coco ノート

ロッキーと行く
不思議な空の旅...♪

そんな時代かありました。<父はどこまでお人よし。>

2016年04月24日 06時08分38秒 | Photo diary


僕が学校から帰ると
家に知らない女の人が二人いた

温泉の芸者さんで
男が出てくるのでしばらく

家でかくまってやるんだと
父が言っていた

二人は一週間ぐらいで
居なくなったが

とにか父は
知らない人をよく家に連れてきた

 ☆****☆

もう一つ 困ったのが
何でも人にあげてしまう癖、

ネギ、大根、ナス、キュウリ、イモ
自分が作ってもいないのに

その辺においてあれば
「いいから、持っていきな、」

僕の部屋の
人形まで勝手に人にあげてしまった

  

 ☆****☆

その人のよさで 父は事業に失敗して
我が家は貧乏のどん底へ

修学旅行に持っていく
一人500円の小遣いもなくて

僕は友達から350円をやっと借りて
持っていると

持ち物検査で 担任の教師から
「お前、隠しているな」

「全部出せ、」
と言われたときは辛かった

 ☆****☆

その夜も父は人を連れてきて
「夕飯を食べていけ。」としきりに言っていた

だが、家にはもう米がなかった
僕は母に言われて祖父に米を借りに行った

父は母の苦労も知らずに
「いいから食べていけ、」と 繰り返していた

  

 ☆****☆

僕が高三の時に
暴力事件を起こして相手が入院したとき

なにも言わずに
相手の家まで謝りに行ってくれた

中三の時に家出して上野で捕まった時も
怒らないで迎に来てくれた

大学病院で心臓の手術をするとき
「やめておいたほうがいいよ。」と僕が言うと

「治って、犬と歩きたいんだ」
と、言った父、

結局、そのまま亡くなってしまったが
看護婦さんが何人も泣いていたから

やっぱり父は
最期までいい人だったのかな....

 

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