レポピ - Piano Lesson Report

埼玉県上尾市&桶川市にある「たかすぎ音楽教室」(ピアノ・声楽・ソルフェージュ・楽典)のレッスン風景をつづります。

シンプルな指づかいで

2022年09月24日 | レッスン
Nさんのピアノ・レッスンです。

クレメンティの「ソナチネ ハ長調 Op.36-3(ソナチネ・アルバムの第9番)」の第1楽章を譜読みしています。
現在、提示部は両手ともに音を読みおわり、ゆっくりですが両手で弾けます。
今日は展開部(8小節間)をさらいました。

第1主題は「ソー・ミ・ド・ソ・ソ・ソ」と下行形になっていますが、展開部では「ソー・シ・レ・ソ・ソ・ソ」のように上行形に変奏されています。
こうした主題(動機)操作は、クラシック音楽によくあるパターンです。
次からつぎへと新しい旋律を繰りだすのではなく、ひとつの旋律を多彩に変形させて音楽を積みあげていきます。

譜読みをゆっくりしたテンポで進めるため、8分音符を1拍と考えることにしました。
本来の拍子、すなわち4分音符1個を1拍と数えて弾きはじめると、知らずしらずのうちに速度が上がってしまったり、ぎゃくに遅いテンポを維持できたとしても、音符の長さ(とくに長音符)がわかりにくくなったりします。

8分音符1個=1拍にすると、主題の最初の付点4分音符は3拍ぶんになります。1・2・3と心のなかで長さを数えてから、次の音に進めばよろしいのです。
16分音符は4個でひと塊ではなく、2個ずつに分割して丁寧にとらえることができます。
これなら、あせらずに弾けますね。

展開部の後半部の右手には、同音反復するたびに指づかいを変える指示があって、これを僕はすこしわずらわしく思っています。
同音反復で指づかいを変えることはピアノの技術の基礎ですが、おなじ音が繰りかえされたら何がなんでも変えようとしなくてもよいのでは? とも思うのです。

速いテンポで「ド・ド・ド・ド、レ・レ・レ・レ、ミ・ミ・ミ・ミ…」と弾くような場合では、右手の「4・3・2・1」の指で弾くことをすすめます。
ですが、2音ていどの同音反復ならば、無理に指を変えさせるよりは同じ指を使ってもよいと思います。
とりわけこの箇所は、もともとがスタッカートがついており、指さきが鍵盤から自然にリリースされるので、おなじ指で連打してももつれにくいのです。

というわけで展開部の右手の旋律の反復音は、そのほとんどを同じ指で弾いてみることにしました。
手の位置も安定しますし、指が足りなくなったら「1→2」の指くぐりをすれば次の音域になめらかに下がっていけることが確かめられました。

右手をなんども弾いて、よく身につけてしまいましょう。

左手はバス音「ソ」が「5」の指で鳴りつづけます。
手のポジションが変わりません。
変化する音だけをたどると、「シ」からはじまり、「(シ)・ド・レ・ミ・ファ」と上がってから、こんどは下がります。「ミ♭・レ・ド・シ」。
最後は「シ・ド・シ・ド・シ」と2音を交互に弾くだけです。

音符を確かめてから、両手で練習しました。
右手はメロディですから、具体的でおぼえやすいです。
指づかいを整理したので、音をまちがえにくくなりました。
左手は小節ごとに最初の2音がつかめれば、あとはそれを繰りかえしているだけです。
ゆっくりですが、両手であわせることができました。

あまりつかえなかったので、どんな音楽なのか、弾きながらよく理解できましたね!(止まったり、弾きなおしが多いと、どんな曲なのかわからなくなります)。

来週は再現部の譜読みですよ。

2022年9月22日(木) 19:30(こうき)


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