≪10/12≫
室内練習場で試合前練習が終わると吉井理人監督は選手たちを集めた。今シーズン、練習前は何度かあったが、練習後は珍しい光景だった。シーズンラストゲーム。勝てば2位、負ければ4位という敵地仙台での143試合目での出来事だった。
指揮官は「みんな、緊張してると思う。そもそも緊張は戦うか、逃げるか。どちらかの準備をするための人間が持っている機能。だから緊張するのは当たり前」と切り出した。
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これは吉井監督が筑波大学大学院に通っていた時にスポーツ心理学の講義で一番、最初に学んだことだった。それを愛する選手たちに伝えた。なお、ここでいう「逃げる」は決してマイナスな意味合いではなく、遠い昔から人間が猛獣などと出くわした時に、命を奪われないための大事な手段を意味している。
そして「この緊張の中で何ができるか。もう一回、考えて今日は自分たちができる事をするしかない」と続けた。さらに「この1年間、何をしたらダメか頭の中に入っていると思うけど、それを今日は忘れてしまっていい」と失敗を恐れ消極的にならないように、選手それぞれの頭の中に植えついている絶対にやってはいけないと思う事柄を指揮官自身が言葉を発することで、あえて排除させた。最後は「大事な試合ほどパーフェクトではなくてグッドでいい」と締めた。投手コーチ時代からよく選手たちに伝え続けている言葉だ。
ミーティングの最後は今シーズン、次代を背負う選手の一人として期待をして起用してきた安田尚憲内野手に託した。安田が「チーム一丸となって戦って勝ちましょう」と元気よく言葉を発すると、選手たちの笑顔が弾けた。
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吉井監督はあえて試合前直前にミーティングを行った意義を次のように説明した。「誰もが緊張をしているということを知ってほしかった。緊張している上で自分たちに何ができるかを考えてもらいたかった。一番、困るのは緊張をしているのを自分で認めようとせず、思い通りのパフォーマンスができず、苦しむこと。緊張をすると分かっていれば、対応も変わる。事前に分かっていれば、やれることを整理し考えられる」
ゲームは先制、中押し、ダメ押しと打撃陣が効率的に点をとると、投手陣は無失点リレー。5対0で完勝。安田はレフトポール直撃の9号ソロを放った。「選手たちがよくやってくれた」。試合後、吉井監督は目を細め、霧雨の中、グラウンドで輝いていた選手たちをうれしそうに見つめた。シーズン2位。良い時もあれば苦しい時もあった。それでも最後は踏みとどまった。首位バファローズとのゲーム差は15・5ゲームと大きく離れているが、多くのことを得た一年だった。そして戦いは続く。「最後の最後まで行きましょう」。指揮官の呼びかけに選手たちは力強い拍手で応えた。シーズンからクライマックスシリーズ、そして日本シリーズへ。戦いの日々で成長を続けるマリーンズが勝ち進んでいく。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)
(千葉日報)
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≪10/12≫
2年前のCSではマリンで大活躍
「やることは変わらないので、今まで通りチャンスに回ってきたらランナーを返すだけ。そこは短期決戦なので、行くしかない」。
ロッテの山口航輝は、14日から始まるクライマックスシリーズでも勝負所での一打、そして長打が期待される。
CSで言えば、2年前の本拠地・ZOZOマリンスタジアムで行われた楽天とのCSファーストステージでは、6打数4安打、1本塁打2打点の大暴れ。特に2戦目は0-2の2回無死一塁で迎えた第1打席、楽天の先発・岸孝之が投じた初球のストレートをセンター左に弾き返すと、1-2の4回一死一塁の第2打席は3ボール2ストライクからの7球目チェンジアップをレフトへ運ぶ適時二塁打。
さらに2-2の6回一死走者なしの第3打席は、2番手・安楽智大が1ボール1ストライクから投じた3球目のストレートを振り抜き、打球はライトポールに直撃する一時勝ち越しとなるソロ。三塁打が出れば、サイクル安打という活躍ぶりだった。
2年ぶりとなるCSは対戦相手こそソフトバンクだが、ファーストステージの開催地は2年前と同じ本拠地・ZOZOマリンスタジアム。「相性とかもいいとか悪いとかあまりないと思うので、とりあえずやるべきことをやるだけ。全員でそういう形でやっていければいいなと思います」。とにかくチームの勝利のために、自分の仕事を全うするつもりだ。
2年ぶりとなるCSは対戦相手こそソフトバンクだが、ファーストステージの開催地は2年前と同じ本拠地・ZOZOマリンスタジアム。「相性とかもいいとか悪いとかあまりないと思うので、とりあえずやるべきことをやるだけ。全員でそういう形でやっていければいいなと思います」。とにかくチームの勝利のために、自分の仕事を全うするつもりだ。
初の規定打席
今季はプロ5年目で初めて規定打席にも到達した。「一つの目標としてあったので、そこは達成できて良かったと思います。これだけ低い数字でも打席立たせてもらったので、監督、コーチ陣に感謝したいと思います」。打率.235、14本塁打、57打点という数字に全く満足していない。
故障による離脱する期間はあったとはいえ、一軍の投手と多く対戦できた。「自分の力のなさを今年は感じましたし、また来年レベルアップしないといけないなと思います」。
シーズンの成績は悔しい結果に終わったが、CSになれば成績は一旦リセットされる。「自分の成績は関係ない、チームが勝てたらいいので、そこはなんでもいいです」とキッパリ。
ZOZOマリン練習
12日にZOZOマリンスタジアムで行われた練習では、滞空時間の長い当たりをレフトスタンド中段に飛ばし、福浦和也ヘッド兼打撃コーチ、村田修一打撃コーチに時折アドバイスをもらう場面もあった。
守備練習では「(井上)晴哉さんの方が良いファーストミットを持っていたので、交換してもらいました」と、シーズン後半から練習の時に使っている井上晴哉のファーストミットでこの日もノックを受けた。全体練習が終わってからも、バットを振ってみっちりと汗を流した。
2日後に迫ったクライマックスシリーズ。「全力で、勝ちにこだわってやっていきたいと思います」。チームを勝利に導くバッティングを見せて欲しいところだ。
取材・文=岩下雄太
守備練習では「(井上)晴哉さんの方が良いファーストミットを持っていたので、交換してもらいました」と、シーズン後半から練習の時に使っている井上晴哉のファーストミットでこの日もノックを受けた。全体練習が終わってからも、バットを振ってみっちりと汗を流した。
2日後に迫ったクライマックスシリーズ。「全力で、勝ちにこだわってやっていきたいと思います」。チームを勝利に導くバッティングを見せて欲しいところだ。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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