ロングアイランド子供博物館にて、モンゴル民族の移動式住居ゲルの中に、Horse harp(馬頭琴)を見る。f字孔がある。
「チェロみたいな楽器だね?」とママに言われ、じっと見て、次の展示へ走って行く孫。その背中に、「チェロはどこ?」と問うと、後手に馬頭琴を指した。ちゃんとわかっているのだなあ。
帰りの車の中で、ベビーシートに付けているオルゴールおもちゃが「新世界」や「エリーゼの為に」を奏でると、孫は正確な音程でハミングする。一才半ってこんなに歌えるんだっけ?
いつも隣に座るママが、助手席に座っている。声は聞こえるが顔は見えぬ。仕方なくバーバと遊び、高速の渋滞にはおやつを食べ、いよいよママが恋しくなってくると、下唇を噛んで泣くのを耐える。恨めしげな眼でバーバを見る。かわゆくてたまらん。
11月に会う時までに、英語をブラッシュアップしなきゃいかん。2歳になった孫は爆発的に喋り出すだろう。

NYの栗鼠。
羽田空港に居た高齢女子旅の会話。
「どこかで線引きをせな」
「私には無理」
何やら大層な話が進んでいるような。
「◯◯さんにあげたら、◯◯さんに上げんわけにいかん」
「家族だけ、孫だけと決めたら?」
「遅い。東京行くと言うてしもた、お選別ももろた」
「あんた皇居でも、東京駅でも、いっぱい買うたやろ?」
「まだ足らん。ちょっと行ってくる」
売店へ急ぐお婆さんの背に、見送るお婆さん達が悪態をつく。
「お土産買いに来ただけか」
「東京タワーの上も見ず、売店でボールペン山ほど買うただけ」
遂に私は吹き出してしまった。私もボールペンは買ったけどね。