丼季報亭「8万時間の休息」

旅の記録や季節の便りそれに日々の思いを軽いトーンで綴ってみました。

426.「三丁目の夕日‘64」 を観て。

2012-02-14 09:42:18 | 芸能・映画・音楽
『ALWAYS 三丁目の夕日』『ALWAYS 続・三丁目の夕日』に続く、昭和の東京を舞台にしたヒューマン・ドラマの第3弾です。

画像



 一言で言えば 映画評論家筋も評しているようにシリーズ最高の出来といえるものです。 もう一度最初からじっくりと見直したいくらいの出来映えでした。  

もとが漫画ですから そりゃあ不自然な部分や陳腐なせりふはあるし、くどすぎる演出もあります。でもまあ堅いこといわずに 何も考えずに懐かしい時代を思い出しながらどっぷり感傷に浸り、笑って泣いて帰って来ることができます。

画像



 今回の舞台は昭和39年、日本中が高度経済成長と東京オリンピックに沸く中、東京・夕日町三丁目はいつものように住民たちが和気あいあいと暮らしていた。小説家の茶川(吉岡秀隆)は間もなく新しい家族を迎えようとしており、鈴木オートの則文(堤真一)も事業を軌道に乗せ、三丁目中が活気にあふれていた。

 しかし、そんな中転機を迎える人もいて というスタートです。

画像



 前2作は原作漫画をベースに昭和33~34年の下町を描いていましたが、今回はそこから5年後、東京オリンピックに沸く昭和39年。日本経済が右肩上がりの急成長を遂げ始めるあの頃です。

 原作の漫画では鈴木オートで働く六平が映画ではむつ子という名の女の子に変化したオリジナルの物語3部作。 むつ子(堀北真希)が適齢期を迎え 最終章として まるで最初から構想していたかのような展開で、きれいにフィニッシュ。


画像


 あのビンづめコカ・コーラや、みゆき族のファッション、アイビールックそれに黄色いボディに赤いラインの都電、グループサウンズや加山雄三に憧れる青年たちなどなど、出て来る画面のそこここに古きよき時代の思い出がちりばめられています。

 住人たちが生き生きとした5年後の姿を見せてくれ、前2作にはなかった、5年という実際の「時間の経過」がいやというほどノスタルジーをかき立ててくれます。


画像



 三丁目の住民たちをシリーズではおなじみの吉岡秀隆や堤真一、小雪などが演じ、森山未來や大森南朋などの新キャストが集結。 他にも色々な俳優がスポット的に登場します。 メガホンを取るのは、VFXの第一人者山崎貴。

画像


画像


 キャラクターの成長と変化が感慨を抱かせ、すべてのエピソードに貫かれた「人が人を思いやる心」が、これでもかと涙腺を刺激します。

 主人公のむつこが鈴木オートの社長に結婚を認めてもらうシーンなんて涙がぼろぼろ流れてきて まんまと泣かされている自分の姿に気付き笑ってしまいました。


画像


画像


 けっして 単に昭和を美化し、懐かしがって終わりという映画になっていないところが実にお見事。

 戦後に別れを告げた高度成長期のピークで、日本中が浮かれていた時代。ここで豊かさと引き替えに日本は何を忘れ、どう道を誤ったのか、考えずにはいられなくなります。


画像


 人間のほんとの幸せとはいったい何かをしっかり考えさせてくれます。 あまりの出来映えに4作目と欲ばらず、これで完結としてほしい!とは映画.comコメンテーター若林ゆりさんの弁。さて邦画界にそんな余裕がありますかねえ。どうなることやら・・・。

 原作の漫画を知らない人でも映画の面白さを充分に堪能できます。私は文句なしに五つ星つけてお薦めします。 まだ見ていない方はぜひ一度映画館へ足を運ばれてはいかがでしょう。 


今日もお立ち寄り戴き 有難うございました。

ほかにもブログを公開しています。
◆4Travel. 「Donkyさんの旅のブログ」」(2013年6月投稿開始)は
URL:http://4travel.jp/traveler/donky2013/
注)ブログ記事のうち「三丁目の夕日’64」あらすじについては(映画.com)HPなどから抜粋・加筆したものです。また使用した「ALWAYS三丁目の夕日'64」の写真は「ALWAYS三丁目の夕日'64」製作委員会 」が版権を持つものです。同製作委員会HPなどから引用しました。 後半の写真は葛西臨海公園「水仙まつり」でのスナップです。
 
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 425.母ちゃんの、姉ちゃんの... | トップ | 427.連ドラ「カーネーション... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

芸能・映画・音楽」カテゴリの最新記事