いつかここに

気の合った仲間が集まってくれるといいな。安らいだ気持ちになれる、そんな場所になるといいな。1947/2017/06/04

次亜塩素酸水の噴霧

2020年06月17日 | Weblog
空間除菌、次亜塩素酸水で歯周病、虫歯、口臭、わきが、足臭をなくそう、 蚊、蟻、ダニ防除

次亜塩素酸水の噴霧について

次亜塩素酸水を噴霧した場所に居合わせた人が
  目が痛くなり眼科にかかった。
  喘息発作が起きた。
  呼吸困難になりそうになった。
  目が痛く、腫れてきた。
という事例があったそうです。
厚労省関係機関で次亜塩素酸水の噴霧についてデータ収集調査した結果、有効性及び安全性ともに良い結果もあり悪い結果もあり、明確にならなかったということです。
製品評価技術基盤機構は次亜塩素酸水の噴霧の有効性及び安全性は明確になっていると は言えずさらに精査を行うとのことです。*1)


令和2年6月26日独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が公表
新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価について最終報告をとりまとめ
次亜塩素酸水は、以下のものを有効と判断しました。
  ・次亜塩素酸水(電解型/非電解型)は有効塩素濃度35ppm以上
  ・ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは有効塩素濃度100ppm以上
  なお、今回の検証結果を踏まえると、
  次亜塩素酸水の利用に当たっては以下の注意が必要であることが確認されました。
  ①汚れ(有機物:手垢、油脂等)をあらかじめ除去すること
  ②対象物に対して十分な量を使用すること
また、人がいる空間での空間噴霧については注意を呼びかけ、「人が吸入しないように注意してください」「空気中の浮遊ウイルスの対策には消毒剤の空間噴霧ではなく、換気が有効」との指針を示した。
  https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-4.pdf

令和2年7月23日gotoキャンペーン始まる。

令和2年11月18日全国で2201人の感染者が確認されました。
次亜塩素酸は薬機法の殺菌剤ではありませんが、ウイルス不活化能力を持っています。
次亜塩素酸の特性を生かした利用方法を工夫し自分の身を守りましょう。

当サイトの見解
●わが国には次亜塩素酸の環境基準はありません。
作業環境評価基準に塩素の許容濃度0.5ppmがありますが、環境基準に比べるとかなり緩いものになっています。
米国毒性物質疾病登録機関ATSDRに塩素の毒物の最小リスクレベルMRLがあります。
ATSDR米国毒性物質疾病登録機関最小リスクレベルMRL
  14日以内       0.06ppm 
  15日~365日     0.002ppm
  1年以上       0.00005ppm
塩素の毒性の主な標的は呼吸気道および眼です。塩素の95%は上気道で捕捉され、5%が下気道へ達する。
また、負荷のない回復期間を設けることにより、回復する。

次亜塩素酸の基準はありませんが、塩素と次亜塩素酸は体内水分の共存下で容易に互換反応を示しますので、体内反応では塩素と次亜塩素酸は肺胞等に同様な影響を与えると考えられます。同じ扱いをして良いと考えられます。

●良く消毒に用いられる次亜塩素酸ナトリウム500mg/lを超音波噴霧器で噴霧した場合、呼吸により、一部の粒子はそのまま肺胞まで達する可能性があります*2)。この場合、肺胞表面には500mg/lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液が付着することになります。細胞は酸化剤およびアルカリからの攻撃を受けることになります。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液を薄めて50mg/lにしてもやはりダメージは大きいと考えられます。
中国で起きた肺の致命的損傷の例はこのケースではないかと推測されます。

●次亜塩素酸水50mg/lの場合はどうかというと、噴霧微粒子を直接吸い込み続けてしまった場合は50mg/lの高濃度の酸化剤の攻撃を受け違和感を受ける可能性があります。
噴霧微粒子中の水分の蒸発速度が次亜塩素酸の気化速度より速ければ、噴霧微粒子中の次亜塩素酸濃度は増加し、水分の蒸発速度が次亜塩素酸の気化速度より遅ければ、噴霧微粒子中の次亜塩素酸濃度は低下します。

次亜塩素酸水噴霧でも噴霧微粒子を直接吸い込まないように工夫しなければならず、直接吸い込まないにしても、ATSDRの値を満足させる放出量に噴霧量を下げるのは噴霧濃度、換気量など難しい注意が必要と思われます*3)。

●試験機関のデータがばらつくことの可能性
気道、肺、眼が主な対象部位です。それぞれの部位への接触が微粒子の付着なのか、ガスの吸着なのか検討する必要があります。付着であれば、付着時点での粒子径、粒子内の次亜塩素酸濃度などを知る必要があります*4)。ガス吸着であれば室内ガス濃度、吸着表面の平衡濃度を知る必要があります*5)。ウイルス不活化試験の結果のばらつきには次亜塩素酸水の採取量の少なさが影響しているように思います。*6)

●次亜塩素酸吸入性微粒子が有害を示すはっきりしたデータもありません。試験により安全が確認されるまで、人の居る場所での噴霧はしないでください。
三密場所に次亜塩素酸微粒子の下方流エアーカーテンを作れば良いのではないかと考えます。
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*1)厚労省見解
「次亜塩素酸水」の空間噴霧は行ってもよいのですか?
A:
今回の有効性評価は、アルコール消毒液の代替となる身の回りの物品の消毒方法の評価が目的であり、空間噴霧は評価対象となっておりません。
「次亜塩素酸水」の噴霧での利用は安全面から控えるよう弊機構が公表したとする報道が一部にありますが、噴霧利用の是非について何らかの見解を示した事実はございません。
「次亜塩素酸水」を消毒目的で有人空間に噴霧することは、その有効性、安全性ともに、メーカー等が工夫して評価を行っていますが、確立された評価方法は定まっていないと承知しています。メーカーが提供する情報、経済産業省サイトの「ファクトシート」などをよく吟味し、ご判断をいただければと存じます。

WHOは消毒剤を(トンネル内、ロッカー内、チャンバー内などで)人体に噴霧することは、いかなる状況であっても推奨されない。これは、肉体的にも精神的にも有害である可能性があり、感染者 の飛沫や接触によるウイルス感染力を低下させることにはならないからである。さらに、塩素や 他の有毒化学物質を人体に噴霧すると、目や皮膚への刺激、吸入による気管支けいれん、吐き気 や嘔吐などの消化器系への影響が生じる可能性がある。としている。

文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 学校における消毒の方法等について
次亜塩素酸水の噴霧器の使用については、その有効性及び安全性は明確になっていると は言えず、学校には健康面において様々な配慮を要する児童生徒等がいることから、児 童生徒等がいる空間で使用しないでください。

*2)超音波噴霧器で放出される粒子の粒子径はほとんどが5μm以下であり、気管支・肺まで侵入する吸入性粒子に属します。
参照:http://www.env.go.jp/air/report/h20-01/mat04.pdf

*3)噴霧器から遠く離れていて噴霧微粒子を直接吸わない場合には、室内次亜塩素酸ガスの肺胞など表面水分への吸着平衡濃度となりますので、次亜塩素酸の極表面濃度は下記例の場合最大3.5mg/l程度に達する可能性があると考えられます。
次亜塩素酸水噴霧例計算値
ヘンリー定数0.001[atm/M(mol/l)]を用いた、気相濃度と平衡する液相表面最大mg/l
居室、6畳換気回数0.5で噴霧器からの微粒子を直接吸い込まない場合
濃度mg/l 噴霧量ml/h 換気量m3/h 空間濃度ppm 肺胞など表面最大mg/l
 50     100      24      0.07      3.5
程度になる可能性があります。
濃度はどうか、有害であるかの具体的空間での試験データはありません。

なお参考に記載すると、電解気化式(次亜塩素酸気化装置)では
   電解電流mA     換気量m3/h 空間濃度ppm 肺胞など表面最大mg/l
    0.5          24      0.002      0.08
    0.03         24      0.00005     0.002
程度になる可能性があります。0.001mg/lがウイルス、細菌?の増殖を抑止する濃度とするデータもあり(参考:[塩素化合物の殺菌力]アメリカ合衆国EPA発表データ)、0.002mg/lは不活化はできないにしても、増殖を抑止し発病を防げる可能性もあります。

*4)噴霧後0.1-1秒の間でのHCLO,H2Oの気化速度の解析になるのでかなりばらつきやすい。

*5)室内ガス濃度は(発生量―壁面、造作物等による消失量)/換気量ですが、消失量、換気量とも確定しにくくばらつきが出やすい。消失量は時間の経過とともに徐々に減少し、一定値に近づく。現実空間での試験では、計算で消失量を見落とすと、壁面・造作物等による消失量が多い程、「安全ではあるが、効果がない」という方向に結果が出やすい。使用しているうちに壁面・造作物等による消失量が減少し、部屋の次亜塩素酸濃度が高まり、気づいたら喉がイガイガしていた、ということになり易い。

*6)次亜塩素酸水はじゃぶじゃぶ使うところに適しています。使用濃度が低く、また消失しやすいので、試験時に次亜塩素酸水が接触する使用器具やウイルス培養液の還元能力の確認が必要です。使用器具やウイルス培養液の還元能力の次亜塩素酸濃度低下への影響は次亜塩素酸水の採取量(次亜塩素酸の採取量)が少ない程、大きく出ると考えられます。試験前に次亜塩素酸水の濃度を確認しているということですが、ウイルス培養液3μlに次亜塩素酸水27μlを混合した直後の次亜塩素酸の濃度なのか、使用するため準備した次亜塩素酸水の濃度なのか明確にはなっていません。100mg/l次亜塩素酸水の場合、次亜塩素酸量は100mg/lx27μl=100x27x10^-6mg=0.0027mgと非常に少なく試験工程で消失する可能性があります。同じウイルス培養液:次亜塩素酸水=1:9であっても次亜塩素酸量が少ない程誤差が入り易く、この点を事前に吟味しておく必要があります。