歩道の上。
原付にもたれるように寄りかかるその人。
横断歩道の信号は赤。その下には警察官。信号が変わるのを待っている。
蛇に睨まれたカエル。
信号が青に変わる。小走りで駆け寄る警察官。
「大丈夫?」
予想外の言葉に動揺するその人は震える声で応えた。
「は、はいっ。」
「怪我ない?」
「は、はいっ。大丈夫っす。」
「まあ、赤やったしな。」
見られていた。バレていた。
成り行きを目撃していた人なら誰でもわかる。
何の障害物もない交差点の真ん中でなぜその人が転んだのか。
信号無視。その犯罪を咎められないために起こした自損事故。
その人の状況はそういうことだ。
「ええ。気付くのが遅くって。(パトカーに)」
「もっと前にブレーキしな。」
「はいっ。」
「ホンマに痛かったら病院行きな。」
「はいっ。」
警察官は、また小走りにパトカーへ帰っていった。
お咎めなし。無罪放免。
助かった。
ついてたね。
怪我しなくって。
くれぐれも、スピードの出し過ぎには注意しましょう。
他人を巻き込むこともなくて良かったね。
枝吉保育所の仮の差し止め裁判保護者が勝利したよ。神戸市が負けたんやで。3月16日から本裁判がはじまる、これからが本番やけどね。