素人が書いた野菜作りの本

野菜作りの本を作成してみました、一度見て下さい。 nakai.manabu@rouge.plala.or.jp

農業レポーNo. 832 やまぶしたけ

2012年03月20日 05時48分51秒 | 日記

               *やまぶしたけ
                                     
 先日、スパーで珍しい茸を手に入れました。
長野県林業総合センターでは、キノコの新品目の開発に取り組んでいる。そのなかで、品種改良で菌床栽培(ビン栽培)が可能となったとか。
ヤマブシタケとは、サンゴハリタケ科サンゴハリタケ属に分類され、傘をつくらず、長さ数センチ程度の針を垂れ下がらせる白くて球状の茸である。
 9月から10月にかけて、ブナ、ミズナラなどの広葉樹の倒木や、立ち枯れた木の幹、高い梢に発生する。山伏が胸にかけている房に似ているところから、この名前がついたと言われている。
 味や香りは淡白・温和で、軽く湯通しして二杯酢、三杯酢、ホワイトソースなどであえ物にすると風味が損なわれず美味しい。そのほか、お吸い物、すきやき、炒め物などにも適する。
中国では古くから食用、薬用として人気がある。 近年、キノコ類は免疫力を高める成分を含み、健康食品としても見直されている。ヤマブシタケも神経細胞生長因子の生合成を促進する物質を含むことがわかっており、機能性食品としても注目されてきた。
詳しい栽培方法
 培養期間が短くて、空調施設を利用し、集約的な栽培体系に適している。形状などの品質を多少犠牲にすれば、簡易な方法でも十分可能である。
 野生味のあるキノコなので、秋の野生キノコの時期に地域の特産品としての販売に向いている。
培地調整
オガコはブナが最適であるが、大部分の広葉樹も利用できる。スギでも加水であれば、広葉樹に比較して大きな収量減はない。栄養材は、トウモロコシヌカ系(コーンブラン、スーパーブラン)が適する。コメヌカ、フスマは、多く混用すると収量減となる。
 オガコと栄養材の混合は容積比で10対2が標準である。含水率は湿量基準で62~63%程度のやや少なめがよい。
ビンとしては、口径52㎜で容量800~850mℓ程度のブナシメジ用でよい。1ビン当り550~600g程度が基準で、中央には1.5~2㎜程度の接種孔を空けておく。
殺菌・冷却
 詰め終えた培地は直ちに殺菌を行う。殺菌には水蒸気が用いられ、培地温度が100℃付近で3時間行う常圧殺菌と圧力容器で120℃まで上げる高圧殺菌のどちらでもよい。
 殺菌の完了した培地は余熱のあるうちに殺菌釜から取り出し、ビン外周や栓を乾燥させるとともに、清潔な場所で20℃以下に冷却する。
種菌接種
 種菌は800㏄ビンで20日間程度培養し、菌糸がビン全体に蔓延した直後の新しいものを使用する。害菌の混入していないことを確認して、最上部表面を掻き出して捨て、その下の部分から接種源を取る。接種量は、15㏄程度あれば十分である。
培養
 培養温度は、空調施設で人工調節する場合、18~20℃である。培養中の発熱や害菌対策上から、菌糸伸長が最大になる25~26℃より低く設定するのが標準である。培養期間は、20~30日間程度が妥当である。
発生
 ヤマブシタケは,培養段階で菌糸が培地内に蔓延していくと同時に、接種面から上方にマット状の菌塊が発達し子実体となる。培養したまま放置すると子実体が容易にビンの栓を持ち上げてしまう。したがって、マット状の菌塊がビン栓を持ち上げる直前が、発生にかける適期である。
 菌塊がビンを持ち上げてしまった場合は、菌塊を一旦剥ぎ取ってから発生にかけた方が、形状のよい子実体が収穫できる。
 発生室は、加湿器により空中湿度を90%以上に保つ。温度は、10~12℃程度の低温にすると、子実体の針が発達し、ヤマブシタケ本来の形状が得られる。14~15℃では、収穫までに要する期間は、数日短くなるが、子実体の針が形成されにくく、サンゴ様の子実体の発生比率が高くなる。光は、数十ルクス程度で十分である。順調に発生すれば、発生処理日から収穫まで20~25日程度である。収量は、800㏄1ビン当り120g程度である。2番収穫も可能であるが激減するため、1回取りが妥当である。
収穫・出荷
 幼子実体は、薄いピンク色を呈するが、生長にしたがい白色となる。さらに白色から薄い褐色を呈するようになるため、針が形成し白色のうちに収穫するのが妥当である。全体としては、球状になるため、針が形成し白色のうちに収穫するのが妥当である。全体としては、球状になるため、1玉ごとに収穫して、イチゴパックやトレイなどに詰めて販売する方法がある。また、健康食品として、収穫物を乾燥して出荷する例もある。

 


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