
棺桶リストに載せるほどじゃないが、ちょっと行ってみたかった場所。ロサンゼルスのカントリーマート。ストラビンスキーとシェーンベルグがたった一度だけ出逢ったショッピングモール。なぜそれが珍しいかというと、二人は同じ町内、すぐご近所に住んでいたのに、いわば同じジャンル的同時代作曲家なのに、全く行き来が無かったという。偶然買い物に来て、やあ、ってここでバッタリ会ったのが一期一会だったらしい。

まだ夕方七時半なのに、レストラン以外は閉まっている。ニックの従兄弟のロンの家に行く道でワインを調達しようと寄ったが買えず、結局いつも行くヴィセンテフードでカリフォルニアワインを選ぶ。ロンの妻シンシアは、TVドラマに出てくるような美しいキャリアウーマン。よりによって彼女の最も忙しい水曜に我らが訪ねてしまったのだが、彼女はごく正直に大変そうな顔を見せながら、テンポの良い会話で我らを笑わせながら、手際よくサラダやトウモロコシや豆やお肉のケバブを料理してくれた。何十人ものゲストを招待し慣れているスーパー主婦のおもてなしの真髄を学んだ気がした。といっても、ドンくさい私にや真似できないが。しかもあれだけデザートのアイスクリームを一杯食べてどうやってあれほど良いスタイルをキープしていられるのだらう!?