一幕目の続きです。
7. Revelesion :ザハロワ (写真)
この演目は今年のブノア賞記念ガラでザハロワが踊ったのと同じ演目です。日本人の平山さんの振付の演目ですが余ほど気に入っているのでしょう。確かに彼女の柔らかな体を存分に使った踊りで満喫できました。最初は前衛的音楽途中から哀愁漂うバイオリンに合わせて椅子を使った踊りです。ピンと真上に伸ばした足が一直線に伸びるところは美しい限り。題の髪は金髪より一寸茶色が入っているか。
8.タンゴ:イルゼ・リエパ、ペドロ・ベナバンテ、
イルゼの2つめの演目。相手役は長髪の男性ダンサー。
9. 瀕死の白鳥 : マリインスキーのイルマ・ニオラーゼ
先日のガラでザハロワが踊った演目ですがこのイルマの白鳥の羽の動き、即ち腕の柔軟な振りは最高でした。
10. ドン・キホーテよりパ・ド・ドゥ :マリインスキーのオレシア・ノビコワ、ミハイル・ロプヒン
オレシアは未だUPしていないのですがマリインスキーでドンキを見た際も彼女でした。最後は気合を入れて高速40回転ほどがんばっていました。
ガラ演はこれまでのコンクール受賞者を交えて名古屋でのオープニングの他に全国ツアーもあって、平山さんは受賞の時にラウンドIIで踊った「Revelation」を踊ったのです。この時ザハロワもゲストで数回出演していたので、良い出会いになったのでしょう。ザハロワは世界各地に招かれて踊っていますが、ガラで1人で踊れる演目は今までなかったのではないでしょうか。
平山さんは昨年10月にオープンした兵庫県立芸術文化センター「オープニング・ガラ」でニジンスキー版『春の祭典』日本初復刻上演の生け贄の乙女を踊ったのですけど、とてもすばらしく感動しました。
カルミナ・ブラーナより白鳥 :ハーレム・バレエのラモン・トエレンとは・・ビントレーの振り付けのものでしょうか?
昨年10月の新国立劇場のオープニングはビントレーの「カルミナ・ブラーナ」でした。イギリスのバーミンガム・ロイヤルバレエ団監督のデヴィット・ビントレーは作品の紹介で下記のように述べています。詳しくは新国立劇場バレエ団のHPでご覧になれます。
http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/10000025.html
長くなりますが、以下そちらからの引用です。
◎私の作品の中の神学生それぞれの体験はオルフ作品を逆手に取ったものになっています。
たとえば、この私の作品の中では「求愛」の部分は売春宿になっています。オルフが考える求愛や騎士道精神といったものとは正反対なのです。(写真c)また「春」の部分では神学生は白い衣裳を身にまとい、美しいブロンドの純粋な女性と恋に落ちます。しかし、その女性は実は“純粋”ではないことがわかります。本当は、もっと危険な男性を彼女は求めているのです。
「丸焼きの白鳥 ローストスワン」は大食を意味しています。そこでシンプルに白鳥を単なる鳥として見せよう―ただし、ショーガールのように―しようと思いました。そして醜悪なジョージ・グロス的な人物<注:ジョージ・グロス=1893-1959年ベルリン・ダダを代表する風刺画家>が彼女を食べてしまいます。ここでは口で食べるということと性的に食べるという二つの意味合いがあります。
ですから白鳥は同時に大きな羽根を付けて踊るショーガールのようなダンサーでもあります。彼女は鳥の翼のような大きな羽の扇を持っています。最後には彼女は七面鳥のポーズを取って持ち上げられます。これはあたかも食べられるために飾りつけをされた七面鳥のような様子です。
神学生たちの中の三人目の神学生は自分の行動に苦しみます。人は堕落してしまった聖職者を見ると特別な関心抱くものです。そう、善良なはずの者が悪事を働くと、人は普通に増して大きな関心を持つようです。
それで、この三人目の神学生の苦悩がこの作品の核になっています。信仰と堕落との間のジレンマが表現されています。