「もう逢えない君を…守る…」
この一見ありふれたキャッチフレーズが、実は、どれだけ高潔な精神的緊張感が込められたものかを想像するには、私たちは余りに幼稚になり過ぎているのかもしれません。
「男たちの大和」という映画は、反戦や厭戦を主張する映画ではありません。硬直化した平和教育的なイデオロギーを押し付ける映画でも、安易なナショナリズムを鼓舞する映画でもありません。
ただ戦争という状況下で、戦艦「大和」乗組員という立場を与えられた男たちが、どういう想いを持って、どう戦い、そして、避けられない「死」という運命を受け入れるためにどのように自分たちの生命の意味を求めたかが、壮絶に描かれていきます。
俳優さんたちの演技も素晴らしいです。
主演の反町さんは、この映画の演技でやっと「大人の男の潔さ」が演じられるようになったんじゃないでしょうか?
また余り話題にはなっていないようですが、長島一茂さんが、見事な演技を見せてくれます。俺的には絶賛したいくらいでした。もう歯の噛み締め方まで素晴らしいとしかいいようがなかったです!これは一見の価値有りですよ!
少し残念だったのは、大和が最期の出撃において燃料を片道分しか積まなかったという、一種の伝説的間違いが未だに使われていたことでしょうか。
それと「大和」を撮る場合のカメラワークが少し単調に感じられたこと…。
「大和」の実物大のセットが艦の前方部分までしかないとはいえ、セットに頼り過ぎていた感があります。CGをもっと使ってもいいから、より多彩なアングルから撮った方が良かったような気がします。
とはいえ、そんな些細な部分は、この映画の価値を下げるものではありません。
角川映画の復活を象徴付けるにふさわしい大作です。
これはもう劇場で観るしかないでしょう。おススメですよ(^^)
そして、是非「大和」と共に駆け抜けた男たちの想いを感じて欲しいですね(^_-)
たった60年前に、私たちと同じ日本という国に生きていた男たちの想いを…。