ある夜中、何かドタバタと騒ぎが起きた。目を覚まして、
「何だ?」と聞くと「天草の灯が見えるそうだ見に行こう」と、5,6人駆けて行った。
そうか、もうそんなに来たか。しかし、天草の灯を見たって、どうせ明日は九州が見えるじゃないか、面倒くさい、と私は又寝てしまった。
翌日、九州の山々が見えた。みんな上陸は近いぞと不用品の整理を始めた。
「不用品は1箇所に置いて下さい。内地の物資不足で困っている人の為に役立てますから、お願いします。」との連絡もあったが
「あいつ等はあんな奇麗事を言うが、そんなにして集めた物資を横流しして荒儲けしているそうな」と言う者もいて、ボロ屑、食い物の残品などをドンドン舷側から海の中に放り込んだ。中にはまだ十分着られるシャツを放り込んだ者もいて、《惜しいことをするなあ》とその時は思った。複雑な思い出よさよならだったかも知れない。
そのうち「汚い物は港に入る前に棄てて下さい。港内に棄てられますと、船の航行に邪魔になりますから」の通知もあった。いろいろな物がスクリューに巻きついて困るのだそうだ。
「何だ?」と聞くと「天草の灯が見えるそうだ見に行こう」と、5,6人駆けて行った。
そうか、もうそんなに来たか。しかし、天草の灯を見たって、どうせ明日は九州が見えるじゃないか、面倒くさい、と私は又寝てしまった。
翌日、九州の山々が見えた。みんな上陸は近いぞと不用品の整理を始めた。
「不用品は1箇所に置いて下さい。内地の物資不足で困っている人の為に役立てますから、お願いします。」との連絡もあったが
「あいつ等はあんな奇麗事を言うが、そんなにして集めた物資を横流しして荒儲けしているそうな」と言う者もいて、ボロ屑、食い物の残品などをドンドン舷側から海の中に放り込んだ。中にはまだ十分着られるシャツを放り込んだ者もいて、《惜しいことをするなあ》とその時は思った。複雑な思い出よさよならだったかも知れない。
そのうち「汚い物は港に入る前に棄てて下さい。港内に棄てられますと、船の航行に邪魔になりますから」の通知もあった。いろいろな物がスクリューに巻きついて困るのだそうだ。
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