Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

大手バス会社勤務の路線バス運転士です。バス運転士の日常をお届けしたいと思います。

運行管理者は、きつくて離職率も高いと云うが。。。

2024-02-23 13:34:43 | 日記
今日は、仕事が休みのため長めにぼやきます。

インターネットで、バス会社の運行管理者の仕事内容や給与、待遇について検索すると、大抵はきつい、給与が安い、ドライバーから激詰めされるなどネガティブな内容が散見されます。

対して、貨物運送の運行管理者は大変さは変わりませんが、バス会社会社ほどきつそうではありませんでした。

貨物運送の場合、バス会社の運行管理者に比べ給与も若干高く設定されている印象がしますし、仕事も比較的楽そうな印象がします。

ここで、断っておきますが、世の中給与が高くて楽な仕事なんて存在しません。

必ずそれなりの理由があり、実際多くの従事者の方は「仕事に対して、給与が安い!」と感じていることが実情です。

一部の大手企業、地元の老舗企業の給与や待遇ばかりがクローズアップされていないか?

人材を集めるために、嘘とはいいませんがデコレーションされた求人内容になってはいないか?

一時的な、バブルのような状態になっっていないか?その他、いろいろありそうです。

そもそも貨物運送は、バス会社に比べ事業者の数も格段に多いです。

平成30年度の全国の貨物運送事業者数は約6万社、です(国土交通省発表)。中でも一般(トラツク)貸切運送事業者が5万7千社で、大半を占めます。

対してバス事業者に至っては、平成30年度で全国の乗合バス事業者数は約2千2百社、貸切バス事業者は4千百社です(国土交通省発表)。

バス会社の場合は、乗合と貸切が重複しているところもありますので、全国5千社位と観るのが妥当と思います。

同じ旅客運送のタクシー、ハイヤー事業者は、平成30年度の法人の事業者数(個人タクシーは除く)は約1万7千社です(国土交通省発表)

バス会社とタクシー、ハイヤー会社を合わせてた旅客運送数(個人タクシーは除く)の合計は、全国で2万2千社と貨物運送数に比べ半分です。

バス事業者数に至っては、貨物運送数に比べて10分の1しかありません。

もっと云えば、社会的に公共性の高いと云われる乗合バスに至っては、トラック事業者と比べて25分の1です。

観てのとおり、貨物運送事業者は乗合バス事業者に比べて、圧倒的に数の上で多いです。

大手の事業者のようにしっかりとした管理体制が確立された事業者もあれば、そうでない中小企業群もあります。

日本は、約9対1の割合でに中小企業の方が大手企業よりも数が多い国です。

貨物運送の運行管理者の求人の一部が好条件だからといって、安易に飛び付くのはいかがかと思います。

勿論、大手貨物運送の運行管理体制のしっかりした運行管理者になれれば数少ない当たりクジですが(普通は、こう云う当たりクジは、新卒の総合職採用者から優先に配属されます。)。

次に、貨物運送事業者と旅客運送事業者の大きな違いは、なんでしょうか?

貨物運送事業者は、荷物(危険物を含む)を運びます。そのため、運転免許証も一般的な普通免許と同じ一種免許で運転が可能です。

但し、危険物や毒劇物、冷凍物品などの特殊な荷物の運送や、フォークリフト使用などの重量物の積込には、それに見合った免許が運転免許証とは別に必要になります。

もちろん、事故を起こした際は、二次的な被害として大惨事になる可能性もあります。

また、多大な損害が発生する責任重大な仕事ではあります。

しかし、直接的に赤の他人を有償で運送をしていないため、運転免許証は一般ドライバーと同じ一種免許です。

対して、旅客運送事業者は、赤の他人の運送を有償で行うため、免許証も一般ドライバーと異なる2種免許が必要です。

事故を起こした際は、二次的に周囲に多大な迷惑が発生することはもちろん、直接的に契約の当事者である旅客の心身や命が危険にさらされる場合もあります

以上のことは、貨物運送事業者と旅客運送事業者の優劣や責任の大小について云っているのではありません。

物を有償で運ぶのか、事故を起こしたら取り返しのつかなくなる可能性を含む人(命)を有償で運ぶのかの違いについて云っているのです。

人の命を有償で運送するため、運転免許証の中に必要な資格が含まれていると云うことです。

当然、旅客運送事業者は貨物運送事業者に比べ、その運行管理責任も監督官庁やその他の公的機関からシビアに責任追及されがちです。

最後に、旅客運送事業の中の「乗合バス事業」と「貸切バス、タクシー、ハイヤー事業」の違いは何でしょうか?

それは、公共性の高さの違いにあると考えます。当然ながら乗合いバス事業が断トツに公共性が高いです。

普通に電車とバスが止まったら、通勤、通学、生活が、相当程度の人に支障が出ることは誰でも分かる自明の理です。

例えば、バスが止まった場合、1日、2日ならタクシーや自転車、徒歩で通うことも考えますが、これからずっととなると生活を困難にすることは目に見えています。

みんながみんなお金持ちや、若者のような体力があるわけではありません。

そうなるとバス事業者の経営状態により、運行が止まったり、バラつきが出ないようにするため、ある程度公的なテコ入れが必要なことは分かると思います。

特に乗合バス事業者の多くは、上記のようなテコ入れがある可能性が高いため、安定運行が確保されやすい反面、運行や運行管理体制については、他の事業者よりも監督官庁やその他の公的機関の厳しい監視を余儀なくされます。

そのため、運転士や運行管理者の募集、選考、採用に至っても、無茶なことはやりづらいことが、安易に想像できます。

ことに運行管理者については、業務の複雑さから直ぐに辞めてしまうため、内部の運転士経験者から採用される傾向が若干増えてきている印象があります。

以上のことを踏まえて、運行管理者を希望される場合には、きつい、最初は給与が安いことを覚悟した上で、いかにして自分の待遇を上げるかを模索することが大切に感じます。

私の場合、国内旅行業務取扱管理者の資格も取得して、観光バスや特定バスの営業職も兼務できる人材になれば、給与面が相当改善されるのでは?と思っています。

特に路線バス会社の運行管理者の場合は、監督官庁の年次監査により、厳しい(激詰め)指摘項目をクリアしていく作業があります。

普通の事業者の場合、ここまで厳しく指摘されないであろう労働安全衛生管理体制なども、容赦なく指摘されます。

但し、これをクリアできる人材になれば、ビジネスマンとして相当強いメンタルと実務能力が身に付くと思います。

運行管理者は、運転士が直接乗客から受けるクレームの類いも一次的に受ける職でもあります。

そのため、運転士は安全運行に注力しやすい環境が整備されています。

運行管理者は、大変ですが運行全体考えると欠かせない重要な仕事です。

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