レポピ - Piano Lesson Report

埼玉県上尾市&桶川市にある「たかすぎ音楽教室」(ピアノ・声楽・ソルフェージュ・楽典)のレッスン風景をつづります。

宝塚音楽学校に合格しました!

2016年04月12日 | レッスン
Fさんは今年、みごと宝塚音楽学校に合格され、大阪に発つ前にご挨拶にいらしてくださいました。

歌のレッスンでは体の使い方をたいへんよく理解してくださり、レッスンをとても楽しく進めることができました。
1回目のレッスンの時に、歌は全身を使って歌うのよ、とお話し、実際に体を動かしていただきました。

足の裏の全体で立ち、頭は上に、前に、腰を突っぱらず、ひざをちょっとゆるめて背中は長く、広く、首を楽にしていただきました。
のびのびと声を出していただくための、体の動かし方のレッスンをしましたね。

思いだしてふたりで笑いあいました。

だって、その時はのびのびよい声が出なかったんですもの。

それで腕や、足など毎回ゆるめて使いながら発声していたところ、ずいぶん短期間で上手になられました。

教室のおさらい会では課題曲といっしょに、ソルフェージュの問題を初見で歌っていただいたりのおまけ付き。
なんでも嫌がらずに、よく練習してくださいました。

どうぞ学校へ入られてからも、のびのび前向きにのびていってください。
今日はわざわざいらしてくださってありがとうございました。
レッスンのおさらいもできてうれしかったです。

レッスン日 2016年4月8日(金) 19:30(かほ)

ブルクミュラーの「狩」

2016年04月06日 | レッスン
先日のKくんのお兄ちゃん、Hくん。
ブルクミュラーの「25の練習曲 Op.100」から「狩」をさらっています。

「メトードローズ」上下巻が終わるまで練習の密度にムラがあったのですが、ブルクミュラーに入ってからはずいぶんがんばって練習してきている様子がうかがえます。お母さまのお話しだと、曲が気に入っているようです。

子どもは誰もそうですが、男の子はとくに自分の気持ちが向くと、それまでとは一転してものすごいがんばりや集中力を発揮しますね。
ブルクミュラーは誰もが気に入るピアノ・レッスン教材の王さまです。すばらしい古典だと思います。

さて「狩」ですが、これは馬でキツネを追う狩の様子が生きいきと描かれる名曲です。

オープニングの和音奏は、狩をはじめる前に鳴らすラッパ。ファンファーレです。
はじめが弱奏ではじまり、しだいにクレッシェンドしてフォルテにいたります。
これは馬に乗った狩人たち一群が、遠いところからだんだんに近づいて、目の前にあらわれる場面を想像してもらいます。

主部の右手の「ソ」の連打が、この曲のテクニック的な課題です。
Hくんはぎりぎり1オクターヴが届くか、届かないか。スタッカートなので指をつっぱらせずに、思いきって跳びましょう。
今日の演奏はすこしゆっくりめに合わせていました。もうすこし速くならないかな?
Hくんは慎重派なのです。

鍵盤から指さきが離れないように、跳躍の動きをコンパクトにするようアドバイスしました。
手の流れに無駄がなくなると、テンポをあげてもさばいていけます。

次のBパートは「アジタート 切迫して」という指示があります。
獲物をさがしたり、ねらったりする気持ち、または獲物が取れるかどうか不安な気持ち。
はやく獲物をしとめたいというはやる気持ちをいだかせるように歌います。

短調になるCパートは、それまでの勇ましさとは真逆の、悲しげな音楽です。
8分音符が6つならぶ伴奏はAパートと同じなのに、ずいぶん音楽の印象がかわりますね。
Aパートは躍動する馬のひずめの音だったのに、Cパートではしょんぼりと沈んだ気持ちがあらわれています。

Hくんは、獲物を逃がしてしまったときの気持ちと解釈しました。
イメージをもって楽器に向かうことはすばらしいことです。
楽譜どおりに音をならべていくだけでは「音楽」にはなりません。
弾き手のイメージを伝えることが音楽なのですから。

Cパートは道に迷ったところ、獲物をしとめそこなったところなど、いろいろ考えられます。
大切なのは次のAパートに戻ったときに、悲しみとのあざやかな対比がつくれるかということ。

ファンファーレが戻ってきて、右手の「ソ」の連打が高らかな合いの手を入れます。
ここは「エイエイオー!」とか、「やったぞ!」ですよ。

最後はなぜかディミヌエンドして、弱奏になって終わります。
なぜでしょうか?

Hくんは曲冒頭の音楽から想像して、「遠くへ離れてゆく感じ」と答えてくれました。
上出来です。
狩の集団は、聴き手の目の前を駆けぬけて、遠くへ走り去ってゆきます。

狩のいろいろな場面が想像できるよう音楽づくりをしてきてもらうことにしました。
それにはもうすこしテンポがあがったほうが歌いやすくなります。
手の流れを必要最小限にまとめて、躍動する狩の場面を作りだしてくださいね。

レッスン日 2016年4月1日(金) 16:00(こうき)

がんばっていますね

2016年04月04日 | レッスン
小学校の入学式を目前にひかえているKくん。
呉暁「うたとピアノの絵本」全3巻と小曲集を終えてから、「メトードローズ」に進みました。
順調にお稽古が進んでいます。

先月のレッスンで、一緒にレッスンをしているお兄ちゃんが病気で欠席したとき、直前にお母さまからお電話があって、「あまり練習が進んでいなくて、本人がレッスンに行きたくないというので、お休みします」とのこと。

いつもきちんとおさらいしてくるのでちょっと意外な気がしましたが、お話を聞いてみると、うまくできないと気持ちがひっこんでしまうらしいのです。ぎゃくにいえば、これまでずいぶん頑張って練習してきたからレッスンにコンスタントに来られたというわけです。

そう、本人がうまくできないと思っていると、レッスンに来るのも気が重いものですね。

「メトードローズ」では両手奏がはじまっており、両手が異なるポジション(右がドの位置、左がソの位置など)ではじまる課題に入りました。
ここはひとつハードルが高い課題です。

指番号や、鍵盤の位置などでなんとか対処できるこれまでとは違い、両手パートの音の横の流れを把握していないとなかなか合わせることが難しいのです。

今日のレッスンではそれでも、きちんと弾くことができました。
Kくんははじめ、「片手だけ…」というので、右手、左手の順で聴かせてもらうと、けっこう上手に弾けているのです。
そこで「いずれはおうちでさらうことだから」と声がけして、思いきって両手で合わせてもらいました。
すると、まずまずちゃんと弾けています。

これがはじめて両手を合わせた状態だとは思えなかったので、「はじめて合わせたの?」と聴くと、おうちでは両手の練習もしていたと答えました。
でも、自信が持てなかったんですね。

お母さまにたずねると、泣きながら練習していたとのこと。
そうでしょう。
ここはひと山越えるためにちょっとした忍耐が必要な関門なのです。

でもだいじょうぶ。
すこしずつ慣れていけば、かならず弾けるようになります。
少しでもできることが増えたことを自分で確認できるよう、まわりが気づいて、励ましてあげることが大切です。

来週のレッスンではきっと両手で安定して弾いてきてくれると思います。
いつもがんばっていますね。えらいです。

レッスン日 2016年4月1日(金) 15:30~16:00(こうき)

ドビュッシーの「子供の領分」

2016年04月02日 | レッスン
4月1日に記事をアップすると、嘘のジョークだと勘違いされそうでヘタなことは書けない…。
世のブログ書きのみなさんは、そんな小さなことは気にしませんか?

さて大人のKさんのピアノ・レッスンです。
ドビュッシーの「子供の領分」から、第1曲「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」と、終曲「ゴリウォーグのケークウォーク」をさらっています。これは夏の発表会のために準備している曲です。

2月のファミリー・コンサート(おさらい会)で弾いたベートーヴェンの「月光」のおさらいと同時進行で譜読みをはじめたため、「グラドゥス~」は最初、譜読みがなかなか進まずに心配しました。
「月光」がすんだら、譜読みがメキメキ進みました。やはり本番をかかえていると、時間が割きにくいものですよね。

「グラドゥス」は音の渦に巻きこまれないように、音楽をよく整理して練習しましょう。
主旋律はどこにあるのか、細かい音符はメロディなのか・伴奏なのか、ここでペダルを踏む意味は?
こうした問いかけを心に留めておきながら、よく音楽を聴いて組みたててゆきます。

テンポがあるていど上がりはじめたので、フレーズのかたまりが見えてきました。
フレーズごとに手が流れるようになると、グッと音楽の理解が進みます。
記憶にも残りやすくなります。

「ゴリウォーグ~」は最初のリズムがきちんと表現できるようになってきました。
左手は音が跳んでたいへんですが、だいぶ慣れてつながるようになったので、右手が止まらずに弾けるようになってきましたね。
右手は細かなアーティキュレーションがついていますが、これを「音をつなげる・音を切る」というスイッチのON / OFFのような感覚で対処しようとすると、かえって手の流れが止まってしまって弾きにくいものです。
スラーやスタッカートは、リズムを表現しているものです。リズム・パターンとして理解します。

Kさんは譜読みがていねいなので、きちんとリズムが表現できます。
テンポはまだまだゆっくりですが、リズムがちゃんと表現できているのでこの曲らしく聴こえますよ!

さてKさんにとっては、中間部のトリスタン和音を笑う部分が難関のようです。
音も難しいですし、なにより曲の雰囲気をつかみづらいですね。
ここは次回以降に見ることにしました。

レッスン日 2016年4月1日(金) 15:30(こうき)