奈良を中心に巡っています

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柳生の里の一刀石

2020-08-27 15:23:00 | 日記
柳生の里に「一刀石」という石がある。
柳生十兵衛が天狗と対決したときに一刀の下に割ったという伝説を持っている。市営駐車場から案内板に沿って山道を登ると、突然、大きな岩石が広範囲に広がるガレ場に出る。


その奥に一刀石があった。
大きい。想像では庭石ぐらいかと思っていたが、2mは超えていそうだ。


その側には傘立てのようなものがあり、そこにプラスチック製のおもちゃの刀が何本か入れてあった。いいね、この感覚。
さて、ここは天石立(あめのいわたて)神社の中らしい。といっても祠はなく、いくつかある巨石がそのまま御神体であるという、原初的な神社だった。


さて、帰りに忍辱山(にんにくやま)円成寺(えんじょうじ)に立ち寄る。
柳生街道は、奈良の新薬師寺近くから始まる、石畳で覆われた山道であった。


学生時代はここを歩いたが、なかなか快適な道だった。その街道が国道と交差するところに円成寺があった。


回遊式の庭園(現在は回遊できない)で有名だが、当時はなかった堂宇が2棟立っていた。何れも仏像(複製)を安置している。
(因みに行ったのは春先のこと)
以前、NHKで秋の紅葉を写しているのをみたことがある。縁があればその頃また来たい。



日本庭園のラスボス、桂離宮

2020-08-07 14:38:00 | 日記
渡月橋に行った帰りに、桂離宮の表示を見かけたので寄って行くことにした。
入口付近にテントが張られ、予約のない人はここで受付をするらしい。因みにここは事前予約が原則で、空いていれば当日入れることもあるそうだが、昨年は何十人もの列ができていたとのことだ。幸いコロナの影響で人が少なく、入ることができた。身分証明書の提示を求められ、13番のカードを首に掛ける。
後から知ったが、1回に入れるのは20人まで。これで午前午後、各3回のパーティが組まれる。つまり1日に最大120人しか入れないことになる。また、18才以上でないと入場できない。ここは修学旅行では訪れることができない場所だ。
中に入れるとまず御成門に行く。先頭は宮内庁の職員のようで、各所で説明をしてくださる。最後尾には皇宮警察の腕章を付けた方が固め、僕らが勝手なことをしないよう、目を光らせている。


さてこの御成門、中々風情があるが、柱はコルク。外国産だという。
次に外腰掛に行く。旅の疲れを癒す場所だそうで、定員は6名。これ以上の客は受け入れなかったそうだ。眼前には島津家から贈られたという蘇鉄が聳える。

やがて池の畔に出る。ここは海を表現しているらしく、先の小島は天橋立を表現している。

池を渡ると茶室のある庵に着く。


市松模様の襖が鮮やかで、対岸の書院からも見えるように計算されている。
この部屋では酒食も出されたそうだが、調理場はない。園内の別の場所で作られ、舟で膳が運ばれてくるのだそうだ。だから掛けられた橋の殆どは太鼓橋になっている。昔はこの池は桂川と繋がっていたそうだが、度重なる洪水の防止のため河床の掘り下げ工事が行われ、この池は閉じた水系になってしまった。その前はホタルがこの池で見られたとのこと。

その後、山を表現した小径を辿りいくつかの小庵を巡る。奥に笑意軒という宿泊施設を見る。風が通り涼しい。

窓の向こうは光ってよく写っていないが、一面の稲田だった。何でも近所の宅地化が進んだため、戦後に買い取り、借景として残すことにしたらしい。
最後に書院に向かう。3棟の書院が繋がっており、何れも東、池に向かっている。


ここの縁台から月を観賞するのだが、彼らは月を見上げず、池に映る月を愛でたという。園内には20以上の石灯籠があるが、宗廟前の2つを除き、みな膝くらいの高さしかない。これらの灯籠に火を入れ、池に写る満月を観ながら酒を戴くのは、最上の愉悦に違いない。

突然の訪問だったが、池周りの景色、趣のある静かな建物、苔蒸した庭園、計算し尽くされた配置・高低差、どれをとっても今まで見た日本庭園の中で最高だった。こんなに風情のある美しい日本庭園があったとは...これは写真で伝わるものではない。

次の日、何気なくα-staition(京都FM)を聞いていたら、今年の10月1日、中秋の名月の夜に観月会が開かれるという。昨年試しに開いたら大変好評だったので今年も開くことにしたそうだ。そうだろう、そうだろう。
早速調べてみたら、残念ながら京都市民だけが応募対象だとのこと。今から住民票を移して免許証を書き換えようかな...




風鈴の響くおふさ観音

2020-08-03 17:16:00 | 日記
藤原京跡の西に、おふさ観音という寺がある。正式な名称は十無量山観音寺というそうだが、小房町にあることからおふさ観音と言われている。初夏の薔薇やハーブで有名だが、今の季節は風鈴が名物だというので行ってみた。


朝10時頃だったが、既に多くの人が訪れていた。


境内というよりはバラ園と言った方が良いのだが、その頭上一面に風鈴が掛けられ、ほとんど風がないのにチリンチリンと涼しげな音をたてている。
裏手に回ると、メダカ園があった。タライが30個ぐらい並べられ、それぞれ違った種類のメダカが泳いでいた。


さらに奥に行くと亀でいっぱいの亀池があり、その奥には茶房おふさがあった。今年はかき氷ぐらいしか出していないそうだが、広い座敷に置かれた机は満員で、入るのは諦めた。


さて本堂に戻ると、この時期は特別に生き人形を展示しているというので見てみることにしたが、それは高さ30cmほどの僧の坐像だった。かなり精巧に作られており、手の甲の静脈まで表現されていた。
別に生きている訳ではなく、まるで生きているかのように精巧だからそう呼ばれているそうだ。

この寺、色々と人集めが上手い。地元に溶け込むよう努力しているのだろう。