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法隆寺(西院)

2020-05-20 19:47:00 | 日記
4月11日(土)朝9時、開門に合わせて法隆寺の門を潜った。東院の夢殿には、秘仏 救世観音が安置されているが、普段は非公開で、春と秋の2回公開される。この菩薩を見るために奈良県に移住したようなものだ。
まずは中門を遠望する。通常、寺の中門の通り道には柱がないが、法隆寺では真ん中に柱が立っている。哲学者の梅原猛はここから「法隆寺は聖徳太子の怨霊を封じ込める為の寺だったのではないか」という仮説を『隠された十字架』の中で滔々と述べている。


さて境内に入ると回廊のエンタシスが美しい。
唐招提寺もエンタシスとされるが、肉眼では識別しにくい。対して法隆寺のそれははっきりと分かり、上部と下部が細くなっている。その柱を見ると当て木だらけで、千年以上に渡って大切に修復され続けていることが見て取れる。


金堂の釈迦三尊像を拝んだ後、五重塔の内部を見る。昔見たときは泣き叫ぶ阿羅漢蔵が印象的だったが、今回見ると少し印象が変わった。皆塑像なので白っぽいが、何だか洞窟の中にいるようだ。何処かで見たと思ったら、それは薬師寺西塔の内部に似ていた。西塔内部は、全体が茶色く着色され、釈迦が金色に塗られていた。それは見る者を圧倒し、僕の後から入ってきた若者グループは、何だこれは、ぱねーっを繰り返していた。僕も同感だったが何故こんな前衛的なものを西塔に置いたのか疑問に思っていた。しかしこれは前衛的なのではなく、法隆寺の内部を新しく再現したものであることに気づいた。恐るべし法隆寺。

大宝蔵院で百済観音(レプリカ)を見る。本物は東京に貸し出し中だ。身長2mを超え、腰から下が緩やかに前傾していてほっそりしており、手には水差しのようなものを持っている。このような造形は他に類がなく、思わず見惚れてしまう。
この仏像、百済観音というが本体の木は日本産である。また長く本寺を持たず、法隆寺に安置されたのは最近のことである。


宝物館でもう一つ驚いたのは、玉虫厨子(複製)だった。本物はこの通り茶色く変色し、色はよく分からない。


だが複製は色が見分けられた。鮮明ではないが、当時を彷彿とさせた。写真禁止なので現物は載せられない。




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