
■トルファンの裏路地を歩いてモスクへ
トルファン滞在2日目。
灼熱のオアシスであるトルファンは、昼間は暑すぎて出歩くのもなかなか大変です。
この日の最高気温も40℃。めちゃくちゃ暑い。。
4年前に訪れたときもそうだったが、暑い昼間はホテルなどでぼーっと過ごして、
午後の涼しくなる時間ぐらいから行動するのがシルクロードの旅の基本。
朝はゆっくり寝て昼ごろに前日も行ったラグメンのお店で昼食を食べる。
やっぱりうまい。この店。
その後、ラグメンの店の前に4年前には無かった真新しいトルファン博物館ができていたのでちょっと覗いてみることに。
このトルファン博物館は入場無料。
でも人影はまばら。
手荷物を預けなければならないので、手荷物預かり所へ行くと、担当者は大胆にも床で爆睡中。
おいおい、仕事しろよ。。ということで叩き起こして荷物を預け、博物館の中に入る。
博物館で展示しているものは、主にトルファンとその周辺の遺跡について、歴史についてだが、
いかんせん、展示物が少なくてまったく面白くない。
建物は立派だけども、使っていない部屋も多く、中身はスカスカな博物館だった。
ということで、早々に撤収。
ホテルに戻って洗濯をしたりとしばし休憩。
北京時間午後5時。
まだまだ日差しは強いが、少しだけ日が傾いてきたころに、再び行動開始。
トルファン賓館のすぐ裏手に解放路というウイグル人集落を通っている路地があり、
その道をずっと歩いていくと、蘇公塔というモスクがある。
蘇公塔はトルファン一日ツアーに参加すると必ず訪れるところで、4年前にも旅仲間とチャーターした車で訪れたが、
解放路のウイグル人集落を歩いてみたかったので、今回は徒歩で行ってみることにした。
ホテル前の青年路の葡萄棚にはおいしそうな葡萄が実っていた。
葡萄棚の青年路を少し歩いて突き当たりが解放路。
解放路は茶色い土壁やレンガのウイグル人住宅が並んでいて、下町の雰囲気。
まだ気温が高い時間帯のためか、解放路には人通りが少ない。
たまにロバ車が走っていたりする。
道沿いにあったナン屋さん。
解放路から細い路地がいくつも分かれていて、その路地沿いにウイグル人たちの家々が並んでいます。
ウイグル人のお宅の門はみんな鮮やかなデザイン。
ウイグル人の家は、鮮やかな門を入ると建物の外の広いスペースにソファやテーブル、ベッドなどが置かれていて、
屋外に、さながらリビングルームのような場所が必ずある。
そこには屋根が作られていたり、葡萄が植えられていて、涼しげな日陰になっている。
ウイグル人たちは、家の中ではなく、この屋外リビングで夏を過ごします。
少し開いた門の隙間から、この屋外リビングで子どもたちが遊んでいたり、女性が家事をしていたり、
男たちが寝転びながらテレビを観ている姿が少し見えた。
道端にさりげなく小さなモスクがあったりする。
土壁にウイグル語で何か書いてあるけども、まったく読めない。。
道沿いには豊富に水が流れる水路が通っていて、子供たちが水遊びをしていたり、女性たちが洗濯をしたりしていた。
水が豊かにあるオアシスの町ならでは。
ウイグル人の家の前にはやっぱりベッドが置かれてある。
夜はこのベッドで星空を眺めながら寝るのだろう。
まだまだ日差しが強い中、汗だくになりながらけっこう歩いてウイグル人集落を抜けると、
そこは一面に葡萄畑が広がる場所だった。
のどかな農村風景。
とても静かで、時折吹く風にポプラ並木がさざめく音しか聴こえてこない。
この四角い建物は、収穫した葡萄をこの中で乾燥させて干し葡萄にするためのもの。
壁は網目状に穴が開いていて、風が通るようになっています。
トルファン近辺には、干し葡萄を作るこのような建物がたくさん建っています。
葡萄畑の向こうに、モスクの塔の先端が少し見えた。
後もう少しだ。
ここにもおいしそうな葡萄が実っていた。
トルファンは葡萄の一大産地で、もちろんそのまま食べてもおいしいけども、
干し葡萄にしたり、新疆ワインも作られていて、トルファン産の葡萄は中国では有名です。
トルファンの葡萄がおいしいのは、天山山脈の雪解け水が豊富にあるオアシスのおかげです。
やっと着きました。
この立派な建物が蘇公塔というモスクです。
「ミナレット」というイスラムの細かい彫刻が施された塔があるのが蘇公塔の特徴です。
なお、このモスクは観光地化されているため、入場料を払えばイスラム教徒でなくても中に入れます。
ただし、礼拝がある時はイスラム教徒以外は中に入れなくなります。
塔は以前は登ることができたようですが、今は傾きがあり危険なため立ち入り禁止になっています。
レンガを使ったとても細かい模様が施されている塔。イスラムの芸術ですね。
建物の中はとても静かで神聖な雰囲気が漂っている。
全体的に薄暗いけども、自然光をうまく取り入れられる造りになっていて、礼拝する場所はとても明るい。
4年前に来た時は、モスクの屋上に登ることができ、そこから周囲の農村風景を眺めることができたが、
現在工事中のため登ることができなかった。残念。
モスクの裏は墓地になっていた。その向こうに葡萄畑が広がっている。
いろんな形のお墓がありユニークだ。
蘇公塔を一通り見終わった後、再びもと来た道をあるいて町へと戻った。
蘇公塔に向かうときよりも日が沈んできて涼しくなり、解放路を出歩く人たちも増えてきた。
路地で子供たちが楽しそうに遊んでいた。
すっかりお休み中の馬車のおじさん。
■異国情緒たっぷりのウイグル・バザールを散策
トルファンの中心部、バスターミナルの近くに、「新拓商城」というウイグル人たちが集まる市場がある。
この市場では様々な物が売られていて、涼しくなる夕方頃から人々が集まり、かなりの賑わいをみせる。
4年前の旅でも、何となくふらりと訪れた場所だったけども、活気あるこの市場はとても楽しく、
ぜひまた訪れたいと思っていた場所だった。
北京時間午後7時ごろ。
蘇公塔から街中へ戻ってきて、再びこの場所を訪れた。
新拓商城の入口。
中に一歩入ると、そこは異国情緒たっぷりのウイグル人たちの世界。
客引きをするウイグル語の叫び声がいたるところから聞こえくる。
熱心に店員に値引き交渉をする女性たちや、大きな荷物を抱えて歩く男たち、露天で買ったお菓子をほおばる子どもたち…。
そして店も人も車もバイクも食べ物も日用品もゴミもなんでもごちゃ混ぜになったこの場所こそがまさに
シルクロードの「バザール」だ。
入口を入ってすぐの場所は、商店街のアーケードのように屋根があり、
ウイグル民族衣装や民族楽器、ウイグル帽の店やじゅうたんの店、アクセサリーの店などが並んでいる。
アーケードを過ぎると、ウイグル人女性が頭に巻くスカーフの店や洋服を売る店が並んでおり、
この辺りは女性たちが熱心に商品を物色している姿が多く見られた。
さらに奥へ進むと、ウイグル人たちの主食であるナンを売る店、果物、肉を売る店が並ぶエリアとなる。
ナンの店。
このナンはパイ生地のようにサクサクしていて、ほんのり甘く、ウイグルのナンの中で一番おいしい。
しかも、このナンはあまり売られていないようで、この旅でもここでしか売っているのを見かけなかった。
ナンを熱心に選ぶおばさん。
硬めのフランスパンのような食感のナン。
ウイグル人女性はさまざまなスカーフを頭に巻いている。
この若い女性のようにスカーフを上に巻き上げるのは、若いウイグル人女性で今流行りの巻き方らしい。
だらしないウイグル人の男たち。
一方で立派な髭をたくわえたおじいさん。
いい笑顔。
ウイグル人の女の子は小さいときは坊主にされてしまう。
そうすると将来綺麗な髪が伸びるのだとか。
といっても、成長するとスカーフを巻くので髪の毛は見えなくなってしまうのですが。。
みなさん熱心に路上のテレビに見入っています。
買い物中のウイグル人の姉弟。
路地の子ども。
このバザールではいろいろな食べ物が売っていて、どれもおいしそうだった。
その中で、先ほどのパイ生地のようなナンと果物、そしてサモサ(羊のひき肉を生地で包んで焼いたもの)を買って
ホテルに持ち帰り、夕食にしました。
サモサはインドや中東でもよく見られますが、ここシルクロードでもたくさん見かけます。
このサモサの起源はシルクロードが通る中央アジアだと言われています。
バザールの近くに大きな噴水があって、そこで夜になると噴水ショーが行われます。
たくさんのウイグル人たちが見物に集まっていました。
こうして、バザール散策の夜が更けて行きました。
翌日はトルファンを離れ、中国で砂漠に最も近い町といわれるピチャンに向かいます。
(つづく)
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