何故死んでしまったの…祥一郎の生きた証

私は2015年12月28日、20数年共に暮らした伴侶である祥一郎を突然喪いました。このブログは彼の生きた証です。

ジャスミンの薫る頃  祥一郎が教えてくれたもの

2016年04月29日 | 喪失感

まったくの赤の他人同士が出逢って、何十年も共に暮らすこと。

当然ながら、最初はお互いの価値観や主義趣向、趣味や嗜好がぶつかり合う事も有る。

それが年月が経つうちに、相手のそれを受け入れ、譲歩し、認め合う。

そうやって絆は深まるんだ。

勿論私と祥一郎もそうだった。

当初は箸の上げ下ろしまで気になったものだが、一緒に暮らすうち、我慢できない事も我慢出来るようになり、なんとなくお互いの一線がわかってくる。
一線を越えた時は喧嘩になったりもするけど、それを越えない限りうまくやっていける。
赤の他人同志が家族になるというのはそういうことなんだ。

それを祥一郎との暮らしは教えてくれた。

お互いがお互いの世界観を持っていて、それを教え合い認め合うことが絆というものかもしれない。


祥一郎、お前はおっちゃんになにを教えてくれただろう。

〇コスメ
若い頃から化粧品などまったく興味の無かった私に、世の中にはこんなにも男性用の化粧品やら、男女とも使用可のもの、香水、その辺の石鹸とはまるで違うコスメ石鹸、その他諸々があることを教えてくれた祥一郎。
私が足に豆が出来やすいことを知って、豆が出来ないように角質がとれるクリームを塗ってくれたね。
そうそう、スイカの匂いのする化粧水をくれたときはびっくりしたよ。こんなものがあるのかって。
顔面パックなんかもときおり一緒にやったよね。二人で笑わせあって台無しにしたりして。
祥一郎の化粧品、石鹸、まだ残っているよ・・・・・。

〇ミュージカル
これもまったく興味も、観る機会も無かった私に教えてくれた祥一郎。
最初に観たのは「美女と野獣」。あの時のあいつの喜びようったら・・・・・
後は「李 香蘭」「クレイジー・フォー・ユー」「マンマ・ミーア」「エビータ」その他諸々。

祥一郎に強く背中を押されて全く縁の無かったミュージカルなるものに、こんなに何回も行ったとは。
個人的に「ライオンキング」に一緒に行きたかったけど、もうそれは出来ない・・・・

〇テレビゲーム
最初はプレイステーションだった。
これも私の知らない世界だったけど、祥一郎が初期のプレイステーションを買ってきて、ゲームを始め、ちょっと私も触ってみたら、けっこう暇つぶしになるし、段々面白くなってきて、新型のプレステが出ると私自ら買ってきたりしていた。
最初にやったゲームはズバリ、「バイオハザード」。いやあこれは面白かった。特に「バイオハザードⅡ」が秀逸だった。二人でプレステの取り合いで喧嘩したり、どこまで進んでいるのか競争したり、楽しいゲームオタク生活を二人で楽しんだ。いったい何度中古ゲーム屋に足を運び、何枚ゲームソフトを買ったことだろう。いまだにそれは殆ど残っている。誇りを被ったプレイステーションⅡと共に。祥一郎と遊んだ想い出とともに。

〇入浴の楽しみ方。
およそ入浴剤など、入れて風呂に入る事が無かった私だったが、祥一郎はやれバスロマンだのバスクリンだの、その辺のドラッグストアに売ってるものだけでなく、どこから仕入れてくるのか、ハーブの強い匂いのするものや、泡だらけになるもの、夏は肌が冷えるものや、冬は身体を芯から温めてくれる物など、あいつの入浴に対する拘りは私など足元に及ばなかった。
お湯の色が真っ赤になっていたときはびっくりしたものだ。いったいどんな入浴剤を入れたんだろうと。でも良い香りがした。
今はひとりしか入らない風呂。でも、入浴剤を入れる習慣は残った・・・・・・・。

このように、祥一郎は私の世界観を色々な面で広げてくれた。


そしてまだある。あいつが教えてくれた物の中でとても大事なものが。

〇人を愛すること愛されること、人の温もりを感じること、いつも傍にいてくれる安心感、私はひとりじゃないという心地良さ。

語るまでも無いけれど、祥一郎が教えてくれたものでこれらが一番私にとって美しく、かけがいのない、
失いたくないものだった。

そしてそれらは、夢のように突然無くなってしまった。

どんなに探しても、どんなに望んでももう手に入れることはできなくなった。


祥一郎・・・・・・

お前が残したコスメや、ミュージカルに行った時に買ったグッズ、ゲーム機やゲームソフト、入浴剤を持って、「はい、忘れものだよ。」と言ってお前の元へ戻れる日は来るんだろうか。

いや、いつか来ると信じて生きよう。

そうするしかないんだよ、おっちゃんは・・・・・・・・・・。


家の周りに、あの白っぽい花が咲く季節になったよ。甘い薫りのするあの花だ。

お前が、「おっちゃん、あれはジャスミンの花だよ。知ってた?」って教えてくれた。

お前にもあの薫りは届いているだろうか・・・・・・・・・・・・・・・・


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2 コメント

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Unknown (山村あゆみ)
2016-04-30 11:01:09
けいさん、こんにちは。
以前けいさんは、祥一郎さん、不思議とおどけたところがあったと仰っていましたね。
そんな祥一郎さんの屈託の無さに救われた部分も、過去の御言葉を拝見して少しずつ見えてくるような気がします。
花となり風となり、いつまでも祥一郎さんがけいさんに寄沿っていくんだろうな…と思います。
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Unknown (けい)
2016-05-01 05:13:18
少なくとも私より祥一郎は人生を楽しむことに長けていたと思います。

寄り添っているのならいいですね。

できるならその気配を感じたい。
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