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シルクロードの旅 〔1〕 (出発編)

2007年08月26日 03時39分20秒 | -旅日記-
シルクロード…
この言葉には旅心をくすぐる何かがある。

シルクロードは、西はヨーロッパ、東は中国を結ぶ東西交易路。
中国長安(西安)を出発し、河西回廊(甘粛省)を通りタリム盆地(タクラマカン砂漠)
を通過、中央アジアのサマルカンドを経てイラン・中東に至り、シリアからヨーロッパへと
つながる道。

紀元前からひらかれていたこの道を通って、玄奘(三蔵法師)はインドを目指し、
マルコ・ポーロはイタリアから中国へと渡った。

14世紀以降、海のシルクロードが全盛となり、さらに近代になり明確な国境線が引かれ、
以降ユーラシア大陸を横断するこの道は廃れてしまったが、21世紀になっても旅人を
引き付ける魅力を今も持ちつづけている道であることに変わりはない。


■旅の計画

大学生の頃からシルクロードを旅してみたいとあこがれていたけどなかなか行けず、
この歳になって中国に住んでいるというチャンスを逃すわけにはいかないと上海に
来てから計画を練ってました。

現在の中国でのシルクロードは、陝西省西安を出発点として、甘粛省の河西回廊を通り、
新疆ウイグル自治区に至ります。



とりあえずシルクロードといえば「砂漠」。
砂漠が見たい!ということで、まずは上海から列車で甘粛省敦煌へ行き砂漠を見て、
そこからさらに列車に乗り新疆ウイグル自治区トルファン、またさらに列車で西へ向かい、
中国西の最果てカシュガルまで行き、そこから東へ戻って自治区首府ウルムチへと行く
合計16日間の旅を自ら計画。

*********************************************
8月5日  上海を出発、列車泊
8月6日  1日列車で過ごす
8月7日  甘粛省敦煌到着。砂漠(鳴沙山)を観光
8月8日  世界遺産である莫高窟を見学
8月9日  敦煌を出発、トルファンへ向かう
8月10日  新疆ウイグル自治区トルファン到着
8月11日  トルファン郊外1日ツアー1日目
8月12日  トルファン郊外1日ツアー2日目
8月13日  トルファンを出発、列車泊
8月14日  カシュガル到着
8月15日  カシュガル街歩き
8月16日  カシュガルを出発、列車泊
8月17日  ウルムチ到着
8月18日  天池1日ツアーへ参加
8月19日  ウルムチ市内観光、お買い物
8月20日  飛行機にて上海へ
*********************************************

旅仲間を3人集めて計4人での旅立ちとなった。


■いよいよ旅立ち

まずは甘粛省敦煌を目指します。
上海から敦煌までは約33時間(2泊3日)の長旅。


上海からは、ウルムチまでの全長約4000kmを3日かけて駆け抜ける通称シルクロード特急に
乗り込みます。

上海駅の巨大待合室。


列車は夜8時48分に上海駅を出発。
この日の上海は夕方からすさまじい夕立で道路が至る所で冠水。
嵐の中の出発だった。

中国の長距離列車は、基本的に硬座(座席のみ)、硬臥(3段ベット)、軟臥(4人個室)
というクラスに分かれていて、僕たちは硬臥。
ここで、33時間中国人たちにまみれて過ごす事に。

1日目は夜出発なので寝るだけ。
2日目は丸一日列車の中で過ごす。
それにしても列車のベットは相変わらず寝心地が悪い。。
熟睡なんてできない。

ちなみに夜は11時ぐらいに強制的に消灯。
朝は早くから周りの中国人がゴソゴソと動き出すのですぐ起こされてしまう。


長距離列車の旅での必需品はなんといってもカップラーメン。
もちろん食堂車はあるけど、まずくて高いと有名。
中国人もカップラーメンは大好き。
彼らは皆、あらかじめ買って持ち込んだか車内販売で買ったカップラーメンを
朝から食します。
寝起きからカップラーメンのにおいがあたりに漂う。
朝から勘弁してくれと思うけど、これが中国の列車の風景。

2日目の昼過ぎ頃、陝西省西安市へ到着。
なにやら40分以上遅れての到着らしい。

この頃になると、まわりの中国人たちとも打ち解けてきてしばしコミュニケーションをとる。

僕らの前の席(ベット)は、母親と中学生ぐらいの長男と小学校低学年ぐらいの次男の3人の母子。
彼らは新疆ウイグル自治区アクス市から上海へ旅行に来ての帰りだそうだ。
アクスはウルムチよりさらに先、西の果てカシュガルの手前にある町。
彼らは漢民族のようだが、兄弟2人で一人っ子政策はどうなってるんだろうとふと思う。
詳しい家庭の事情は聞きませんでした。

この家族、なかなか金持ちのようです。
MP3やデジカメなど普通に持ってます。

兄はいたってクール。対して弟はやんちゃ。
しばらくやんちゃな弟の遊び相手をしていたけど、すぐ疲れてしまった。

やんちゃな弟。母は熟睡中。

母は僕らの持っていた中国のガイドブックを熱心に見ながら、オススメスポットを
色々教えてくれた。


近くの席の坊や。
日本のお菓子をあげたらめちゃめちゃ食ってた。

やがて列車は甘粛省へ入り、省都である蘭州へ到着。
ここで中国の2大大河の一つ、黄河が見えてきた。
黄河は名前の通り、黄色く濁っている。

黄河を直接見たのは初めて。ちょっと感動。

列車は黄河を渡り、河西回廊を進む。
だんだんと緑が減ってきて、砂漠の手前といった風景となってきた。
しかし、ここで夜が更ける。

3日目の早朝5時55分に敦煌の最寄り駅である柳園駅へ到着する。
ということで2日目の夜は早めの就寝となった。

3日目の早朝5時ごろに列車の係員に起こされる。降りる準備をしなければならない。
途中、最高1時間以上遅れていた列車は、夜中のうちに飛ばして遅れを取り戻し、
定刻どおりの到着になるそうだ。
外はまだ真っ暗。

窓からふと外を見てみると、キレイな半月がはっきりと見える。
その月の光に照らされて、かすかに外の風景が見える。
そこは何も無い、ただ砂と岩があるだけの景色が果てしなく広がっていた。

もうここは砂漠なんだと実感。

それにしても砂漠の夜空は本当にキレイ。
月明かりと、無数の星々がはっきりと見える。
準備を忘れてしばし見入ってしまった。

そしてこれから始まる旅に思いを巡らせた。。


つづく。





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3 コメント

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伝わってきます。 (jun)
2007-08-27 21:54:54
写真や文章に目を通して、そのときの雰囲気が伝わってきました。俺も生の砂漠見てみたい。
列車の中で何十時間ね。わかる。でもそれができるのは今しか(学生の時だけ)ないもんね。
有り余るほど時間を持て余せる、ということ自体が幸せ。
返信する
お帰り~ (ballena)
2007-08-27 23:08:24
そういうスタイルの旅行はしばらくしてないなぁ。学生時代はよくしてたけど。続きの旅行記楽しみにしてま~。
返信する
ただいま (new-beatle)
2007-08-29 03:39:12
>junさん
砂漠ほんといいよ~。感動しました。詳しくはのちほど。
列車の旅は意外と快適でした。長時間も慣れれば苦にならなかったな。
こんな旅なかなかできるもんではないですな。

>ballena
ballenaさんも昔からよく旅したよな。ギリシャとか写真みせてもらってうらやましかったな。
こういう旅はもう一生できないやろうなー。
旅行記はまだまだ続きます。
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