今年最初のボリショイ観劇は1月12日にクレムリンの劇場を使って上演されたチャイコフスキーの眠れる森の美女でした。1899年のボリショイでの初演から538回、今回上演されたグリゴローヴィチ振付による1973年版でも122回目という長い歴史を誇る不朽の名作。バレリーナのキャリアの最終目標の一つとも言われるオーロラ姫を演じたのはプリンシパルの1人Anna Antonicheva。有名な第一幕の16歳の誕生日に4人の貴公子を相手に踊る「ローズ・アダージョ」(貴公子が薔薇をささげることから付いた名前)の場面は本来見ていてハラハラしそうな場面ですがさすがプリンシパルだけあって余裕が感じられ安心して見ていられました。これはバレエ用語ではポアント(指の先端の一点で立つ)に立ったままアチチュードの姿勢(片足で立ってもう一方の足は膝を曲げ体の後ろ90度の高さに持ち上げたポーズ)を続けるという表現となるようですが兎も角美しいが安定を保つのが難しいこの姿勢を保ったまま4人の求婚する貴公子が支える手を順番に交代するという緊張するが美しい場面、更に同じポーズで貴公子が手を取ってぐるりと一回転して又順番に交代という場面などが見せ場ですが手の先まで余裕が感じられました。
写真はカーテンコールで王子(Price Desire)役のAlexander Volchkovから花束を受け取るAnna Antonichevaです。動画はこの2人の最後のカーテンコールの風景です。
この写真の後ろの方に写っているのが第3幕のこの2人の結婚式のお祝いの踊りを踊るフロリナ姫役のNina Kaptosovaと青い鳥役のAndrey Bolotinです。お祝いの踊りを踊る童話の世界の主人公達(他の赤ずきんちゃんと狼、長靴を履いた猫と白い雌猫、シンデレラと王子)もそれぞれに楽しめましたが特にこのフロリナ姫と青い鳥の踊りは羽ばたきを思わせる腕の動きや如何にも軽やかな跳躍でブラボーの嵐でした。
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