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失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「氷の世界」 井上陽水 1973年、筋肉少女帯 1992年、川村知砂 1996年

2010-02-20 | 陽水民生&安玉
陽水の大ヒットアルバム『氷の世界』(中央)のタイトル曲を、筋肉少女帯と元東京パフォーマンスドールが90年代にカヴァー。陽水のオリジナルは、一度もシングル化されていない。

左、筋少の8㎝。

①氷の世界
作詞・作曲 : 井上陽水、編曲:筋肉少女帯・BANANA-UG
なぜかな。なんでこの曲やるのかな。そんな疑問がふつふつと。ホラー映画のオープニング風のSEから「毎日 吹雪吹雪 氷の世界」とサビから入る大槻ケンヂの苦しげなシャウト。「♪氷の世界~」の「い~」が、陽水と逆に下がるのが気持ち悪い。ハードロックなアレンジもまったく曲に合ってないし、そんな面白くもない。きっと筋少ファン的にも微妙なシングルだったんじゃないか。

②戦え!何を!?人生を!
作詩:大槻ケンヂ、作曲・編曲:筋肉少女帯
5分30秒の曲の大半は、たたみかけるようにタイトルを繰り返し叫んでいる。オーケンがもうちょっとドスきかせて発音不明瞭にすれば、デスメタル。

定価930円、中古で300円。
ジャケのイラストは、「氷の世界」冒頭にでてくるリンゴ売りっぽい。


右、川村知砂の4th&ラストシングル。

①氷の世界(single edit)
編曲 : in Voice
ん~これも酷いねえ。レコーディング中に「この子には荷が重かったか…」とスタッフみんな気付いたことだろう。パードルではフロントメンバーのひとりだったらしいが…きっとダンスのセンスが半端じゃなかったんだよね?アレンジも安いし、間違いなく駄カヴァー。

②DO IT !!
作詞・作曲 : in Voice、編曲 : T.Tashiro-MST
ラップですよ。うん。オケはハウス。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で315円。
妙な針金細工みたいな物体を抱えているのか、衣装の一部なのか。


アルバム『氷の世界』(1973)はロンドンと東京でレコーディングされた。タイトル曲「氷の世界」はロンドン録音で、ストーンズの「アンジー」でストリングスアレンジを担当したニック・ハリソンと星勝の共同編曲。基本アレンジを星が行い、ロンドンのミュージシャンが「シンパシー・フォー・ザ・デビル(悪魔を憐れむ歌)」っぽく演奏、ニック・ハリソンがキレのいいブラスセクションを追加したと思われる。もったりした女性コーラスがいかにも70年代ロック風(「ギミ・シェルター」っぽい?)に聴こえる。歌詞は(その後の作品の完成度と比較すれば)作為的なシュールさがやや未熟に感じられるが、陽水の若々しい声は、今と違って切りつけてくるような鋭さがある。ブルース・ハープのソロは「がんばったで賞」くらいか。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (Unknown)
2010-03-08 21:40:19
こんばんは。
『氷の世界』、たしか矢野絢子も4~5年前に
シングルでカバーしてて、それはなかなかよかった覚えがあります。
返信する
Unknown (nakamura8cm)
2010-03-09 01:25:10
情報ありがとうございます。
知りませんでした。
探していたら(絢子さんは見つからず)、ちあきなおみの「氷の世界」が聴けました。
なかなかブルージーでよかった。
返信する

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