
時をさかのぼる事2004年1月、お正月にNYへ行こうと思い立った。急に買い付けに出かける・・・、私の悪いクセだ。年間を通して外せない展示会のスケジュールは決まっているのだが、時々不安になって規模の小さな展示会にも行きたくなってしまう。
家族は「あぁ、また始まった・・・」とため息をつく。
お店を開いてからずっとアトランタで買い付けをしてきた。そして、買い付けの本拠地をNYに移そうと考えていた矢先に9・11のテロ事件があり、ずっと足が遠のいていた。でも思い立ったが吉日、マンハッタンに住んでいるアメリカ人の従兄、(本当は従兄ではなく、血縁はないのだが説明がめんどうなので、まぁ縁戚関係)に電話をして泊めてもらえるようにお願いし、航空券の手配をし、あっという間に出発当日がやってきた。
写真は早朝のマディソンアベニューの交差点、彼のアパートの前の風景。みなさんは”トーマス・クラウン・アフェアー”という映画をご覧になったこと、ある?大金持ちの男性がメトロポリタン美術館の絵を盗み、それを調査する保険会社の女性と恋におちるというストーリー。 従兄のアパートはその映画の中で主人公が住んでいるという設定になっている家のお隣。こんないい場所(Max Mara の斜め前だもんね)に住んでいる親戚はそれだけでもいい人だ


2年半ぶりのNYは100年来の大寒波、空港を一歩出た瞬間にピアスをしている耳たぶが凍ってとれてしまうかと思うほどの寒さだった

以前はNYではいつもはホテルに滞在していたが、彼のアパートに泊まれるということで少しばかりマンハッタンの住人の気分を味わえると思うと最高にいい気分。買い付けはたいてい6泊8日と長めなので、3食外食していたら体をこわしてしまう。たいして調理器具や調味料などはないけれど、少しでも自分で作ったものを食べられるのはありがたい。
従兄の住んでいるアッパーイーストサイド、セントラルパークの東側はマンハッタンのなかでもとりわけ気取った街だ。小さなレストランやこぢんまりしたブティック、それまではミッドタウンに遊びに出ることが多い私だったけれど、アッパーイーストサイドはたちまち私のお気に入りのエリアになった。
仕事で滞在していても、小さなパン屋さんの外のベンチでコーヒーを飲みながら絵葉書を書いたり、本をよんだりするのは、私にとって最高の贅沢だ



写真は街角の花屋さん、寒い街角にそこだけいち早く春がやってきたような色あざやかなお花。立ち止まっておしゃべりしているおばぁちゃま達までがおしゃれに見えてしまう街角。
I
