皆さま、GEIT(Governance of Enterprise Information Technology)のエバンジェリストこと、ITコーディネータの元村憲一です。
「おっ! 何か役立つまたは、面白そうな事が書いてありそうだ」と思われたら、是非読者登録してください。
ブログの第238回目は、このブログの本題になっている GEITについての続きです。
これまでほとんどは、ISACAの話題を中心にお伝えして来ましたが、第210回目からは、ISACAを離れて、日本のGEIT人材であるITコーディネータについて、お伝えしています。
【IT経営とは?】
ITコーディネータ制度は、経済産業省が、日本の競争力を回復する高度人材として、未来を見据えた構想の中で制度化した割には、10年以上経った現在でも、非常に認知度が低い状態が続いています。
前回に続き「IT経営」と言う言葉につて、お伝えして行きます。
経済産業省のIT経営ポータル(以下を参照)
URL:
http://www.it-keiei.go.jp/index.html
IT経営とは何か?
経済産業省が行っているIT経営の定義は、以下の様に書かれています。
IT投資本来の効果を享受するためには、目的なく、単に現業をIT化するだけでは、不十分であり、自社のビジネスモデルを再確認したうえで、経営の視点を得ながら、業務とITとの橋渡しを行っていくことが重要です。
このような、経営・業務・ITの融合による企業価値の最大化を目指すことを「IT経営」と定義します。
経営・業務・ITの融合
以下の通り、経営は「視点」を、業務は「情報活用」を、ITは「メカニズム」を提供する事によって、経営・業務・ITが融合したIT経営が実現します。
・視点:取り組むべき企業改革や業務改革の指針
・情報:改革課題の達成に向け、必要な情報とそれを活かす業務の仕組み
・メカニズム:改革実現に向け、情報の効率的活用手段
IT経営について
IT経営ポータルには、IT経営についてとして、以下の5項目が記載されています。
・7つの機能と20の行動指針
・IT経営力指標と4つのステージ
・IT経営協議会とIT経営憲章
・IT経営ロードマップ
・各種報告書
・IT経営ロードマップ
【IT経営ロードマップとは】
IT経営憲章に基づき、企業がIT経営を実際に推進するにあたっての取り組みを、IT経営における先進企業の事例を踏まえて、以下の2点として整理したものです。
平成20年6月に初版が発行され、平成22年3月に改定版が発行されています。
1. IT経営の実践に向けた取組
2. マネジメント上の課題
1. IT経営の実践に向けた取組
IT経営ロードマップは、成功企業の経験を踏まえ、以下の3ステップ毎に、IT経営の実践に向けた取組を整理しています。
・見える化
・共有化
・柔軟化
企業のIT経営に向けた取組を、「見える化」「共有化」「柔軟化」の3段階で進めて行くに従い、経営・業務・ITの融合が徐々に進み、IT活用の視点から見た組織成熟度(「IT経営の成熟度」)が向上します。
2. マネジメント上の課題
また、こうした取組と並行して徐々に充実が必要となる、以下について、マネジメント上の課題として別途整理しています。
・ITガバナンス
・人材確保
・組織整備
・IT投資の評価
・その他
【IT経営ロードマップの詳細】
0.IT経営の実施前
経営、業務、ITが個別に活動しており、経営戦略的な目的不在のままIT投資が継続している段階です。
この状態でも、「見える化」「共有化」「柔軟化」の取組みが出来ないわけではありませんが、目的が定まらない活動になり成果は限りなく乏しいものになります。
1. IT経営の実践に向けた取組
・見える化
◇定義
経営から得られる視点に基づき、現場の課題抽出と解決検討の材料に繋がるように、業務や情報を客観的に把握できるようにする事です。
◇段階
経営から得られる視点に基づき、業務や情報が見える化する事によって、ITと現場の融合が始まります。
業務や情報の客観的把握が実現し、現場による課題の抽出と解決検討のための材料の発掘が可能となります。
ただし、全社的に実現するのではなく、あくまで部分的なフィールド内での実現に止まっています。
見える化は、以下の様に、情報の見える化と業務の見える化で構成されます。
◆情報の見える化
・自社のビジネスモデルに即し、自社内の情報の使い方や表現形式など(「情報モデル」)をしっかりと洗い出し、設計し直す事が取組の基本となります。
・短期的に効果が見えにくい作業である事から、意識的に、経営者の十分な理解を得つつ、必要性の明確な部署から順次取り組むよう留意する必要があります。
◆業務の見える化
・経営者や現場責任者を巻き込む手順と仕組みを確立しつつ、IT化と一体となって業務プロセスの再設計に取り組みます。
・現場レベルでは、日頃繰り返し行っている業務であっても、自分では目的や手順・内容を客観的に記述できない場合も多くあります。
・まずは日常業務の体系化から取り組むなど、取組の効果が見えやすい部署から順次取り組むよう留意する必要があります。
・対象となる業務と情報について、必要十分なタイミングで状況を把握し管理するための仕組みを構築します。
見える化の推進において、情報の見える化と業務の見える化のいずれを先行させるかは、業態によっても異なります。
扱う商品やサービスが比較的限られており、処理すべき情報の多様性が低い業務では、最初から業務の見える化が主題となるケースが多く見られます。
他方、業務の多様性が高く、処理すべき情報そのものが明確でない業務においては、まずは、情報の見える化にじっくりと取り組むことからスタートするケースが多いと言えます。
・共有化
◇定義
現場で積み上げられた「見える化」の成果を、経営戦略上必要と思われる社内外の関係者間において、いつでも効率的に使えるよう共有化する事です。
◇段階
現場で積み上げられた「見える化」の成果の共有化が進むことによって、経営戦略上必要と思われる社内外の関係者間で、業務や情報をいつでも効率的に使えるような環境が作り上げられます。
本格的なIT経営の実現段階に近い状態に進みます。
◆共有化の範囲の確定
・社内だけでなく、供給側から顧客までバリューチェーン全体を見渡した上で、共有化の目的を定義します。
また、その目的に照らして、必要な情報とそれが使われている業務を特定し、共有化の範囲を決定します。
◆共有化に伴う業務の再構築
・情報共有化を行うために最も効率的だと思われる方法で、各業務を再構築します。
・企業横断的に業務の再構築を行う場合には、各社が得られるメリットと負担すべきコストのバランスを十分考慮し、最大限、Win-Win関係の構築に努めます。
◆組織体制等の変更
・再構築した業務を円滑に動かすため、必要となる制度・ルールや組織体制の変更については、並行して迅速に取り組みます。
◆教育・研修を通じた定着
・新たな業務の定着に向けて、実際に業務を担う従業員に対し、その理解と納得を得るため、十分な時間をかけて教育・研修を実施します。
・柔軟化
◇定義
将来予測される外部環境の変化に対して、必要に応じいつでも、自社の業務を柔軟に組み替え、社内外の必要な情報を組み合わせて、新たなイノベーションを迅速に創出できるようにすること
◇段階
共有化の進んだ企業において、柔軟化を進めることによって、将来予測される外部環境の変化に対して、自社の業務を柔軟に組み替え、かつ社内外の必要な情報を組み合わせて新たなイノベーションの創出が可能となります。
企業内の柔軟化が達成されれば、次に外部のステークホルダ(顧客や取引先等)と業務・システムのモジュール化に取り組むことになります。
その結果、バリューチェーンの「つながり力」が強化され、新たなイノベーションを創出する環境が構築されます。
2008年のリーマンショックに見られるような事業環境の著しい変化に対し、実態を正確に把握し、企業の業務・体制やバリューチェーンを、迅速かつ的確に組み替えると言った、高度なIT 経営を実現します。
◆柔軟化の必要性評価
・自社を取り巻く外部環境の将来の変化について予測を行うとともに、外部環境の変化がもたらす自社のビジネス、現状の業務へのインパクトについて評価します。
◆業務・システムのモジュール化
・外部環境の変化に対して、柔軟に組み替えるべき業務を特定し、迅速な業務組み換えが行えるよう、業務及びシステムのモジュール化を促進します。
◆戦略的な柔軟化とオープン化
・外部環境の変化を自社に有利に受け止め、迅速に新たなイノベーション創出に結びつけるよう、社内外の必要な情報を組み合わせる事ができる環境を構築します。
・内部の業務モジュールへの独立性の付与、ビジネスモデル全体のオープン化など、市場の変化を先取り可能な戦略性を持ちます。
【IT経営ロードマップとIT化ステージ】
以前説明したIT化ステージの各段階それぞれにおいて、「見える化」「共有化」「柔軟化」があります。
ただし、ステージ2段階では「見える化」、ステージ3段階では「見える化」と「共有化」、ステージ4の段階では「柔軟化」との関連性が強くなる傾向があります。
この「見える化」「共有化」「柔軟化」を推進するにあたっては、「単純化・標準化と多様性のバランスをどのように確保するか」です。
単純化し、標準化する事でITの活用度合を高めIT経営度を高める事ができる一方で、単純化・標準化が陳腐化の始まりとなって、他社との差別化、差異化を無くしてしまう原因にもなるからです。
ここまで読んでみると、成熟度だから徐々に段階を踏まないとできないと述べられている様に感じます。
しかし、これに時間をかけている間、急速に大きく変化する経営環境は、待っていてくれるのでしょうか?
以前からこのブログでお伝えしているTMと言う手法は、「見える化」「共有化」「柔軟化」を同時並行的に実現します。
このTMこそが、私の考えるIT経営への実現解なのです。
IT経営ロードマップに書かれている事を素早く実現できるように支援をして行く事は、IT経営を実現するプロフェッショナルと言われている、私達ITコーディネータに課せられた重要な使命の1つです。
少し長くなりましたので、経済産業省IT経営ポータルの、IT経営ロードマップの説明の途中で、終了します。
次回もこのシーズからは、経済産業省IT経営ポータルの、IT経営ロードマップの続きを説明して行きます。
この続きは、次回以降に、ITコーディネータ資格の変遷や、ITコーディネータのバイブルと言われるプロセスガイドラインの内容についても紹介して行きます。
最後まで、お付き合いくださいまして、ありがとうございます。
次回以降も、本題のGEITの話題として、ITコーディネータを中心に、ISACAが認定している資格の最新版が明らかになった段階で、順次お伝えして行きます。
皆さまからの、ご意見・ご感想をお待ちしております。
この記事を、気に入ってくださった方は、クリックをしていただけると励みになります。
【資格】
・ITコーディネータ
・公認情報システム監査人
Certified Information Systems Auditor (CISA)
・公認情報セキュリティマネージャー
Certified Information Security Manager (CISM)
・公認ITガバナンス専門家
Certified in the Governance of Enterprise IT (CGEIT)
・Certified in Risk and Information Systems Control (CRISC)
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■まぐまぐ
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ブログの第238回目は、このブログの本題になっている GEITについての続きです。
これまでほとんどは、ISACAの話題を中心にお伝えして来ましたが、第210回目からは、ISACAを離れて、日本のGEIT人材であるITコーディネータについて、お伝えしています。
【IT経営とは?】
ITコーディネータ制度は、経済産業省が、日本の競争力を回復する高度人材として、未来を見据えた構想の中で制度化した割には、10年以上経った現在でも、非常に認知度が低い状態が続いています。
前回に続き「IT経営」と言う言葉につて、お伝えして行きます。
経済産業省のIT経営ポータル(以下を参照)
URL:
http://www.it-keiei.go.jp/index.html
IT経営とは何か?
経済産業省が行っているIT経営の定義は、以下の様に書かれています。
IT投資本来の効果を享受するためには、目的なく、単に現業をIT化するだけでは、不十分であり、自社のビジネスモデルを再確認したうえで、経営の視点を得ながら、業務とITとの橋渡しを行っていくことが重要です。
このような、経営・業務・ITの融合による企業価値の最大化を目指すことを「IT経営」と定義します。
経営・業務・ITの融合
以下の通り、経営は「視点」を、業務は「情報活用」を、ITは「メカニズム」を提供する事によって、経営・業務・ITが融合したIT経営が実現します。
・視点:取り組むべき企業改革や業務改革の指針
・情報:改革課題の達成に向け、必要な情報とそれを活かす業務の仕組み
・メカニズム:改革実現に向け、情報の効率的活用手段
IT経営について
IT経営ポータルには、IT経営についてとして、以下の5項目が記載されています。
・7つの機能と20の行動指針
・IT経営力指標と4つのステージ
・IT経営協議会とIT経営憲章
・IT経営ロードマップ
・各種報告書
・IT経営ロードマップ
【IT経営ロードマップとは】
IT経営憲章に基づき、企業がIT経営を実際に推進するにあたっての取り組みを、IT経営における先進企業の事例を踏まえて、以下の2点として整理したものです。
平成20年6月に初版が発行され、平成22年3月に改定版が発行されています。
1. IT経営の実践に向けた取組
2. マネジメント上の課題
1. IT経営の実践に向けた取組
IT経営ロードマップは、成功企業の経験を踏まえ、以下の3ステップ毎に、IT経営の実践に向けた取組を整理しています。
・見える化
・共有化
・柔軟化
企業のIT経営に向けた取組を、「見える化」「共有化」「柔軟化」の3段階で進めて行くに従い、経営・業務・ITの融合が徐々に進み、IT活用の視点から見た組織成熟度(「IT経営の成熟度」)が向上します。
2. マネジメント上の課題
また、こうした取組と並行して徐々に充実が必要となる、以下について、マネジメント上の課題として別途整理しています。
・ITガバナンス
・人材確保
・組織整備
・IT投資の評価
・その他
【IT経営ロードマップの詳細】
0.IT経営の実施前
経営、業務、ITが個別に活動しており、経営戦略的な目的不在のままIT投資が継続している段階です。
この状態でも、「見える化」「共有化」「柔軟化」の取組みが出来ないわけではありませんが、目的が定まらない活動になり成果は限りなく乏しいものになります。
1. IT経営の実践に向けた取組
・見える化
◇定義
経営から得られる視点に基づき、現場の課題抽出と解決検討の材料に繋がるように、業務や情報を客観的に把握できるようにする事です。
◇段階
経営から得られる視点に基づき、業務や情報が見える化する事によって、ITと現場の融合が始まります。
業務や情報の客観的把握が実現し、現場による課題の抽出と解決検討のための材料の発掘が可能となります。
ただし、全社的に実現するのではなく、あくまで部分的なフィールド内での実現に止まっています。
見える化は、以下の様に、情報の見える化と業務の見える化で構成されます。
◆情報の見える化
・自社のビジネスモデルに即し、自社内の情報の使い方や表現形式など(「情報モデル」)をしっかりと洗い出し、設計し直す事が取組の基本となります。
・短期的に効果が見えにくい作業である事から、意識的に、経営者の十分な理解を得つつ、必要性の明確な部署から順次取り組むよう留意する必要があります。
◆業務の見える化
・経営者や現場責任者を巻き込む手順と仕組みを確立しつつ、IT化と一体となって業務プロセスの再設計に取り組みます。
・現場レベルでは、日頃繰り返し行っている業務であっても、自分では目的や手順・内容を客観的に記述できない場合も多くあります。
・まずは日常業務の体系化から取り組むなど、取組の効果が見えやすい部署から順次取り組むよう留意する必要があります。
・対象となる業務と情報について、必要十分なタイミングで状況を把握し管理するための仕組みを構築します。
見える化の推進において、情報の見える化と業務の見える化のいずれを先行させるかは、業態によっても異なります。
扱う商品やサービスが比較的限られており、処理すべき情報の多様性が低い業務では、最初から業務の見える化が主題となるケースが多く見られます。
他方、業務の多様性が高く、処理すべき情報そのものが明確でない業務においては、まずは、情報の見える化にじっくりと取り組むことからスタートするケースが多いと言えます。
・共有化
◇定義
現場で積み上げられた「見える化」の成果を、経営戦略上必要と思われる社内外の関係者間において、いつでも効率的に使えるよう共有化する事です。
◇段階
現場で積み上げられた「見える化」の成果の共有化が進むことによって、経営戦略上必要と思われる社内外の関係者間で、業務や情報をいつでも効率的に使えるような環境が作り上げられます。
本格的なIT経営の実現段階に近い状態に進みます。
◆共有化の範囲の確定
・社内だけでなく、供給側から顧客までバリューチェーン全体を見渡した上で、共有化の目的を定義します。
また、その目的に照らして、必要な情報とそれが使われている業務を特定し、共有化の範囲を決定します。
◆共有化に伴う業務の再構築
・情報共有化を行うために最も効率的だと思われる方法で、各業務を再構築します。
・企業横断的に業務の再構築を行う場合には、各社が得られるメリットと負担すべきコストのバランスを十分考慮し、最大限、Win-Win関係の構築に努めます。
◆組織体制等の変更
・再構築した業務を円滑に動かすため、必要となる制度・ルールや組織体制の変更については、並行して迅速に取り組みます。
◆教育・研修を通じた定着
・新たな業務の定着に向けて、実際に業務を担う従業員に対し、その理解と納得を得るため、十分な時間をかけて教育・研修を実施します。
・柔軟化
◇定義
将来予測される外部環境の変化に対して、必要に応じいつでも、自社の業務を柔軟に組み替え、社内外の必要な情報を組み合わせて、新たなイノベーションを迅速に創出できるようにすること
◇段階
共有化の進んだ企業において、柔軟化を進めることによって、将来予測される外部環境の変化に対して、自社の業務を柔軟に組み替え、かつ社内外の必要な情報を組み合わせて新たなイノベーションの創出が可能となります。
企業内の柔軟化が達成されれば、次に外部のステークホルダ(顧客や取引先等)と業務・システムのモジュール化に取り組むことになります。
その結果、バリューチェーンの「つながり力」が強化され、新たなイノベーションを創出する環境が構築されます。
2008年のリーマンショックに見られるような事業環境の著しい変化に対し、実態を正確に把握し、企業の業務・体制やバリューチェーンを、迅速かつ的確に組み替えると言った、高度なIT 経営を実現します。
◆柔軟化の必要性評価
・自社を取り巻く外部環境の将来の変化について予測を行うとともに、外部環境の変化がもたらす自社のビジネス、現状の業務へのインパクトについて評価します。
◆業務・システムのモジュール化
・外部環境の変化に対して、柔軟に組み替えるべき業務を特定し、迅速な業務組み換えが行えるよう、業務及びシステムのモジュール化を促進します。
◆戦略的な柔軟化とオープン化
・外部環境の変化を自社に有利に受け止め、迅速に新たなイノベーション創出に結びつけるよう、社内外の必要な情報を組み合わせる事ができる環境を構築します。
・内部の業務モジュールへの独立性の付与、ビジネスモデル全体のオープン化など、市場の変化を先取り可能な戦略性を持ちます。
【IT経営ロードマップとIT化ステージ】
以前説明したIT化ステージの各段階それぞれにおいて、「見える化」「共有化」「柔軟化」があります。
ただし、ステージ2段階では「見える化」、ステージ3段階では「見える化」と「共有化」、ステージ4の段階では「柔軟化」との関連性が強くなる傾向があります。
この「見える化」「共有化」「柔軟化」を推進するにあたっては、「単純化・標準化と多様性のバランスをどのように確保するか」です。
単純化し、標準化する事でITの活用度合を高めIT経営度を高める事ができる一方で、単純化・標準化が陳腐化の始まりとなって、他社との差別化、差異化を無くしてしまう原因にもなるからです。
ここまで読んでみると、成熟度だから徐々に段階を踏まないとできないと述べられている様に感じます。
しかし、これに時間をかけている間、急速に大きく変化する経営環境は、待っていてくれるのでしょうか?
以前からこのブログでお伝えしているTMと言う手法は、「見える化」「共有化」「柔軟化」を同時並行的に実現します。
このTMこそが、私の考えるIT経営への実現解なのです。
IT経営ロードマップに書かれている事を素早く実現できるように支援をして行く事は、IT経営を実現するプロフェッショナルと言われている、私達ITコーディネータに課せられた重要な使命の1つです。
少し長くなりましたので、経済産業省IT経営ポータルの、IT経営ロードマップの説明の途中で、終了します。
次回もこのシーズからは、経済産業省IT経営ポータルの、IT経営ロードマップの続きを説明して行きます。
この続きは、次回以降に、ITコーディネータ資格の変遷や、ITコーディネータのバイブルと言われるプロセスガイドラインの内容についても紹介して行きます。
最後まで、お付き合いくださいまして、ありがとうございます。
次回以降も、本題のGEITの話題として、ITコーディネータを中心に、ISACAが認定している資格の最新版が明らかになった段階で、順次お伝えして行きます。
皆さまからの、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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・ITコーディネータ
・公認情報システム監査人
Certified Information Systems Auditor (CISA)
・公認情報セキュリティマネージャー
Certified Information Security Manager (CISM)
・公認ITガバナンス専門家
Certified in the Governance of Enterprise IT (CGEIT)
・Certified in Risk and Information Systems Control (CRISC)
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