今回は少し趣向を変えてラオス式の魚焼きを紹介します。この方法なら小さな魚やからだ硬い魚も簡単に焼くことができます。ぜひお試しください。ブルーギル なども釣りやすいし、この方法で食べたら美味しいですよ!(鱗を取らずに焼いてあとから皮ごと鱗を外してみてください。)
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夏。水辺での楽しいひととき、場所によっては焚き火を楽しむ施設もあるだろう。そんな場所で是非試していただきたいのが、ラオス式の魚焼きだ。
日本で魚を焼く場合、先の尖った竹の串を用意する。
例えば、アユを焼く場合。口から串を入れ、えらぶたから突きだした串先をアユの身体の後ろの方に差し通す。このときアユの身体をすこし曲げて刺し通すのが肝要だ。これは焼き上がりの姿を美しくするという効果もあるけれど、魚体を曲げることで焼いているときに魚が回転してしまうことを防いでいる。ところがこの方法、身体の短い魚、小さな魚では動かないように串に刺せない。そんなとき、ラオス式は簡単に固定でき、しかも複数の魚を同時に焼くことができる。
ラオス式では、幅2センチ、長さ40センチくらいの竹を用意する。直径1センチ位の笹竹でもいい。その竹を半分に裂いて、間に魚をはさむ。竹同士が離れてしまわないように、ラオスでは両端に細い竹ひごを巻き付けて固定していた。柔らかい生の竹を使うか。細い針金を用意すると固定が容易だ。
つぎに大切なのは、火の強さだ。焚き火というと盛大に炎を燃やしてしまいがちだけれど、魚に焚き火の炎が直接あたらないこと。いったん燃えた後の熾火(おきび)の状態が魚焼きには適している。はさんでいる竹がすこし焦げる位を目安に、遠火であぶるようにすると竹で挟んだ部分もうまく焼くことが出来る。
手網など網で獲った魚は鱗をとり塩をふり、そのままはさむ。釣り竿で釣った魚は、餌を食べているから内臓をとり出すことになるけれど、内臓を出した魚を日本式に串に刺して焼くと、腹の部分が開いてうまく焼けない。ラオス式は竹ではさむのでそれがない。取り除いた内臓部分にネギなどの香味野菜を挟むのもいい。焼きあがるにつれ香りが移り、魚の臭いが苦手な方にも風味よく食べてもらえるだろう。
(魚類生態写真家)
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