この時期頑固な日陰の洗濯場の雪氷を金槌で割っとくと早く溶ける。季語『雪割』。自転車で湖畔に降りると、桜の芽や猫柳がふっくら、富士もわくわくする眺め。観光客が居なくて寂しいが清々しい。コンビニの棚にトイレットペーパーもマスクも無くて清々しいが寂しい。夕食後、イタリアンルネサンスの鬼才カルロ・ジェズワルドのマドリガーレ(歌曲)を聞く。ジェズワルド城の主で伯爵、不倫の妻と間男を剣で刺し殺した壮絶な生涯。善と悪、愛と死、恍惚と苦悶の入り混じるクロマティック(半音階)メロディは、木の芽時の心がざわつく夜にぴったり。