♪ 写真は、小さい秋絵本「ちいさいパピーちゃんのかき」の読み聞かせをする〇田麻子さんさんです。実は貴重な写真でして「毎月のパピーちゃん絵本12冊」が出版された1987年(昭和62年)の創刊号で、今から31年前(記憶が定かではありませんが・・・)に撮影。その時にいただいた記念の写真です。
♪ あらすじ;
精一杯知恵を働かせて、たった1つの柿を取ろうとする幼児のユーモラスな行為から、移り行く自然の温かさ、きびしさを描くお話。
♪ 毎月の「ちいさいパピーちゃん絵本」の内容は、読み聞かせやスライドショーでご覧になれます。どんな絵本の内容かも合わせ紹介されております。
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なお、Dig iBookスライドショー「ちいさいパピーちゃんのかき」では、メヌエット ト長調 クリスティアン・ペツォールトがBGMされております。
♪ 西本鶏介先生の解説 ♪
(昭和女子大学名誉教授・評論家・作家)
せいいっぱいの知恵を働かせる 幼児のユーモラ スな行為を通して、移りゆく秋の季節感までも 感 じさせてくれるお話です。
枝の上で、風にゆれているまっ赤な柿の実、たっ た 1つ故に、いっそう心をかきたてます。
「どう やって取ろうかな」、 パピーちゃんはさっそく 棒き れを持ってきます。
でも、せっかくの思いつきも、柿の実に届かない棒きれでは どうにもなりません。
そこで踏み台から大きな積み木までも 持ってきま すが、やっぱり届きません。
こうなれば、いよいよ 柿の実がほしくなります。
そんなパピーちゃんを見て、 自分ならどうする、どうすればもっと高〈なれるか、
子ども達の頭の中に さまぎまなアイディアが浮かびます。
そこへうさぎのう-ちゃん、たぬきのた-ぼうがやってき て、やっぱりパピーちゃんと 同じ気持ちになりま す。
柿の実を取るという なんでもない行為でありながら、次第にお話の興味を盛り上げていくところが、 なかなかに鮮やかです。
そして、最後に 柿の実を落としてくれたのは風。
どんなものの力もおよばない 自然の強さ、ありがた さ、その象徴が枯れ葉で柿の実を落とすことになっ たのです。
同時に激し〈舞う枯れ葉に 寂しい冬の訪 れまでも教えてくれます。
やっと落ちた柿の実を3 人で仲良く食べながら、「きたかぜさん ありがと う」 の言葉に、自然への感謝の思いが、 しみじみと伝わってきます。
児童文学評論家・作家 西本鶏介
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