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失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「SOMEDAY」 佐野元春 1981年

2007-07-01 | 杉佐野銀次
佐野元春、初期の代表作を8cmで。

81年の4thシングルを、B面曲含め、デビュー10周年にあたる1990年に再発。同年リリースの2枚組アンソロジー『Moto Singles 1980-1989』の、リードシングルとしての意味合いもあった。

①SOMEDAY
作詩・作曲・編曲:佐野元春、編曲(Strings):大村雅朗
ボスの「HUNGRY HEART」に似ているという批判はもっともだとは思うが、この曲における日本語の乗せ方の革新性は、元春の発明と言ってもいいだろう。中学時代に、この曲をエアチェックして何度も繰り返し聴きながら、歌詞を書きとめていったことを思い出す(ひょっとすると白井貴子のカヴァーのほうを先に聴いていたかも)。イントロのクラクションのSEなんかも妙に新鮮に感じた。「窓辺にもたれ 夢のひとつひとつを 消してゆくのは つらいけど」なんて苦めの歌詞があっても、全体としては若さあふれるポジティブな空気に覆われている。最後に元春が叫ぶセリフ「Now we're standing inside the rain tonight…」は、7インチシングルのジャケに記されていた。

②Bye Bye Handy Love
作詩・作曲・編曲:佐野元春
いかにもB面曲といった佇まいの、軽いロックナンバー。「パーティ帰りの Fairly-tale」とか、いまいちリアリティを感じにくいアメリカンな世界が展開される。

定価800円、レンタル落ち52円。レコファンのシールだな。
右手にタバコを持った、8cmシングルのみのジャケット写真。
裏にはオリジナル7インチのジャケが小さく載っている。

最近、新作のプロモーションでいくつかのTV番組に出演していたのを見た。「SOMEDAY」を落ち着いたアレンジで演奏したり、相変わらずの独特の語り口を懐かしく感じた。でも、新曲を聴いたら「懐かしい」なんて言葉が失礼なくらい、バリバリの現役ロックミュージシャンであった。


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4 コメント

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Unknown ()
2007-07-01 02:01:13
ホントだ、レコファンのシールだ!(ムズムズ)
>右手にタバコを持った、8cmシングルのみのジャケット写真。
カッコイイですね。8cmのみなんだ、いいなぁ。
私も「SOMEDAY」、歌詞を知るのにエアチェックしたテープを巻き戻し、巻き戻しでノートに書きとめて覚えました。懐かしいな。最近また聴いてこの曲にやられました。当時は桑田の詞の乗せ方も新しいな、なんて思って聴いていたけど、いやいや、“今晩誰かの車が来るまで闇にくるまってるだけ”そして「情けない週末」のあの世界に参ったのでした。
しかし、新譜、凄いです。はじめて彼を聴いた時と同じ位の衝撃を受けました。
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Unknown (nakamura8cm)
2007-07-01 09:41:37
SASの「エリー」にしても、この曲にしても、あまりに有名すぎてちょっと聴かなくなる時期があって、ふと思い出したようにちゃんと聴いてみるとやっぱスゲーってパターンですね。
祥さんも聞き書きしてたか!なんか、ウレシイですねえ(笑)
一回だけ佐野さん生で見たのが国立競技場で、豆粒でした。そう、あのはっぴいえんど再結成ライブ。そして、佐野さんのステージに飛び入りしたのがサザンだった!

新譜、よさそうですね~買ってみっか。
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Unknown (Bassman)
2007-07-02 22:45:19
私のリスナー人生の中でもハズせない楽曲「SOMEDAY」。
最近カラオケで歌ってみてさらに好きになりました。
「歌詞聴き書き」といえば私は「ロックンロール・ナイト」をラジカセをガチャガチャさせながら書き取ってた記憶があります。あれを完全に覚えて歌うのは快感(自己満)でした...。
新譜おすすめです!すべての音楽ファンに聴いてほしいな。
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Unknown (nakamura8cm)
2007-07-02 23:52:48
うーむ、祥さんとBassmanさんにそこまで言われちゃ買うしかないな。

>ラジカセをガチャガチャさせながら
そうそう、あとラジカセには再生させながら巻き戻す「キュルキュルッ!」って楽しみがあったよなあ。テープ痛むけど。デジタル世代には分かるまいて(←ジジイ…)
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