ちょこっとGUM

今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

拾い読み★2017-364≪コラム記事≫

2017年12月30日 07時07分53秒 | マリーンズ2017

球道雑記
涌井秀章がメジャーに行った後は……。
ロッテには次の主役候補がいっぱい!


 千葉ロッテのエース・涌井秀章が今オフ、海外FA権を行使してメジャー移籍を目指している。

 最多勝3回、ゴールデングラブ賞4回、今季も規定投球回数をクリアして、ローテーションを守り続けたエースの存在は、このシーズンを54勝87敗2分で最下位に沈んだチームにとって、この上なく大きい。しかしプロ入りから13年間、彼を取材してきた者として、勝手な意見を言わせてもらえば、仮にマイナー契約だったとしても海外挑戦をする涌井の姿が本気で見てみたい。

 自身3度目の最多勝を獲得した2015年のオフ、涌井に前回のFA移籍(このときは埼玉西武から千葉ロッテ)について色々と話を聞かせてもらった。

 インタビューの最後に「2年後の海外FA権についてどう考えているか」と質問を振ってみた。

 涌井は「ロッテの優勝が最優先で今は何も考えていない」と前置きをしながらも、2009年に参加したWBCのこと、かつてライバルとして鎬を削ったダルビッシュ有の存在などを口にし、自身のメジャー挑戦の夢についてもずっと頭の片隅にあると語ってくれた。

涌井が見せた最高の投球こそ、最大のメッセージだった。

 あれから2年――。

 このまま日本球界に残り、自身4度目となる最多勝や、国内200勝を目指す彼の姿も見てみたい思いも正直ある。

 しかし、2017年9月24日のZOZOマリンで、フルパワーで初回からビュンビュンと飛ばし、6回途中まで奪三振ショーを見せつけた、あのときの彼の投球を見てしまったら、あれがこれまで応援してくれたファンに対する最大のメッセージであり、恩返しであるように思えてくるのだ。

涌井が去った後のロッテ投手陣で、注目選手は?

 あの日は井口資仁の現役最後の試合ということもあり、涌井自身は何も語らず球場から引き揚げていったようだ。涌井は、世代的には最後の昭和世代らしく、言葉よりも背中で見せてきたタイプだ。ピッチングそのものから、彼の言葉なり感情なりを感じることが多かった。

 後進の投手たちに与えた影響も少なくなく、多くの選手への求心力を今も持っている。

 だからこそ、己を信じ、海外移籍を今オフぜひ実現してもらいたい。心の底からそう思うのだ。

 そうなると……残されたロッテ投手陣についてはどうか? じつは筆者はそれほど心配をしていない。

「誰かが抜ければ、誰かが出てくる」といったどの業界にもある法則に従うように、涌井の抜けた近未来像を今季終盤戦でそれとなく見ているからだ。

 2017年9月19日~21日までメットライフドームで行われた埼玉西武3連戦がそれだ。

平均23歳の若手三本柱で西武に3連勝!

 クライマックスシリーズ(CS)の本拠地開催を目指して、東北楽天と激しい2位争いを展開していた埼玉西武を相手に、千葉ロッテは二木康太、酒居知史、佐々木千隼と言った平均年齢23歳の若手三本柱を配して臨んだ。

 結果は3連勝。

 初戦を任された二木は、疲れもあり、けっして万全と呼べる状態ではなかったが、それでも要所を締める粘り強い投球でこの日、6勝目をあげると、シーズン最終成績も7勝とし、自身初めて規定投球回数をクリアした。

酒居がエース候補の存在感。佐々木も復活。

 2戦目に投げた酒居は9回4安打1失点で今季2度目の完投勝利。8月の同カードでは浅村栄斗に手痛い2本の本塁打を浴びたが、この日は1本のヒットを与えるも、4打数1安打に封じ、きっちりやり返した。シーズン成績も8月4日に今季2度目の一軍昇格を果たすと、そこから先発ローテーションに定着して約2カ月間で5勝1敗の高い勝率を記録。その活躍は将来のエース候補として名乗りを挙げたように思えた。

 3戦目を任された佐々木も、シーズン前半こそ己の投球を見失い苦しんだが、ファームで自身とじっくり向き合い、終盤戦を迎えるにつれて本来の姿を取り戻したように思えた。この日も7回5安打1失点で抑えるまずまずの投球。三者がそれぞれを刺激しあうかのような結果は、来季以降の千葉ロッテに希望の灯がともったように思えた。

 指揮を執った伊東勤前監督も、この3連戦で次のように語っていた。

「今シーズンずっとやられてきた相手に、少しは借りが返せたかなと思いますね。二木から始まって、若い人達(酒居、佐々木)が先発として強打の打線を抑えてくれましたので、彼らなりにも自信になったと思います。これをぜひとも来季に繋げていってもらいたいです」

 そう語る指揮官の表情はどこかやり遂げた感でもあり、どこかでホッとしているようでもあった。

石川、唐川、西野ら、主役候補はまだまだいる。

 投手陣の軸となるべき存在は彼ら3人以外にも当然いる。

 2016年の最優秀防御率投手で確かな実績もある石川歩がその筆頭で、井口資仁新監督も彼の復活には期待していることだろう。

 今季3年ぶりに100イニング越え(126回1/3)を果たし、ようやく自身の投球を取り戻した唐川侑己も、涌井に代わる柱となるため自覚十分だ。

 さらに先発転向2年目となる西野勇士が巻き返しを誓えば、来季から先発復帰の左腕・藤岡貴裕、再起を狙う大嶺祐太、3年目でさらなる飛躍が期待できる関谷亮太に、今季終盤戦で一軍デビューを果たした成田翔なども加わり先発陣は一定数揃う。

開幕投手は出来るだけ若いうちに経験しておけ!

 オフ恒例の球団納会の席でも彼ら先発陣が、井口新監督に「開幕投手」を立候補したというニュースが流れるほど、彼ら1人ひとりが目の色を変えている。

 各々が最低でも今年以上の成績を残すことができれば……CS出場圏はもちろん、さらなる上位進出も十分見えてくる。

 涌井は若い投手達に向けて「開幕投手は出来るだけ若いうちに経験しておいた方が良い」と口にしていた。

 井口新監督も「内容」「結果」「肝の座っているやつ」を条件に来春のキャンプからこれまでの実績にとらわれることなく、検討していくという。

 その椅子に誰が座り、来季の終わりに誰が頭ひとつ抜けてくるか――注目してみたい。

文=永田遼太郎

(Number)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 拾い読み★2017-364 | トップ | 拾い読み★2017-364≪コラム記事2≫ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

マリーンズ2017」カテゴリの最新記事