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拾い読み★2015-107≪コラム記事≫

2015年04月17日 23時24分43秒 | マリーンズ2011~15
低打率なのに、脅威の生還率! 千葉ロッテ打線に荻野貴司が必要な理由

“斬り込み隊長”荻野の打率・出塁率に表れない“仕事”ぶり

 目下、マリーンズファン最大の関心事と言えば、グリエルと違ってしっかり来日してくれたデスパイネの合流によって、ますます混沌としてきたスタメン争いがどうなるか、だ。

 デスパイネがDHに入れば、好調な根元俊一や福浦和也は使えなくなるし、かと言って、不振の鈴木大地に代えてショートに根元では守備力という部分でどうにも心許ない。DHの枠を空けるには、デスパイネをレフトで使うしかないけど、そうなると今度は外野も心配……とまぁ、巷のファンたちのあいだでは、当の伊東監督を差しおいた、監督目線の熱い議論が喧々囂々飛び交っていることだろう。

 だが、こうした「要・不要」論のなかでも、不思議と俎上にのぼってこない男が1人いる。そう、成績の面では、打率1割台と大不振の大地と同じくらいパッとしない、2割そこそこの打率なのに、ここまで全試合にスタメンで起用されている“幕張のスピードスター”荻野貴司、その人だ。

 では、斬り込み隊長としてはいささか物足りないにもかかわらず、首脳陣からも、ファンからも、彼が「やっぱり必要でしょ」というジャッジを下されているのは果たしてなぜか。その答えを解く一つのカギとも言えるのが、パリーグ打者の個人成績を「得点」順に並び替えた下記の表だ。



 打率3割前後のアベレージヒッター、もしくはホームランで自らホームを踏むことのできるスラッガータイプの顔ぶれが並ぶなかに、ごくごく平凡な成績の彼が混じっているのは何とも奇異な印象を受けるが、こと「得点」に限ってみれば、当の荻野が今江敏晃と並んでチームトップ。

 数字自体は、マリーンズの試合がなかった昨日の時点で多少の変動はしているものの、打率.211、16回の出塁でその半数以上となる9回もホームを踏んでいるのだから、その数字はもはや驚異的。トップの西武・浅村栄斗が、同じく28回の出塁で11得点なのと比べても、十二分に特筆に値すると言えるだろう。

「貯金2」の壁越えは、実は“持っている男”荻野の活躍次第!?

 しかも、そんな荻野の意外なまでの“得点力”の高さは、これまでチームが挙げた8勝のうち、実に6勝までもが、彼自身が得点にからんだ試合、という事実によっても如実に証明されている。

 実際、4月14日のファイターズ戦で、2-1の1点リードで迎えた8回表に、試合を決める貴重な追加点のホームを踏んだのは他ならぬ彼だったし、負ければズルズル行く可能性もあった9日のバファローズ戦でも、同点で迎えた9回表に、先頭打者としてヒットで出塁&決勝点となる勝ち越しのホームを踏んだのも、やはり彼。

 人気野球ブログ『野球の記録で話がしたい』の広尾晃氏も、「1番打者の生還率」を取り上げた当サイトの記事(http://www.baseballchannel.jp/npb/5019/)
で、マリーンズのそれがリーグトップであることを指摘していたように、荻野のこうした“得点率=生還率の高さ”こそが、下馬評を覆すチームの健闘ぶりを下支えしていると言っても過言ではないというわけだ。

 ただ、いくら目にはつきにくいところで“仕事”をしているとは言っても、肝心の目につく成績がずっとこの調子なのも、それはそれで困りもの。本来は、1・2番に固定されて然るべき荻野&大地のコンビには、最低でも打率2割5分以上、3割を超える出塁率は、常時キープしてほしいというのが、大多数のファンの偽らざる気持ちでもあるだろう。

 そのためにも、ただでさえ早打ちなうえに、三振もヒットと同数をマークするなど、あっさり凡退してしまう場面も多々ある我らが荻野には、ひたすらファウルで粘って相手投手にムダな球数を放らせるといった、1番打者らしいイヤらしさも、今後はぜひとも身につけてもらいたいところ。

 彼自身がそれらを実践できるようになってくれれば、待ちに待った“4番”デスパイネを加えたマリーンズ打線の攻撃力は倍増。「出塁すれば盗塁で自動的に得点圏」というリーグ屈指の走力を活かしたその持ち味は、現在の何倍も、相手チームにとっての脅威となるに違いない。

 まぁもっとも、それで怪我でもされた日には、元の木阿弥。彼のことをシーズンフルで観ていたい僕らは、何だかんだでそこがいちばん心配だったりもするけれど……。

鈴木長月

(ベースボールキング)
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