初雪や髪にさしたる花飾

２００９年冬のＭ・Ｈバレエ発表会。パフォーマンスに先立ち、生徒全員が一堂に会してレッスンを受ける。これが鳥肌もの。いつもは汗の稽古場が、紅白歌合戦の楽屋みたいな華やぎ。しかも最初のバーレッスンに、ＭＭ先生を先頭に、ＹＵＫ先生、ＭＧ先生、ＹＫ子先生と、ＨＭバレエのアイドルダンサーが勢ぞろい、バーに四人が並んでお手本を見せてださる。素顔のダンサーたち（マラーホフ、コレーラ、カレーニョ、スティーフェルのＡＢＴ四大ソリストＤＶＤ）を見るより興奮する。それぞれ個性が強くて、それぞれきれいで飽きない。全員いっぺんに見たくて目がカレイみたいになる。ＭＭ先生ののびやか、ＹＵＫ先生のつややか、ＭＧ先生のさわか、ＹＫ子先生のしなやか。プリエが終わっただけで、拍手が鳴り止まない。ピアノ伴奏も完璧だったなあ。特にシェーラザードが鳴り出したとき、それにあわせて踊る四人の先生を見たとき、本当に本当に感激した。泣けた。これこそ一年のしめくくりと思う。行く年来る年を見ているみたいな、静かな気持ち。

白いカーテンを吊るしただけで立派なステージに早がわり。パフォーマンスのトップは、生徒総出演のフラワーワルツ。秘密兵器は、ＡＹちゃんとカラテ先生のリフト。輪の中心で、巨大なデュオニソス像みたいなカラテ先生の肩に座ってポーズするフェアリーＡＹちゃん。カラテ先生はまた、ＭＭ先生・ＹＵＫ先生とロシアを堂々と踊り、コサックダンスの見せ場もこなし、カラテ仕込のジャンプも披露した。私たちフランス組は、全員で手をつないで、気合を入れてからステージへ、顔もつま先も優雅に決まった。ソロの方々はリハから本番みたいなできだったけど、本番はそれ以上で、拍手がすごい。最後の四人の先生の演技を見る頃、窓に初雪がちらつきだす。全員で記念撮影。和食カフェを貸切で打ち上げ。

ＭＭ先生のくじ運じゃなくて、クジを引き運というのかあて運か、とにかくすごい。薔薇の精を踊るのが夢という人に薔薇のソープが当たったり、ＭＭ先生のプライべートレッスン券が、当たったら嬉し恥ずかしどうしよう、と本気で悩んでたＴＭ子さんのだんなさんにみごと当たったり、私がドネートしたぞうりと足袋ソックスが私に当たったり、テディベアおたくのＹＫＥさんにバレエチュチュベアが当たったり。ＹＵＫ先生お手製のクッキーは一番人気の景品。またすぐにレッスンで会いましょう、と手を振ってバスに乗る頃には、雪がみぞれに変ってた。