あめつちの詩

「あめつち」に響く歌声の持ち主「にいや」こと「新屋まり」が奮闘の日々を綴る。

「冥途の土産ツアー」参戦記(前編)

2022-08-17 | 心の栄養

今まで行ったところで

どこが一番良かった?」

と、母に聞くと

決まって「阿波踊り」という。

10年以上前だ。

私は見たことがない。

「凄かったで~」何度も言う母。

阿波踊りのツアーをたまたま

新聞紙面で見つけた。

お盆休み中でもあって割高だが

母にとってはラストチャンスに

違ない。

即刻2人分を申し込んだ。

名づけて「冥途の土産」ツアー。

条件にワクチン3回接種または、

出発3日より以前にPCR検査で

陰性であること。

主催コンサートでバタバタして

本場を終えた。

出発3日前にかねてより

予約していた三次市の

PCR検査会場へ母と行く。

2週間前から喉がアレルギーで

痛むし時々咳が出た。

前夜、自宅で客人と

酒盛りしたのが炎症に拍車。

喉がかゆくて声がガラガラ。

検査会場の第一関門で

無症状ですかと聞かれて

「はい」と答えた。

風症状とは違って明らかに

アレルギーだから。

が、第二関門で申告しとこう

と思った。

「アレルギー性で喉が痛い」

と言うと受けられない

と言われてしまった。

喉が痛いのは「症状がある」なの?

と根耳に水。

仕方なく母だけ受けた。

他を予約しようにも翌日も

もう一杯で予約が取れない。

ってことは旅行に行けない。

抗体検査でオッケーか

旅行会社に聞いてみろ、

抗体検査なら即日分かる

と妹が同情してくれたが

出先で旅行会社が分からない。

PCRじゃなければダメな場合、

どのみち間に合わない。

唯一、庄原市の個人病院で

検査できると分かった。

30分走れば着く。

検査料なんと27000円!

それでも受けるしかない。

母は「無理に行かんでもええ」

と言うが二人の旅行代金が

戻ってこない可能性が。

午後、医院が開くまで3時間半。

ゆっくりランチをして

車内で時間をつぶして

やっと16時20分になった。

受付をするまでもなく、

お盆前なので検査結果が

14日には間に合わないとのこと。

受けても無駄ですか?と

食い下がるが「はい」ときっぱり。

陰性証明を取る為に丸一日

費やした。

すぐに帰れると思ったので

麻呂をぼっちにして出かけたが

帰宅したら午後6時。

にわか雨で布団が湿った。

踏んだり蹴ったりだ。

母の了解もとらずに

勝手に申し込んで

母のお金も捨てる事態になるかも、
というのに母は

怒るでもなく「行かんでもええよ」

さらりと言い切る。

その上で朝からのバタバタを

「楽しかった」と言う。

いらいらしている自分が

急に情けなくなった。

そして申し訳けなくなった。

独りよがりな自分があ~恥ずかし。

母を見上げた。

「お母さんは大した人物だ」と

妹にラインしたら

「それが分かったのなら

12万円は安い」の一文と、

ハートを抱えた生き物の絵文字。

吹き出しが「尊い」。

そのセンスに私はしばらく笑った。

思えば母も妹も尊い人だ。

尊い人に囲まれて私は幸いだ。

キャンセル覚悟で

旅行会社に連絡したが

結果的には前日の抗体検査で

良いとのこと。

2日後に広島空港で陰性証明を

ゲットした。

同時刻、母の陰性証明も

私の携帯に来た。

空港から母に電話。

「明日行くから準備しておいてね」

母は「まあ、明日?忙しいの~!」

と焦りながらも喜んでいる

様子だった。

やれやれ往復4時間費やした。

ほっとして夕食に。

明日旅行に出発すると家人に

報告したら母が驚く。

なぜか忘れてた(爆)

 


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