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刑務所で死ぬということー無期懲役囚の独白 / 美達大和  中央公論新社

2012-11-26 07:31:18 | 乱読三昧

予約してから時間が経つと、何の本だったか?何で頼んだのか???さっぱり思い出せないこともたびたびでして、、、

この本もそうだったのですが、おもしろかったです!

 

著者は二件の殺人で服役中の無期懲役囚

刑期10年以上かつ犯罪傾向の進んだ者のみが収容される「LB級刑務所」で暮らし、その実態と現在の心境を書いています

 

著者は、現在の懲役が、罪への反省、更生につながっていないことを指摘し、懲役、刑務所のあり方についての問題提起をしています

懲役刑は確かにその隔離されること自体が刑罰であるのですが、刑務所の中でほんとうに、時間が過ぎるだけになっているという実態には驚きました

反省なく、悔いることなく、犯した罪も人のせいだったり、運が悪かったと言ってみたり、、、

殺人等の重罪で、自分の罪を真正面から見つめたら、耐えられない苦しみだと思うので、刑務所の環境に順応するのと同じく、仕方なかったのだとすることで、精神の安定を図る人間の心の仕組みでもあるのでしょうが、、、

 

著者は受刑者について、「今」しか考えず、人との結びつきはあくまで自分の利害関係でしかないと観察しています

(「フィリピンで暮らす困窮邦人についての「日本を捨てた男たち / 水谷竹秀」こちらは犯罪者ではありませんが、こちらに出てくる人達の気持ちのあり方にになんだか通じるものがあるように思えました)

それは大なり小なり人間が本来持っている心のあり方でもあると思いますが、ここまで極端になるというのは、生まれ持ったものと、育てられ方、育ち方、環境の影響で作られているのだろうと思います

それを変えるというのは実際本当に難しいことだろうなと思います

しかし著者が言うように、心に触れる番組等を選んだり、出所後に使える資格取得とその過程での褒められる体験や達成感など、、、刑務所のあり方によっては可能性を高めることができるのではないかと思います

被害者のこと、そして出所後また繰り返してしまう可能性を思うと、やはり刑務所は更正する場所であってほしいです、、、

 

この本で著者の言っているもう一つのことは現在のご自分の精神の自由について

「幸福と不幸、自由と不自由というものは、獄であれ、社会であれ、自分の心が作りだすものだと身を以って知った時、何か途轍もなく、大きな宝を見付けたような情動に駆られました。」

「服役した頃は、社会がいかに自由であるかを思い知りました。しかしその後、その自由がなくても、心一つで自由であると感じられるのだと学んだことは、私にとって新鮮なことでした。」

「当所では、物理的、時間的な制約は確かに大きいですが、それが生きることを微塵も妨げません。単に、便利かどうかの問題であり、不便が常となれば、それすらも感じないものです。自らの思考一つで精神はどこまでも自由になれると言えます。」

 

この境地、すごいですね

これきっと本当だろうな、と思うのですが、とても自分で到達できそうにありません

著者は、自分の罪の重さを考えて仮出所を拒否し、一生出所せず刑務所で死ぬことを決めているそうです

すごい覚悟ですね、、、

 

 

 

2000円で1回できるスーパーの福引

昨日は5973円で福引券はきっちり2枚

あと27円でもう1回できたのにぃ~~っとかって、つい思ってしまったりします、、、

ま、外れてばっかりでポケットティッシュ集めになってるんですけどね

 

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