ねここねこの家

トワルバトル 第4話 「【ユア ジーナ】【ジン ルーカス】」

第4話 「【ユア ジーナ】【ジン ルーカス】」

 

トウジキが歩きながら話をし始めた。

 

「ここは割と大きい研究所だが、街から離れているから人の出入りは少ないんだよ」

 

確かにアルバの借りているアパートからは離れている。

そのアパートの引っ越しもカトラによって簡単に済ませていた。

あまり物がなかったアパートだったが、研究所に住み込んだ方が良いとの結論に至っていたからだ。

 

トウジキは考え事をしていることに気付いたように、足を止めて顔をアルバに向ける。

 

「何を考えているのかな?」

 

アルバは正直に「アパートのことです」と答えた。

 

再びトウジキは歩きながら話を始めた。

 

「まあ、迷ったがね。全く姿を消すのもおかしいからね、でも転勤族が同じ場所なのも変だ」

 

最もだった。

 

トウジキと一緒に歩いていたのはアルバだけではない。

 

背の高い少し年上の男と女の子もだ。

だがトウジキが話している間は黙っていた。

 

トウジキが研究所の中の地下に行くと、さすがに研究所っぽい雰囲気がある。

「カトラが来るまでに紹介しておこう」トウジキが1室に入って話し出す。

 

研究所の中の詳細は分からなかったが、細かく説明されても困るほど広い。

地下の1室に入るまで男と女の子は何も話をしない。

部屋も割と広く、設備は研究所っぽくなっていて機材があった。

 

隣に部屋があるようで仕切りがガラスのようになって、この部屋から見えない。

おそらく反対からは見えるのだろう。

トウジキの横に2人が並んだ。

 

「まず彼女はユア ジーナ、ジーナと呼ぶことに統一する。17歳でアルバより2つ上だ」

 

無口っぽいイメージの通り、何も言わないが強い意思のある目をしている。

 

「彼はジン ルーカス、ルーカスで統一する。18歳で180cmと背が高い」

 

背が高いな、とは思っていたがジーナより明るそうだった。

敬礼の真似事みたいに言葉は出さないが挨拶をする。

 

「彼らはアルバの秘密を知っているが、同じにはなれないメンバーだ」

 

アルバが疑問を伝える。

 

「メンバーって何のですか?」

 

トウジキはごく普通に「盗まれた液体など取り戻すためだよ」

 

これは普通に盗まれたのではない、とアルバは感じていた。


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