ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

ウヴァーロフ全幕復帰第2弾-ジゼル-11月12日-

2006年11月13日 | Weblog

ダンチェンコ再開のブログのUpの途中ですし皆様からのコメントに返事出来ておりませんがNanaさんから早速ザハロワの新国立でのバレエのコメント頂いたのでやはり本来新国立で踊っている筈のウヴァーロフがボリショイで2月に怪我した因縁の演目のジゼルを全幕踊り切ったことを先ずお伝えします。2月には2幕の最後の方で左足首の怪我をしたようですが激しい2幕目も演じ切りました。

写真のように相手役はルンキナ。

因みに11日は本来ステパネンコ、マトビエンコ、12日はグラチョーワ、ウヴァーロフの予定だったのですがステパネンコは今だ体調不良、マトビエンコはウヴァーロフの替わりに日本公演、グラチョーワは引退(正式発表はされていませんが)ということで

11日 ルンキナ、ネポロジー

12日 ルンキナ、ウヴァーロフ

となり2日ともルンキナのジゼルでした。

二日を見比べるとネポロジーファンには申し訳無いが差は歴然。怪我から復帰して2作目だがウヴァーロフはこの前のライモンダのような最初の堅さも全く無く伸び伸びと自信を持った演技でこちらも安心して見ていられました。ウヴァーロフ大好きのルンキナですから演技に抜かり無し。11日も悪くなかったですが。

特にウヴァーロフの2幕目のジャンプの足捌きや上半身を仰け反って倒れる場面など迫真の演技。ボリショイ観劇仲間のアドバイスではそもそもロシアバレエは他のバレエより上半身の表現が強くこれはボリショイの大きな旧館の舞台では上半身を多少大げさに表現しないと舞台で映えなかったということが影響しているのではとのことでした。兎も角小ぶりの新館の舞台でもこの演技は見ごたえあり。又最後のところも通常の黒マントを下げて消えて行くという演技でなく白い花を持ってカーテンが閉じるまで正面に向かってルンキナから貰った花に対する思いを表現するという演技。

但し 現在シベリヤ公演中の為 コールドがレベルダウンしており揃わない場面があったりしたのは両日とも同じで一寸残念でした。

カテコ動画 

 (一幕目終了後 絶命したルンキナを膝に抱くウヴァーロフ)

 (2幕終了後。)

 (花束を貰う。ウヴァーロフの右はMythe役のAnna Leonovaですがその右でたくさんの花束を貰っているのは11日がTwo Wilises役初演だったYelena Kazakovaです。中々の美形で両日じっくり見ていましたが将来期待出来る新星。勿論Two Wilisesのもう片方のコバヒゼは若手の期待の星の通りの演技でした。因みにルンキナ左のハンス役も12日初演のTimofey Lavrenyuk。闘牛士役でよく見る彼ですがシベリヤ公演でダンサーが手薄になっているこの時期が若手には新しい役に挑戦する格好のチャンス)

 (幕前の2人)

 (今日が初演のPas De DeuxのDenis MedvedevとChinara Alizade。一幕終了後カテコ)

 

 

 



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15 コメント

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行きたかったのです!! (ひめ)
2006-11-13 15:49:33
ジゼル大好き、ウヴァーロフ大好きな私なのですが、
23日のシュピレフスキー君の白鳥と迷って
白鳥にしてしまいました。
今更ながらちょっと後悔です。見たかった!!
やはりステキですね。
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引退 (コカ)
2006-11-13 20:42:59
 グラチョーワの引退はショックです。
私は住んでる場所もあって、バレエはろくに観れないのですが、いつかグラチョーワの踊りが観たかった。
彼女の出ている「バヤデルカ」のビデオ?も今は手に入りにくいらしいですね。
 今年のボリショイ日本公演も蓋を開けてみれば、グラチョーワとツィスカリーゼが絶賛の嵐だったようです。
 彼女は自分にも他のダンサーにもすごく厳しいそうですが、彼女が舞台に立つと舞台が引き締まると聞いたことがあります。
 だから、一度でいいから観たかったです。残念です。
 管理人さんは彼女の踊りはどのような感想をお持ちですか?
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グラチョーワ引退ですか (naomi)
2006-11-14 02:52:09
はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいております。
私も、皆様と同様、グラチョーワの引退に大きなショックを受けております。今年の来日公演での彼女のバヤデルカがあまりにも素晴らしくて、急遽チケットを買い足して横浜まで見に行きました。とてもとても引退するほど衰えているとは到底思えず、ビデオの時よりも演技が深まって本当に心の底から揺り動かされました。
一部には、ラトマンスキーが余り彼女を起用したがっていなかったという話を聞いたこともありますが。
バレエ界の至宝と思える彼女の引退、あまりにももったいないです。
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どうもありがとうございました (茉莉亜)
2006-11-14 07:05:30
管理人様、

「ライモンダ」に続き、ウヴァーロフさん全幕復帰第2弾の「ジゼル」の観劇記、画像、映像などありがとうございました。管理人様のレポートや映像は、新劇場での臨場感を生で感じ取ることができ、まるで自分もその場にいるようです。

ウヴァーロフさんも、また以前のようなペースで全幕を踊れるようになったのですね。安心しました。これも管理人さまのご尽力のおかげです。いつも本当に感謝いたしております。

実は、私はウヴァーロフさんが怪我をしたベルギーでの「ジゼル」を観ていたのです。ウヴァーロフさん、ザハロワさん(ジゼル)、アレクサンドロワさん(ミルタ)共に素晴らしい公演でした。

ただモネ王立劇場は舞台がとても小さく、ウヴァーロフさんも若い頃は「自分が最も苦手な劇場」と発言していました。実際アレキサンドロワさんはミルタのグランジュテで舞台を横切る場面で壁に激突しそうになったりしたんですよ。

ウヴァーロフさんはベテランだけに当日は舞台配分にも十分注意して踊られ、円熟期の彼らしい充実の舞台でした。

それが最後のソロを一つ残すだけというところで靭帯が切れ、大きく叫んで舞台袖に倒れこんだのでした。暗い舞台の袖近くでの出来事でしたので、お客様に苦しむ姿は一切見せなかったのです。

ただ私的には、暗い舞台に響いた彼の叫び声が今も耳について離れません。いつか機会があれば、また「ジゼル」でウヴァーロフさんの元気な姿を観て、暗い思い出を葬りたいと思います。

あ、ちなみに当日の舞台では、1幕の最後は、管理人様がご紹介くださった今回のようなエンディング(ジゼルを膝に置いて抱く)ではなかったような・・・。

ザハロワさんとルンキナさんとではだいぶ背も違いますから、1幕のエンディングも違うのでしょうか? 私は今回の方が、ウヴァーロフさん=アルブレヒトの優しさが伝わってきて好きでした。

グラチョーワさんは私も大好きなバレリーナですので、引退と言う噂が本当ならとても残念です。
今はもうあのように芸術性の高いバレリーナはほとんど残っていないというのに・・・。

メドヴェージェフさんのカーテンコール映像もありがとうございました。彼、カワイイですし、実力派も十分ですよね。嬉しく拝見しました。

ところでルンキナ嬢はウヴァーロフさんと踊るのが「大好き」なのですか?
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レポ多謝 (Nana)
2006-11-15 01:14:21
管理人様。ご多用中、大変貴重なレポ、ありがとうございます。感謝の言葉もありません。

先日の「ライモンダ」の時は平気だったのに、こちらを見たら泣きそうになってしまいました。先日ハードな「ライモンダ」を踊り、またすぐ次に別のプリマと「ジゼル」なのかと、内心気にかかっていました。昔は「ジゼル」は男性にはもっとも体力的にハードな古典とされてたような気がするし。2幕のブリゼとか足技がいろいろ出てきますしね。そう、ネポよりがっぷり踊っちゃったんですか。彼らしいですね。(あっ、私の寝言は気にしないで下さい。皆いい踊りが見たいですよね。私はウヴァーロフに心配過剰になってしまうらしいので。)立派な出来で無事に踊りおおせたとのレポ、有難く拝読しました。

管理人さんがおっしゃっている箇所は2幕の主役二人のパ・ド・ドゥの途中、宙で脚を打って上体をそらせる所(技の名を忘れた)でしょうか。ウヴァーロフはあの辺得意みたいですね。ボリショイの人はダブルで脚を打つみたい。マラーホフはシングルでやっていた。

ルンキナ、ウヴァーロフ(ツィスカリーゼ代役) ペアは、02年に大阪で「眠り」全幕を踊り、見た知人が「ルンキナは嬉しそうだった。ウヴァーロフは(ルンキナの踊りをサポートできれいに直してあげていて)ややお疲れだった」といってたので、ルンキナさんの方は少なくともウヴァーロフはお好きらしいとの日本公演データ。後はモスクワ情報ありましたらどーぞ。

本当はルンキナ、アントーニチェワといった一線級ほどトウの強くないバレリーナ(相手役を頼って踊るタイプ)にウヴァーロフが好かれるのは大きな理由がありますが、それはまた別の機会に。

2月の「ジゼル」ベルギー公演、ご覧になった方いらっしゃったんですね!やはり生で見た方のお話が一番有難いです。

茉莉亜さんもご存知と思いますが、日本語でのこの公演の紹介は、アンジェラ加瀬氏の現地取材記事が詳しいのですが、今あいにく手元にありません。外国語での記事も出ていて、大変素晴らしい舞台だったと知り、(他でも見る機会はあったのに)ザハロワ、ウヴァーロフの「ジゼル」を見なかったことを後悔しました。

ちなみに管理人さんが春にご覧になったザハロワ、ネポロジニー「バヤデルカ」は、終演後ラトマンスキーがザハロワにダメ出ししていたそうですが、それに対し、2月のベルギー公演、ザハロワ、ウヴァーロフ「ジゼル」は、ラトマンスキーから見ても素晴らしい出来だったというような話、また聞きですが。

そして記事によれば茉莉亜さんがいらしたその公演、終演後は心配するファンらで楽屋口がごった返していた、等書いてあったので、そこに日本人のファンの方はいなかったのかしら?などと考えておりました。

脱線しましたが、モネ王立劇場は、日本だとオーチャードホールみたいなウヴァーロフがほんとは苦手な(今は巧くかわすけど)狭い舞台の劇場なのだろと想像しています。

ついでに、東京文化会館も、やっぱりやや狭く、ウヴァーロフ「眠り」グリゴローヴィチ版、王子登場シーンの踊りは、舞台の狭さにあわせてタイトにしており、当方愛知県芸術劇場(舞台が広い)での同公演にて、やっとウヴァーロフのデジーレ登場ソロの完全版を見ることが出来ました。(共演グラチョーワ)

とりあえず。

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全幕復帰おめでとう (Usako)
2006-11-15 07:03:40
管理人様のレアなライモンダ&ジゼル情報ありがとうございます。映像で元気な姿を確認できてとても嬉しいです。

以前茉莉亜様が他のBBSに書かれたベルギー公演のレポがずっと頭を掠めていました。アンジェラ加瀬さんの記事も読みましたが、それ以上に生々しかったもので。

その数ヶ月後のガラで治り切らないのにドン・キホーテのパ・ド・ドゥを踊った映像を見たら、舞台袖では歩くこともままならないのに、舞台で踊る姿はまったく怪我をしているなんて分からないほどで、無理をして踊る姿に彼の舞台生命を縮めるのではないかと心配していました。

ルンキナは相手役としては体重が軽い方で負担が少ないと思いますが、とにかく全幕での舞台復帰嬉しい限りです。日本で来年夏に彼に出会えるのを楽しみに待っています。

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ベルギー公演のことなど (茉莉亜)
2006-11-15 09:29:05
管理人様、NANA様、USAKO様、

皆さんウヴァーロフさんの公演を多種・多数ご覧になっていらっしゃるようで羨ましいです。

私自身はウヴァーロフさんを初めて観たのは96年の光藍社「オールスター・バレエ・ガラ」にグラチョーワさんとご出演された時が最初で、その後家族に病人が出てしまった関係で7年間まったく公演を観る事ができなかったのです。ですからファンとして常に心の中に「彼の最も美しい時の舞台を見逃してしまった」という深い後悔の念があります。3年前からまた少しづつ観るようになりましたが、今も仕事が忙しく数は観れないのです。

ベルギーは前日パリにいた関係でダメもとで行ってみました。配役が発表になる何ヶ月も前からチケットはソルドアウトだったとのことでしたが、当日劇場窓口に並び、幸運にも戻ってきたチケットを手に入れることができたのでした。

幕間には日本人の方はお見かけしませんでしたが、ウヴァーロフさんが怪我に倒れた後、楽屋口に行ってみるとお友達同士で観に来られたらしいお二人と、加瀬さんらしき方をお見かけしました。

救急車や警察官も多数いて大騒ぎになっていました。我々は皆,今にもウヴァーロフさんが担架に乗せられ救急車に運ばれて来るのでは・・・?
と心配で、言葉も涙すら出ないような状態でした。皆蒼白、公演後のパーティー出席の為、集まって来たらしい1幕出演のみの若手男性ダンサー達も、何がなんだかわからず救急車を見て真っ青になり立ちつくしていました。

結局いくら待ってもウヴァーロフさんは出ていらっしゃらず、怪我の内容、状態についても長いこと何もわからぬまま、帰国後真っ暗な日々を過ごしていました。

NANA様、USAKO様は、オン☆ステージ新聞の加瀬さんの記事もお読みなんですね!バレエ関係者や招聘元さんが定期購読している業界紙なのに、目を通していらっしゃるとはスゴイ!

私はバレエ教室を持っている友人から教えてもらい、ウヴァーロフさんの記事が載ると教えてもらい購入するようになりました、

ベルギー公演の記事の載った1657号はウヴァーロフさんのお稽古風景の写真が珍しかったですね。同じ1面にフィーリンさんとユカリーシャさんの「ジゼル」の公演評・写真も載りました。

アンジェラ加瀬さんは文園社の「バレリーナへの道」のお仕事もされていらっしゃって、ボリショイ・バレエ団のお稽古やスタジオ・リハーサル風景写真(印刷がだいぶ暗く残念なのですが・・・)、舞台裏レポート、ウヴァーロフさんの子供時代、バレエ学校時代のエピソードや読者への直筆メッセージ(字がとてもキレイ!)が載った56号、フィーリンさんのインタビューや写真の載った63号(こちらは印刷がとても明るいです)はとても興味深く、購入してしまいました。

シュトットガルトのフォーゲル兄弟(41号)やハンブルグ・バレエのイヴァン・ウルバンとアンナ・ポリカルポヴァ特集(62号)は子供時代の写真がとてもカワイイですし、インタビューもとても面白いです。

「バレリーナへの道」は、バレエの先生方や習っている生徒さん向けの雑誌なので、ファンの方はご存知ないことが多いようですね。

ただオン☆ステージ新聞、「バレリーナへの道」ともまだバックナンバーは全て揃うと思いますヨ。

今日は管理人様のいつものご尽力と共に+NANAさま、USAKOさまの書き込みを読むことができ、とても嬉しく感じました。

自分が観る事のかなわなかった舞台、観に行くことのできない公演について皆様に教えて頂くことができる場があるのは素晴らしいことですネ。

どうかこれからも宜しくお願いいたします。

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コメント深謝 (管理人)
2006-11-15 10:09:06
皆様からさまざまなコメントをお寄せ頂き誠にありがとうございます。このように喜んで頂けると日曜に公演を見た後深夜まで掛けてUPした甲斐があったというおのです。月曜早朝から水曜深夜まで欧州出張中で皆様のコメントに一つ一つコメントすることが出来ずお許しください。
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お身体ご自愛下さい (茉莉亜)
2006-11-15 17:31:06
管理人様、

欧州ご出張でいらっしゃるのですね。お仕事ご苦労様です。どうぞお体ご自愛下さい。これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。
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同じく (ひめ)
2006-11-15 21:33:24
お忙しそうですね。
ここ2,3日は少しは暖かい(といっても0度)で
過ごしやすかったのですが、ロシア語の先生曰く
来週からぐっと寒くなるそうです。
お風邪など召されませんように♪
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