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レポピ - Piano Lesson Report

埼玉県上尾市&桶川市にある「たかすぎ音楽教室」(ピアノ・声楽・ソルフェージュ・楽典)のレッスン風景をつづります。

8分音符が1小節に6つ

2007年08月11日 | レッスン

タッくんのピアノ・レッスンにて。

今日はバーナムの「バーナム ピアノテクニック」導入巻から、グループ3の全12曲が仕上がりました。毎回、1~2曲をふやす方法で、数ヶ月間、おなじグループをさらってもらっています。

「指さきはしっかり、けれども肩、ひじ、手首はラクラク」が課題です。手のフォームをつくりすぎると肩があがってしまいます。楽に弾こうと脱力すると、指さきまでダラリとしてしまいます。むずかしいですね。

後半ではだいぶ音がしっかりしてきました。「5」の指をたてる意識をわすれないでください。とくに「5」の指が起きると、手全体のフォームが整いやすくなります。

バスティンの「バスティン先生のお気に入り」第2巻は、もう第6曲「更紗模様のねこ」に入りました。よく練習してきてくれるので、進度がはやいのです。

「更紗模様のねこ」は8分の6拍子の曲です。
「1小節に8分音符が6つ入る拍子」というのが記号どおりの意味ですが、それだけでは不充分です。8分音符6つは、さらに「8分音符×3」のふたつのかたまりに分割されます。「1・と・と・2・と・と」とかぞえ、結局のところ2拍子のようになります。

6つの8分音符は、べつの分割方法が存在します。「8分音符×2」が3つセットになるわけかたです。これは8分の6拍子とはちがいます。4分の3拍子です。拍は「強・弱・弱」となって、8分の6拍子の2拍子系のながれとはずいぶんちがうことがわかると思います。

…と、理屈の上では理解できるのですが、いざ8分の6拍子を演奏するのはなかなかやっかいなことです。音楽が8分音符できざまれていればなんとかなりますが、ながい音符(4分音符、付点4分音符、付点2分音符)などになってくると、ながさが保ちきれずに、音楽が突っこんでいってしまいがちです。

タッくんもはじめは苦労していました。弾きながら拍をかぞえているようでもあるし、音符のながさの関係についてはもちろん理解しています。しかし音楽のながれがギクシャクして、ピタッとした8分の6拍子にのらない感じです。

音楽を演奏する場合、あまりかぞえてばかりいるとかえって拍から遅れて後手後手になったり、リズムはあっているけれども流暢でなくなり、曲の雰囲気が出ないということがよくあります。この曲はメロディが「歌」としてとらえやすいので、心のなかでよく旋律を歌って、そのとおりに手を動かしてゆくようにいいました。どんな拍子でも、まずは音楽は歌えることが肝心なのです。

こういう歌、こういう曲というイメージがしっかりすると手は動いてくれますが、ぎゃくに手の動きのタイミングや鍵盤の操作のしかたをおぼえようと躍起になっても上手にはなりません。

「更紗模様のねこ」はもう1週間、見てきてもらうことにしました。

教則本として、ヴァン・ド・ヴェルドの「メトードローズ」を併用しています。
今日は上巻65ページ、「6度の音程」の練習曲の第4番、第5番がマルになりました。指さきを5度以上にひらいても手のフォームをくずさずに、先週よりもずっとなめらかに弾けていました。

つぎの「小さい円舞曲」は、暗譜で弾く約束をしていました(「メトードローズ」では、絵のついた表題曲はすべて暗譜で弾いてもらっています)。
タッくんに、「どうだい、楽譜をはずしてすぐに弾けるかい?」とたずねると、「たぶん、ダメだと思う…」と自信のない返事。じゃあ、いちどは楽譜を見ながら弾いてみようといって、通奏してもらいました。

A-B-A形式で、いろいろな要素の繰りかえしが多い曲ですが、左手の伴奏のしかたがすこしかわったり、右手のメロディの節まわしがすこしちがうなど、音楽をきちんとおぼえていないと最後までしっかりと弾けません。

タッくんは楽譜をたどって弾くところまではがんばりました。
暗譜はどうやら次回のようです。

「メトードローズ」上巻は手のポジションの移動がないので、最初に5指の型をつかんだら、楽譜どおりに弾いてゆくことでとりあえず最後まで弾きとおせます。楽譜から眼を離す必要がないことが、かえって暗譜しようとする意欲を削いでいるのかもしれませんね(見て弾けるなら、おぼえることもないと思ってしまう気持ちはわからなくもありません。余談ですが初見奏が上手な人ほど、暗譜が苦手という場合がけっこう多いのです)。

バスティンの「お気に入り」のように手がおおきく跳躍したり、黒鍵が遠慮なく出てくるような曲では、鍵盤を見て弾かなければならないこともあります。楽譜から眼を離すためには曲をおぼえなければなりません。ですから「お気に入り」はかえって、とおして弾けるようになったときに同時に暗譜までできている、ということかもしれません。

それともバスティンの「お気に入り」のほうが現代的な魅力あるひびきが豊富に出てくるので、さらっていておもしろいということもあるかもしれません。
でもタッくんが興味津々でいつも弾いてくれるショパンの「華麗なる大円舞曲」や、ロッシーニの「ウィリアム・テル序曲」などは、「メトードローズ」の延長上にある曲です。「メトードローズ」で基礎的なテクニックを身につけると、いずれなんでも弾けるようになりますよ。

暗譜の順序としてはまず、①メロディを「歌」としておぼえてしまうこと。②左手の伴奏パートは、リズム型とおなじ和音でパターン化されていることに気づくこと。③心のなかでメロディを歌いながら、つぎの和音はこうだな! とイメージできるようになること。上記3点の順にきちんとさらうと、すぐに弾けるようになります。(こうき)

レッスン日 2007年8月8日(水) 16:30

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