何かブログほっといた間に、メール等で、いろんな問い合わせ?とかご質問?とかコメント要請?など頂いておりました。
例えば九大ロー関連ですと…
○九大法科大学院ストーカー事件の捜査はどうなっているのか?一体いつになったら被疑者が逮捕されるのか?
○新司法試験福岡会場で、九大ロー出身者の女性が、カンニングが発覚して受験停止になったらしいが?
○九大ロー入試に関する制度上やシステム関連のこと
○ずっと更新ないがムウさんは元気ですか?(他に当ブログのリンク貼りたいから 承諾お願いしますなど)
他には、
○2007年度の新司法試験にまつわる様々な問題 についてなどです。
これらの件については、出来るだけ回答?コメントしたいとは思っていましたので、少しづつ勉強に差し障りない程度書いてみようかとは思っています。
で、今回は、その1発目…かなりヘヴィーですが(汗)
2007年度新司法試験出題情報漏洩事件に関してです。
(大騒ぎでしたが、やっと落ち着いてコメントできる状況になったかな?と…)
え~とですね…この事件、いろんな呼称がされてまして、これまでの事件報道等をみると… まず問題そのものが漏洩したわけじゃなく、某大学ローにおいて某試験委員が、出題問題を知っていた上で、受験指導や答案練習会等において、自分のローの合格率を上げたいという「未必の故意」?を持って(だけど当人は故意を認めずに)、結果的に出題された判例や論点を事前に重要な情報として指摘してしまった… そして合格発表のフタを開けてみたら、このローの合格率が非常に高かった… 当然、苦情が殺到したが、法務省は「試験に影響ナシ」として再試験や得点調整など是正措置は一切とらなかった… てことになるんですかね?(ええい!ややこしい!!)
よって何かいろんな調査や捜査が継続している状況を考慮して、当ブログとしてはタイトルを上記のようにしてみました。(前置き長い)
では早速、コメントさせていただきましょう。但し、コメントの前半と後半で趣旨が変わりますので最期まできちんと読んでね(^_-)
俺は2007年新司法試験を受験したいわば当事者の一人で、合格できなかった一人です。
そりゃあ、これで納得しろって言われても正常な感覚の人間なら、やはり納得はいきません。
しかも新司法試験は卒業後5年以内受験3回以内で、合格しなきゃならん制度なわけで、その上、合格率はロー制度決定当初の予定であった7割~8割ではなく、3~4割しかない。そんなロー制度作ったお国との後出しジャンケン状態の中で、受験生はそれぞれがいろんな背景を背負って、みんな必死な状況で受験したわけですから。
そもそも新試験に限らず、司法試験というものがどうしてこんなに大変な試験なのかというと、その最たる要因として、あらゆる試験の中で最も広い、膨大な試験範囲があるんです。このブログを読まれている一般の方々も分厚い六法全書(実際は「全書」は受験上ほとんど使いませんが)を丸暗記(実際は丸暗記しません。できません。)する?程の試験?みたいなイメージ持たれているでしょうが、実際はそれ以上なんですよ。 それを考えると、短答式にしろ、論文式にしろ、漏洩したのが、たかが論点だけ、判例だけとはいえ、やってる当事者としては、実質上、問題そのものが漏洩していたと考えるに等しいくらいの影響力があるのは明白なんです。
しかも何の是正措置もとらずにそのまま合格発表とは…(怒)
後から、後から次々といろんな科目の出題情報漏洩疑惑が出てきていた状況で、ここまでくれば、まともに考えれば再試験しかないだろう?と思ってましたが…。
え?不合格者の甘い考えだって??
しかし司法試験ってのは本来こんな不正が許されていい存在なわけはなく、絶対的に厳格かつ公正・公平であってこその司法試験であるべきでしょう。
全く、出題情報を漏洩した試験委員たちは、とんでもないことをしてくれたもんです。
しかし、だ!!
今回の出題情報漏洩事件で、試験委員が情報を漏らした相手である、某ロースクールのロー生(受験生)を非難するのは、絶対にオカド違いです!!
考えてもみてください。
出題情報を聞いた時点では、彼ら某ロー生は、それが確実に出題されるとわかっていたんでしょうか?
むしろ試験委員の問題意識の表れとして、勉強しておくべき判例や論点くらいの認識しかなかったはずです。
仮に、これが予備校答練において、出題者が、たまたま試験委員である教授だった場合なら、単なる試験委員の答案練習会でズバリ論点・判例が的中!!ってことで、逆に予備校の宣伝文句になっていたんじゃないでしょうか?
試験委員の問題意識を知るという意味で、元試験委員などが出題や講義をするよな予備校講座なんて過去にいくらでもありましたし、試験委員が書いた基本書が読まれるのも同じ理由だったはずです。
学内で試験委員が出題、実施する答案練習会に当該ロー生が参加しようとするのは至極当然の成り行きでしょう。
まさかその答案練習会を受けた某ロー生の方々もホントにモロに出題されるなんて思ってなかったでしょうが…。
だからといって本試験を放棄するわけにもいかず、知っている?以上は回答するしかなかったと思います。
つまり今回の事件は、漏洩した試験委員である教授はもちろん司法試験の公正さを著しく害したとして非難され罰せられるべきですが、
対する情報を教えられた某ロー生の受験生を非難することは理不尽としか言いようがないでしょう。
この点ははっきりさせておく必要があると思います。
結論としては、司法試験と、それによって登用される法曹に対する信用が著しく傷つけられ、取り返しのつかない結果を招いた、本当に遺憾であるとしか言いようがない事件であったとしかコメントしようがありません。
以上、俺も本事件に関する全ての事実関係を調査したわけじゃありませんので、わかっているだけの情報においてコメントさせていただきました。その点はご了承ください。
次回はまた別の件でお会いしましょう(^_-)