
前回までに、上海近郊のゴーストタウンを2ヶ所訪れてきました。
それぞれ、ドイツ風(上海・安亭新城)、フランス風(杭州・広厦天都城)というどちらもヨーロッパの町並みを模した
なかなかユニークなゴーストタウンでした。
ドイツ風ゴーストタウン(上海・安亭新城)は、コチラ
フランス風ゴーストタウン(杭州・広厦天都城)は、コチラ
そして今回はイギリス風の町です。
その名は「テムズ・タウン」(中国語で泰晤士小鎮)
上海市中心部から南西へ約40キロ。
上海の郊外区のひとつ、松江区にあるニュータウンの一角に現れたイギリス風の町並み。
ここもゴーストタウンになっていると聞きつけて、さっそく訪れてみました。
■上海市郊外、イギリス風ゴーストタウン?「テムズ・タウン(泰晤士小鎮)」
すでにドイツ・フランスというヨーロッパ主要2カ国を訪れた気分のまま、残るヨーロッパ主要国・イギリスへ向かうため
飛行機のファーストクラス…、ではなく、人民たちで混み合う上海の地下鉄に乗って向かいます。
テムズ・タウンがある上海市松江区は、もともと上海郊外の鎮(=村)の一つでしたが、
上海が経済開放し外資企業を呼び込むようになると、欧米・日系・香港系などの外資メーカーの工場が建ち並ぶようになり、
それとともに街も大きく発展していきました。
近年、上海中心部から地下鉄9号線も通り、松江老城(旧市街地)の北側に新城(ニュータウン)ができ、
上海の工業エリアだった松江区は、郊外のベッドタウンとして大きく変わりつつあります。
上海市中心部から地下鉄9号線に乗って約1時間。
地下鉄は途中から地上を走っていきます。
中心部を抜けると、こんなのどかな風景も広がります。こんな景色でも上海です。

やがて高層マンション群が車窓に見えてきます。
松江新城(ニュータウン)に着きました。

目指すテムズ・タウンは松江新城にあります。
地下鉄9号線の松江新城駅で下車。

松江新城駅からテムズ・タウンまでは数キロ離れているのでタクシーで移動。
タクシーに乗って10分ほどで、着きました、テムズ・タウン。

テムズ・タウンの入口。

…??
ちょっとイメージしていたゴーストタウンとは違う…。
なんだか車や人の出入りが多いような。
ひとまず敷地の中へと入っていく。
しばらくして見えてきました。イギリス風の町並み。

テムズ・タウンは、2005年に造られた裕福層向けのニュータウンで、敷地は98ヘクタール。
ちょうど東京ディズニーランドとディズニーシーを合わせたぐらいの広さ。
敷地内の中心部には石畳の路地と赤レンガの英国式タウンハウス風の集合住宅、店舗などが並び、
それを取り囲むように、イギリスの田舎風一軒家を模したヴィラ(戸建て住宅)が建つエリアがある。
それぞれのエリアの間には運河が張り巡らされ、敷地の東側に広い湖や隣接する公園などもあり、
緑豊かで静かなイギリス風ニュータウンです。
イギリスでよく見かけるテラスハウスが並ぶ。

テムズ・タウン中心部の路地を歩いてみます。
ところどころに変な銅像が建っているのを見つける。
故ダイアナ妃??

運河沿いには散歩できるような石畳の歩道やベンチが並んでいて、
休日だからなのか、人々が運河を眺めながら散歩を楽しんでいました。


???
あれ、ここはゴーストタウンじゃなかったっけ?
意外とにぎわっている。
まあ気にせず先へ進むとする。
テムズ・タウンの中心部は、赤レンガの集合住宅や店舗が建ち並び、その間を石畳の路地が通る落ち着いた街並み。

この辺はあまり人影がない。
そして営業している店は少なかった。
広場にはこんなカフェも。

この辺は人通りも無く静まった雰囲気の場所。

この通りもガランとしていて静か。

なんだか巨大な映画のセット、もしくはテーマパークの中を歩いているような感じ。
建物の扉が開いていたいので中に入ってみる。

ショッピングモール?か何かを作りかけてやめてしまった様子。

エスカレーターも止まったままホコリを被っていた。

テムズ・タウンの一番中心となる場所に大きなゴシック式教会が建っていました。
この教会は建物だけでなく、ちゃんと教会としてキリスト教の活動をしているようです。

この教会の周辺にはピクニック気分のカップルや家族連れが多くいて、一番人が多いエリアでした。
イギリス風の街並みの絵を描く小学生たち。


撮影会中の夫婦。中国人はポーズをとって写真を撮るのが好きだなぁ。

教会の周辺には結婚式用の前撮り写真を撮る店がいくつもありました。

テムズ・タウンのイギリス風街並みを背景にしてのアルバム撮影が新婚カップルには盛況のようです。
いたるところで幸せそうな新婚カップルが撮影会を行っていました。

テムズ・タウン内の通りはイギリス風の名前がそれぞれ付けられています。

石畳の路地を進んでいくと、ところどころにバーやレストランが営業していました。

しかし、あまりお客はいない模様。
どこも開店休業状態です。
またありました、銅像が。これはチャーチル首相?

敷地内にはレンタルサイクルの店もあって、家族連れなどが自転車で敷地内をサイクリングを楽しんでいました。

やっぱり何だかんだで、ゴーストタウンと言われるテムズ・タウンは、
イギリス風テーマパークとして、市民の憩いの場となっているのでしょうか??
テムズ・タウンの警備員など働くスタッフは皆、ロンドン・バッキンガム宮殿の近衛兵をイメージした制服を着ています。
なぜかゴミ回収のおっちゃんの台車に一緒に移動しているニセ近衛兵。

ホテルもありました。
ますますテーマパークっぽい街です。

テムズ・タウンの中心部には店舗が色々あるのですが、このような空き店舗も多いです。

まったく意味不明なオブジェ。

ハリーポッター!?

テムズ・タウン東側に広がる人工湖までやってきました。
結構広いです。

湖沿いにも低層マンションが建ち並んでいますが、住人はあまり多くないようです。

湖に沿って緑多い公園も整備されていて、その公園では市民が散歩したり、サイクリングしたり、釣りをしたりと、
のどかな休日の風景が見られます。


湖の隣には、草木で隔離されたイギリス田舎風ヴィラ(戸建て)の家が建つエリアがありました。

このヴィラは1億円以上する超高級物件のようです。
しかし、生活感は感じられません。

やはり、実際に住んでいる人は多くないようです。
漏れ聞くところによると、テムズ・タウンの物件はほとんど売れているようですが、
結局購入したのは投資目的の裕福層ばかりで、実際に住む人はあまりいないようです。
で、その裕福層はどこに住んでいるかと言うと、上海市中心部の一等地に建つマンションに住んでいます。
金持ちはわざわざ郊外の不便な場所には住まない、という訳です。
一通り、テムズ・タウンを回ってきました。

休日を過ごす市民たちで意外な賑わいをみせていたテムズ・タウンですが、
見かけた人たちは結局、テムズ・タウンの住人ではなく、散歩したり、サイクリングをしたり、撮影会をしたり…と、
外からレジャー目的で訪れている人たちばかりだったようです。
とすると、やはりここも実際に住む人がほとんどいないゴーストタウンということかもしれません。
しーーーーーん。

しかし、ここテムズ・タウンを訪れてふと思いました。
ドイツ、フランス、イギリス…といった街並みのゴーストタウンは、そのユニークな街並みを生かして、
日本にもあるドイツ村・スペイン村というような海外の街をイメージしたテーマパーク、もしくは市民が集まる憩いの場として
今後発展して行けるのではないか?と。
ここまで見てきたゴーストタウンは、これから将来もずっとゴーストタウンかどうかは分かりません。
どこかで意外な需要が生まれて、人々が集い、賑わいをみせる街に変貌するかもしれません。
最後の最後に中国ゴーストタウンが生まれ変わるヒントというのが少し見えた気がしました。
一方で、今回見てきた3カ所のゴーストタウンといわれる場所は、
上海・杭州という中国でも有数の大都市に比較的近く、都市が拡大していく中で需要は生まれやすい環境にあることは事実です。
しかし、中国国内には地方のさらに辺鄙な場所に忽然と造られゴーストタウン化した街がまだまだあります。
その中国全土のゴーストタウンの代表とも言うべき街があります。
それは、「オルドス」という街です。
内モンゴル自治区オルドス市郊外・康巴什地区の荒れた砂漠・草原地帯に忽然と造られた新市街地です。
ネットやテレビでも話題となった有名なゴーストタウンです。
いつか、、、この中国ゴーストタウンの聖地(?)とも言われるオルドスを訪れてみたいものです。
「ぶらり中国ゴーストタウンの旅」は一旦これでおしまいです。
今後、もしまた中国のどこかのゴーストタウンを訪れた際はレポートしたいと思います!
(おしまい)
■おまけ:中国経済は崩壊する!?
前回記事の最後の部分で、不動産バブル崩壊、中国経済の崩壊を懸念する内容を書きました。
果たして、本当に中国経済は崩壊してしまうのでしょうか?
先日上海で、主にアジア経済を扱う経済紙の記者さんの話を聞く機会がありました。
この記者さんは日本の某大手新聞社勤務時代から長く上海に駐在し、現在の新聞社に移った今も上海に駐在して、
中国経済を長年にわたって見てきたベテラン記者さんです。
その記者さんは断言します。
「中国経済は崩壊しません!」
『中国、景気減速止まらず』 『中国経済失速』 『成長率、○年ぶりの低水準』 『中国不動産バブル崩壊も』・・・
日本の新聞その他マスコミ報道では、中国経済悲観論が溢れています。
果たしてそれは本当なのでしょうか。
具体的な数字を見てみましょう。
2014年第1四半期(1~3月期)の実質国内総生産(GDP)は前年同期比7.4%増。
この成長率は前四半期(13年10~12月)から0.3ポイントの鈍化。7.5%割れは12年7~9月期以来の成長率鈍化。
同じく2014年第1四半期の工業生産額、固定資産投資、不動産開発投資の「伸び幅」は、
前年同期から0.8ポイント、3.3ポイント、3.4ポイントそれぞれ鈍化。・・・というように、
「伸び幅の鈍化」が目立ちます。
これだけを見ると、これまでの経済成長に陰りが見える…、さらに飛躍して中国経済の崩壊近し!?と思えてくるかもしれません。
しかし、GDPは7.4%という高成長率を維持している訳で、上述した工業生産額、固定資産投資額、不動産開発投資額を見ても、
それぞれ8.7%、17.6%、16.8%増加しているのです。
今の7.5%前後の成長がもし10年続くとしたら、GDP規模が今の2倍になるぐらいの成長スピードになります。
「伸び幅が鈍化」しているだけで、今も世界的に見て高い成長率であることは間違いないのです。
これまで、時速100キロで突っ走ってきた中国経済はアクセルを少し緩めて時速80キロで走っていこうとしている、
と言えるかもしれません。
習近平体制は前政権に比べて「量」より「質」に一層重きを置く経済政策を展開しています。
GDPの数値より国民の「雇用」・「収入増」に重きを置き、それによって消費を喚起する消費主導型の経済に移行する過程にあり、
投資の伸び鈍化は想定内。
事実、李克強首相は2014年4月海南島で開かれたボアオ・アジア・フォーラムで、
「7.5%から下振れても就業さえ十分に確保できれば、成長率は合理的水準に属する」、「短期的な経済刺激策は実施しない」
と表明しています。
中国政府系シンクタンクは、中国経済は今後、2015年ぐらいまでは転換期に入り、
15年以降は成長率6~7%の中速成長期に突入するとみています。
15年前後にインフラ・不動産投資がピークを迎えるとともに、長く続いた高速成長期は終焉を迎えるという。
今後の中国経済のポイントとしては、
1、成長率「減速」は規定路線、むしろ実態は「伸び幅やや鈍化」
2、2020年までにこれまでの投資・輸出主導から消費・産業高度化主導へと転換し、サービス業(第3次産業)の育成を進める
一方で人件費高騰・労働人口の減少などで労働集約型産業の衰退必至
3、解決すべき難しい課題が多いのは事実だが、世界第二の経済大国は簡単には転げられない
4、中国経済は赤信号どころか黄色信号も灯っておらず、調整局面はあっても崩壊は無い!
以上が記者さんから聞いた話です。
前回は中国経済の悲観論、今回は楽観論を紹介しました。
新聞・雑誌・テレビ・ネットなど、多くの人たちが様々な見解を述べているけども、どれも決して間違いではないと思う。
要はどの切り口から物事を見るかによって見方が変わってくるということだと思います。
中国経済悲観論を論調とする新聞・雑誌だけを読んでいれば悲観的に感じるが、
北京・上海など大都市の繁華街を実際に歩いてみると、人々のものすごい活気で経済崩壊が近いとはまったく思えないでしょう。
あるいは日本では中国進出企業向けに「中国撤退セミナー」が盛況だと日本の友人から話を聞きますが、
逆に中国ビジネスの第一線で活躍している人たちから、「撤退」というような言葉は聞いたことが無い。
しかし一方で、中国各地では今も膨大な資源を浪費しながら過剰投資・過剰生産・過剰開発が行われていて、
ゴーストタウン問題をはじめ、素人が傍から見てもとても正常とは思えない状況が多々あることも事実です。
上述の記者さんが強調していました。
「複数のメディアから情報を取り、実際に現場で見て聞いた内容を深く読み解くことが重要だ」と。
日本企業は、とかく流行りに流されやすい。
かつて猫も杓子も中国進出という時代があり、今はベトナムだミャンマーだという。
求められているのは、周りに流されず、自らが集めた情報を検討・分析して中国経済がどのような道筋をたどって
発展・衰退していくかを個人で判断する姿勢だ。
しかし、記者さんは最後にこうも強調していました。
「中国経済は複雑かつ難解である」 と。
終わり
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それぞれ、ドイツ風(上海・安亭新城)、フランス風(杭州・広厦天都城)というどちらもヨーロッパの町並みを模した
なかなかユニークなゴーストタウンでした。
ドイツ風ゴーストタウン(上海・安亭新城)は、コチラ
フランス風ゴーストタウン(杭州・広厦天都城)は、コチラ
そして今回はイギリス風の町です。
その名は「テムズ・タウン」(中国語で泰晤士小鎮)
上海市中心部から南西へ約40キロ。
上海の郊外区のひとつ、松江区にあるニュータウンの一角に現れたイギリス風の町並み。
ここもゴーストタウンになっていると聞きつけて、さっそく訪れてみました。
■上海市郊外、イギリス風ゴーストタウン?「テムズ・タウン(泰晤士小鎮)」
すでにドイツ・フランスというヨーロッパ主要2カ国を訪れた気分のまま、残るヨーロッパ主要国・イギリスへ向かうため
飛行機のファーストクラス…、ではなく、人民たちで混み合う上海の地下鉄に乗って向かいます。
テムズ・タウンがある上海市松江区は、もともと上海郊外の鎮(=村)の一つでしたが、
上海が経済開放し外資企業を呼び込むようになると、欧米・日系・香港系などの外資メーカーの工場が建ち並ぶようになり、
それとともに街も大きく発展していきました。
近年、上海中心部から地下鉄9号線も通り、松江老城(旧市街地)の北側に新城(ニュータウン)ができ、
上海の工業エリアだった松江区は、郊外のベッドタウンとして大きく変わりつつあります。
上海市中心部から地下鉄9号線に乗って約1時間。
地下鉄は途中から地上を走っていきます。
中心部を抜けると、こんなのどかな風景も広がります。こんな景色でも上海です。

やがて高層マンション群が車窓に見えてきます。
松江新城(ニュータウン)に着きました。

目指すテムズ・タウンは松江新城にあります。
地下鉄9号線の松江新城駅で下車。

松江新城駅からテムズ・タウンまでは数キロ離れているのでタクシーで移動。
タクシーに乗って10分ほどで、着きました、テムズ・タウン。

テムズ・タウンの入口。

…??
ちょっとイメージしていたゴーストタウンとは違う…。
なんだか車や人の出入りが多いような。
ひとまず敷地の中へと入っていく。
しばらくして見えてきました。イギリス風の町並み。

テムズ・タウンは、2005年に造られた裕福層向けのニュータウンで、敷地は98ヘクタール。
ちょうど東京ディズニーランドとディズニーシーを合わせたぐらいの広さ。
敷地内の中心部には石畳の路地と赤レンガの英国式タウンハウス風の集合住宅、店舗などが並び、
それを取り囲むように、イギリスの田舎風一軒家を模したヴィラ(戸建て住宅)が建つエリアがある。
それぞれのエリアの間には運河が張り巡らされ、敷地の東側に広い湖や隣接する公園などもあり、
緑豊かで静かなイギリス風ニュータウンです。
イギリスでよく見かけるテラスハウスが並ぶ。

テムズ・タウン中心部の路地を歩いてみます。
ところどころに変な銅像が建っているのを見つける。
故ダイアナ妃??

運河沿いには散歩できるような石畳の歩道やベンチが並んでいて、
休日だからなのか、人々が運河を眺めながら散歩を楽しんでいました。


???
あれ、ここはゴーストタウンじゃなかったっけ?
意外とにぎわっている。
まあ気にせず先へ進むとする。
テムズ・タウンの中心部は、赤レンガの集合住宅や店舗が建ち並び、その間を石畳の路地が通る落ち着いた街並み。

この辺はあまり人影がない。
そして営業している店は少なかった。
広場にはこんなカフェも。

この辺は人通りも無く静まった雰囲気の場所。

この通りもガランとしていて静か。

なんだか巨大な映画のセット、もしくはテーマパークの中を歩いているような感じ。
建物の扉が開いていたいので中に入ってみる。

ショッピングモール?か何かを作りかけてやめてしまった様子。

エスカレーターも止まったままホコリを被っていた。

テムズ・タウンの一番中心となる場所に大きなゴシック式教会が建っていました。
この教会は建物だけでなく、ちゃんと教会としてキリスト教の活動をしているようです。

この教会の周辺にはピクニック気分のカップルや家族連れが多くいて、一番人が多いエリアでした。
イギリス風の街並みの絵を描く小学生たち。


撮影会中の夫婦。中国人はポーズをとって写真を撮るのが好きだなぁ。

教会の周辺には結婚式用の前撮り写真を撮る店がいくつもありました。

テムズ・タウンのイギリス風街並みを背景にしてのアルバム撮影が新婚カップルには盛況のようです。
いたるところで幸せそうな新婚カップルが撮影会を行っていました。

テムズ・タウン内の通りはイギリス風の名前がそれぞれ付けられています。

石畳の路地を進んでいくと、ところどころにバーやレストランが営業していました。

しかし、あまりお客はいない模様。
どこも開店休業状態です。
またありました、銅像が。これはチャーチル首相?

敷地内にはレンタルサイクルの店もあって、家族連れなどが自転車で敷地内をサイクリングを楽しんでいました。

やっぱり何だかんだで、ゴーストタウンと言われるテムズ・タウンは、
イギリス風テーマパークとして、市民の憩いの場となっているのでしょうか??
テムズ・タウンの警備員など働くスタッフは皆、ロンドン・バッキンガム宮殿の近衛兵をイメージした制服を着ています。
なぜかゴミ回収のおっちゃんの台車に一緒に移動しているニセ近衛兵。

ホテルもありました。
ますますテーマパークっぽい街です。

テムズ・タウンの中心部には店舗が色々あるのですが、このような空き店舗も多いです。

まったく意味不明なオブジェ。

ハリーポッター!?

テムズ・タウン東側に広がる人工湖までやってきました。
結構広いです。

湖沿いにも低層マンションが建ち並んでいますが、住人はあまり多くないようです。

湖に沿って緑多い公園も整備されていて、その公園では市民が散歩したり、サイクリングしたり、釣りをしたりと、
のどかな休日の風景が見られます。


湖の隣には、草木で隔離されたイギリス田舎風ヴィラ(戸建て)の家が建つエリアがありました。

このヴィラは1億円以上する超高級物件のようです。
しかし、生活感は感じられません。

やはり、実際に住んでいる人は多くないようです。
漏れ聞くところによると、テムズ・タウンの物件はほとんど売れているようですが、
結局購入したのは投資目的の裕福層ばかりで、実際に住む人はあまりいないようです。
で、その裕福層はどこに住んでいるかと言うと、上海市中心部の一等地に建つマンションに住んでいます。
金持ちはわざわざ郊外の不便な場所には住まない、という訳です。
一通り、テムズ・タウンを回ってきました。

休日を過ごす市民たちで意外な賑わいをみせていたテムズ・タウンですが、
見かけた人たちは結局、テムズ・タウンの住人ではなく、散歩したり、サイクリングをしたり、撮影会をしたり…と、
外からレジャー目的で訪れている人たちばかりだったようです。
とすると、やはりここも実際に住む人がほとんどいないゴーストタウンということかもしれません。
しーーーーーん。

しかし、ここテムズ・タウンを訪れてふと思いました。
ドイツ、フランス、イギリス…といった街並みのゴーストタウンは、そのユニークな街並みを生かして、
日本にもあるドイツ村・スペイン村というような海外の街をイメージしたテーマパーク、もしくは市民が集まる憩いの場として
今後発展して行けるのではないか?と。
ここまで見てきたゴーストタウンは、これから将来もずっとゴーストタウンかどうかは分かりません。
どこかで意外な需要が生まれて、人々が集い、賑わいをみせる街に変貌するかもしれません。
最後の最後に中国ゴーストタウンが生まれ変わるヒントというのが少し見えた気がしました。
一方で、今回見てきた3カ所のゴーストタウンといわれる場所は、
上海・杭州という中国でも有数の大都市に比較的近く、都市が拡大していく中で需要は生まれやすい環境にあることは事実です。
しかし、中国国内には地方のさらに辺鄙な場所に忽然と造られゴーストタウン化した街がまだまだあります。
その中国全土のゴーストタウンの代表とも言うべき街があります。
それは、「オルドス」という街です。
内モンゴル自治区オルドス市郊外・康巴什地区の荒れた砂漠・草原地帯に忽然と造られた新市街地です。
ネットやテレビでも話題となった有名なゴーストタウンです。
いつか、、、この中国ゴーストタウンの聖地(?)とも言われるオルドスを訪れてみたいものです。
「ぶらり中国ゴーストタウンの旅」は一旦これでおしまいです。
今後、もしまた中国のどこかのゴーストタウンを訪れた際はレポートしたいと思います!
(おしまい)
■おまけ:中国経済は崩壊する!?
前回記事の最後の部分で、不動産バブル崩壊、中国経済の崩壊を懸念する内容を書きました。
果たして、本当に中国経済は崩壊してしまうのでしょうか?
先日上海で、主にアジア経済を扱う経済紙の記者さんの話を聞く機会がありました。
この記者さんは日本の某大手新聞社勤務時代から長く上海に駐在し、現在の新聞社に移った今も上海に駐在して、
中国経済を長年にわたって見てきたベテラン記者さんです。
その記者さんは断言します。
「中国経済は崩壊しません!」
『中国、景気減速止まらず』 『中国経済失速』 『成長率、○年ぶりの低水準』 『中国不動産バブル崩壊も』・・・
日本の新聞その他マスコミ報道では、中国経済悲観論が溢れています。
果たしてそれは本当なのでしょうか。
具体的な数字を見てみましょう。
2014年第1四半期(1~3月期)の実質国内総生産(GDP)は前年同期比7.4%増。
この成長率は前四半期(13年10~12月)から0.3ポイントの鈍化。7.5%割れは12年7~9月期以来の成長率鈍化。
同じく2014年第1四半期の工業生産額、固定資産投資、不動産開発投資の「伸び幅」は、
前年同期から0.8ポイント、3.3ポイント、3.4ポイントそれぞれ鈍化。・・・というように、
「伸び幅の鈍化」が目立ちます。
これだけを見ると、これまでの経済成長に陰りが見える…、さらに飛躍して中国経済の崩壊近し!?と思えてくるかもしれません。
しかし、GDPは7.4%という高成長率を維持している訳で、上述した工業生産額、固定資産投資額、不動産開発投資額を見ても、
それぞれ8.7%、17.6%、16.8%増加しているのです。
今の7.5%前後の成長がもし10年続くとしたら、GDP規模が今の2倍になるぐらいの成長スピードになります。
「伸び幅が鈍化」しているだけで、今も世界的に見て高い成長率であることは間違いないのです。
これまで、時速100キロで突っ走ってきた中国経済はアクセルを少し緩めて時速80キロで走っていこうとしている、
と言えるかもしれません。
習近平体制は前政権に比べて「量」より「質」に一層重きを置く経済政策を展開しています。
GDPの数値より国民の「雇用」・「収入増」に重きを置き、それによって消費を喚起する消費主導型の経済に移行する過程にあり、
投資の伸び鈍化は想定内。
事実、李克強首相は2014年4月海南島で開かれたボアオ・アジア・フォーラムで、
「7.5%から下振れても就業さえ十分に確保できれば、成長率は合理的水準に属する」、「短期的な経済刺激策は実施しない」
と表明しています。
中国政府系シンクタンクは、中国経済は今後、2015年ぐらいまでは転換期に入り、
15年以降は成長率6~7%の中速成長期に突入するとみています。
15年前後にインフラ・不動産投資がピークを迎えるとともに、長く続いた高速成長期は終焉を迎えるという。
今後の中国経済のポイントとしては、
1、成長率「減速」は規定路線、むしろ実態は「伸び幅やや鈍化」
2、2020年までにこれまでの投資・輸出主導から消費・産業高度化主導へと転換し、サービス業(第3次産業)の育成を進める
一方で人件費高騰・労働人口の減少などで労働集約型産業の衰退必至
3、解決すべき難しい課題が多いのは事実だが、世界第二の経済大国は簡単には転げられない
4、中国経済は赤信号どころか黄色信号も灯っておらず、調整局面はあっても崩壊は無い!
以上が記者さんから聞いた話です。
前回は中国経済の悲観論、今回は楽観論を紹介しました。
新聞・雑誌・テレビ・ネットなど、多くの人たちが様々な見解を述べているけども、どれも決して間違いではないと思う。
要はどの切り口から物事を見るかによって見方が変わってくるということだと思います。
中国経済悲観論を論調とする新聞・雑誌だけを読んでいれば悲観的に感じるが、
北京・上海など大都市の繁華街を実際に歩いてみると、人々のものすごい活気で経済崩壊が近いとはまったく思えないでしょう。
あるいは日本では中国進出企業向けに「中国撤退セミナー」が盛況だと日本の友人から話を聞きますが、
逆に中国ビジネスの第一線で活躍している人たちから、「撤退」というような言葉は聞いたことが無い。
しかし一方で、中国各地では今も膨大な資源を浪費しながら過剰投資・過剰生産・過剰開発が行われていて、
ゴーストタウン問題をはじめ、素人が傍から見てもとても正常とは思えない状況が多々あることも事実です。
上述の記者さんが強調していました。
「複数のメディアから情報を取り、実際に現場で見て聞いた内容を深く読み解くことが重要だ」と。
日本企業は、とかく流行りに流されやすい。
かつて猫も杓子も中国進出という時代があり、今はベトナムだミャンマーだという。
求められているのは、周りに流されず、自らが集めた情報を検討・分析して中国経済がどのような道筋をたどって
発展・衰退していくかを個人で判断する姿勢だ。
しかし、記者さんは最後にこうも強調していました。
「中国経済は複雑かつ難解である」 と。
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日本でも巧くいくのでは?とか書かれてましたが、海外の街並みを再現するのは、バブル期日本で既にやってますよね。。9割方廃墟になりました。
それを知ってると、バブル期の日本と同じような事をやってるなと。まぁ中国は規模がおかしいですが。
何でアジアの人は欧米に憧れるんでしょうね(笑)