。
わたしにはわからないけれど。
また、わたしのたからものが一つ、なくなった。
わたしはあなたにとって最高の天使になりたかった。
ぼろぼろでこきたない翼だけど、できる限り力になりたかった。
それが、結果としてあなたを堕とすことになった。
それが何よりかなしくて、わたしの翼は紅く染まった。
好きだから、大切だから。
翼が泣く . . . 本文を読む
そろそろ、ふたりの生活がはじまろうとしている。
ふたりで同じ空間で。
もう耳にする声は電話越しではなくて。
お互い、たすけあっていける。
身体をよせあって寒さにたえて。眠りについて。
るかも、グリュプスの翼に包まれて。
そのためには。
そのためにはおかねを手に入れなくては。
かなしいけど…ritsuのお給料じゃ…きびしい。
暮らしてはいけるけど…
貯めるぶんにまわ . . . 本文を読む