nagoya-fe PLUS

一度一度の機会を大切に。

液化水素ローリー(トレーラー)

2015-01-25 19:32:21 | 特殊系トラック

2012年3月に三重県内で撮影した「液化水素ローリー」をご紹介します。

複数の容器を束ねた従来のカードル方式で輸送していた高圧水素ガス(H2 )とは違い、水素をマイナス253℃で液化(LH2 )。体積を凝縮することで搬送効率を最大で12倍にも高められ、今後見込まれる水素エネルギーの普及により、大量輸送・安定供給には欠かせない輸送方法を担う車両です。

極低温で液化された水素の蒸発を抑えるため、運搬容器はかなりの断熱性能を求められることから真空積層断熱方式とし、容器容量は36,960L、液水最大積載量は2,617kgを確保。タンクは海上コンテナの規格である40フィート寸法であり、タンクの前後には海上コンテナの緊締装置ような保護枠が設けられていますが、実際の運用では車台(トレーラー)から着脱する場面はあるのでしょうか。写真からは判別できませんが、タンクの製造は川崎重工業であると思われます。

「液化水素40フィートコンテナ車を導入!」(岩谷物流)
http://www.iwatani-butsuryu.co.jp/news/2007112101.html

後部にはオーニング(天幕)が設置され、荷役の際に使用されるのでしょう。タンクが積載された車台はトレクス製。規制緩和車両で最大積載量は24.80t 車両重量は29.39tと表示され、カードル方式と同じく車両総重量の殆どが車両重量であることが伺えます。

車両は習志野登録車(HD-3)であり、水素の充填(積込)は千葉県市原市で実施されているものと思われます。また、車両の前後には車両状態を表す「充」掲示され、これは千葉周辺で見かけるタンクローリー車の特徴でもあると思います(あくまでも個人的感想)。空車や回送になると表示板を裏返して「空」掲示で運行されています。

タンクの“腹”部分には加圧蒸発器を設置。加圧蒸発器を通された液化水素はガス化され、タンク内部を昇圧させることで車両単体での払い出しが可能とのこと。

また、加圧蒸発器の上部に設置された二本のボンベの用途・内容物が気になりますね。構造的に水素ガスではなさそうですが、水素を払い出し後、配管に残ったガスを完全に送り出すために使われる窒素ガスでしょうか。

今回、液化水素ローリーを簡単に取り上げてみましたが、普段よくみかけるLNGローリーとは違った魅力がありますね。以前、私は単車(前二軸)の液化水素ローリーも撮影していますので、機会があれば取り上げてみたいと思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿